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二世帯住宅の建築費用の相場や維持費など、お金について徹底解説!

間取り・住宅の特徴

2024/08/21

2024/08/21

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

二世帯住宅の建築費用の相場や維持費など、お金について徹底解説!

近年、高齢化社会の進展や子育て世代のサポートニーズの高まりに伴い、二世帯住宅への関心が高まっています。親世帯と子世帯が同じ屋根の下で暮らす二世帯住宅は、家族の絆を深めつつ、互いにプライバシーを確保できる住まい方として注目を集めています。しかし、二世帯住宅の建築を検討する際、多くの方が気になるのが建築費用の相場ではないでしょうか。本記事では、二世帯住宅の基本的な情報や建築費用の相場、メリットなどについて詳しく解説していきます。

二世帯住宅の大きさや建築費用の相場

二世帯住宅の大きさや建築費用は、家族構成や生活スタイル、土地の広さ、地域性などによって大きく異なります。ここでは、一般的な相場感について詳しく解説していきます。

二世帯住宅の一般的な大きさ

二世帯住宅の延べ床面積は、通常40坪から60坪程度が多く見られます。これは、一般的な一戸建て住宅の1.5倍から2倍程度の広さに相当します。ただし、都市部では土地の制約から30坪程度のコンパクトな二世帯住宅も珍しくありません。一方、郊外や地方では70坪以上の広々とした二世帯住宅も見られます。

建築費用の相場

二世帯住宅の建築費用は、坪単価で考えると80万円から100万円程度が一般的です。この坪単価に先ほどの延べ床面積を掛けると、おおよその建築費用が算出できます。つまり、40坪の場合は3,200万円から4,000万円、60坪の場合は4,800万円から6,000万円程度となります。

ただし、これはあくまで平均的な相場であり、実際の費用は様々な要因によって上下します。例えば、高級建材を使用したり、最新の設備を多く導入したりすると、坪単価が150万円を超えるケースもあります。逆に、ローコスト住宅メーカーを選択したり、建材をグレードダウンしたりすることで、坪単価を60万円程度に抑えられる場合もあります。

地域による価格差

建築費用は地域によっても大きく異なります。一般的に、東京や大阪などの大都市圏では建築費用が高くなる傾向にあります。これは、人件費や材料費、運搬費などが地方に比べて高いためです。例えば、東京では坪単価が100万円を超えることも珍しくありませんが、地方都市では70万円台で抑えられることもあります。

二世帯住宅特有のコスト

二世帯住宅では、一般的な一戸建てに比べて追加のコストがかかる要素があります。例えば、キッチンや浴室、トイレなどの水回り設備を2セット設置する場合、その分の費用が加算されます。また、玄関を2つ設ける場合も追加コストとなります。さらに、世帯間の防音対策や、プライバシーを確保するための間取りの工夫なども、建築費用を押し上げる要因となります。

コスト削減のポイント

二世帯住宅の建築費用を抑えるためには、いくつかの工夫が考えられます。例えば、完全分離型ではなく一部共用型を選択することで、設備の重複を避けられます。また、将来的な分離を見越して設計しておき、初期段階では同居型として建築することも一案です。さらに、標準仕様の範囲内で選択することや、建築会社の早期契約特典などを利用することも、コスト削減につながります。

二世帯住宅の大きさや建築費用は、家族の要望や生活スタイル、予算などによって大きく変わります。平均的な相場を参考にしつつ、自家族に最適な選択をするためには、複数のハウスメーカーや工務店から見積もりを取り、じっくりと比較検討することが大切です。また、建築費用だけでなく、将来的なメンテナンス費用や光熱費なども考慮に入れた総合的な判断が求められます。

人気の一部共用タイプについて

一部共用タイプの二世帯住宅は、完全分離型と同居型の中間に位置し、プライバシーを確保しつつ家族の交流も大切にできる人気のスタイルです。ここでは、一部共用タイプの二世帯住宅で一般的に共用される空間や、その特徴について詳しく解説していきます。

玄関

玄関の共用は、一部共用タイプの二世帯住宅で最も多く見られる形態です。玄関を共用することで、外観をすっきりさせつつ、建築コストを抑えられるメリットがあります。また、家族の出入りを自然に把握できるため、高齢者の見守りにも効果的です。ただし、玄関を共用する場合でも、靴箱や傘立てなどは世帯ごとに分けて設置するのが一般的です。

リビング・ダイニング

リビングやダイニングを共用スペースとすることで、家族のコミュニケーションを促進しつつ、個室は分離するといった工夫も多く見られます。特に、1階に親世帯の寝室と共用リビング、2階に子世帯の個室を配置するような間取りが人気です。この場合、食事の時間や団らんの時間は一緒に過ごし、プライベートな時間は別々に過ごすといったメリハリのある生活が可能になります。

キッチン

キッチンの共用は、設備費用の削減に大きく貢献します。また、調理や片付けを協力して行うことで、家事の負担軽減にもつながります。ただし、キッチンを共用する場合は、収納スペースを世帯ごとに分けたり、調理スペースを広めに確保したりするなどの工夫が必要です。最近では、アイランドキッチンを採用し、一つのキッチンを両世帯で向かい合って使用できるようにする例も増えています。

浴室・洗面所

浴室や洗面所の共用は、水回りの設備費用を大幅に抑えられるメリットがあります。特に、高齢者にとっては、毎日の入浴を子世帯が見守れるという安心感があります。ただし、使用時間の調整が必要になるため、家族の生活リズムや好みに応じて検討する必要があります。最近では、浴室は共用し、洗面所は別々に設置するといった折衷案も人気です。

庭・ガーデニングスペース

外部空間の共用も一般的です。庭やガーデニングスペース、バルコニーなどを共有することで、限られた敷地を有効活用できます。また、家族で一緒に植物の手入れをしたり、バーベキューを楽しんだりすることで、世代を超えたコミュニケーションの機会が生まれます。

収納スペース

倉庫や物置などの大型収納スペースを共用するケースも多く見られます。季節物の衣類や、滅多に使わない家電製品などを保管するのに適しています。ただし、共用の収納スペースを設ける場合は、使用ルールを事前に決めておくことが大切です。

駐車場

敷地に余裕がある場合、駐車場を共用することも可能です。ただし、車の使用頻度や台数によっては、世帯ごとに専用の駐車スペースを確保したほうが良い場合もあります。

一部共用タイプの二世帯住宅では、これらの空間を適切に組み合わせることで、家族の結びつきと個々のプライバシーのバランスを取ることができます。どの空間を共用にするかは、家族の生活スタイルや価値観、将来的な変化の可能性なども考慮しながら慎重に検討することが大切です。また、共用部分の使用ルールや費用負担の方法なども、事前にしっかりと話し合っておくことが、快適な二世帯生活を送るための鍵となります。

二世帯住宅の代表的な施工例と概算費用

二世帯住宅の設計は多様で、家族構成や生活スタイル、敷地条件などによって大きく異なります。ここでは、よく見られる二世帯住宅の代表的な施工例と、それぞれの概算費用について紹介します。ただし、費用は地域や具体的な仕様によって変動するため、あくまで目安としてご参考ください。

完全分離型:縦割り二世帯住宅

・構造:3階建て、延べ床面積約60坪

・1階:親世帯のLDK、浴室、トイレ、寝室

・2階:子世帯のLDK、浴室、トイレ

・3階:子世帯の寝室、子供部屋

・特徴:玄関、階段、設備すべてが別々で、プライバシーが十分に確保されています。

・概算費用:5,400万円〜7,200万円(坪単価90万円〜120万円で計算)

一部共用型:平屋+2階建ての組み合わせ

・構造:平屋+2階建て、延べ床面積約50坪

・平屋部分(親世帯):LDK、寝室、浴室、トイレ

・2階建て部分1階:共用リビング、キッチン、浴室

・2階建て部分2階:子世帯の寝室、子供部屋

・特徴:平屋部分で親世帯の暮らしやすさを確保しつつ、共用リビングで交流が可能です。

・概算費用:4,000万円〜5,500万円(坪単価80万円〜110万円で計算)

同居型:2階建て大型住宅

・構造:2階建て、延べ床面積約45坪

・1階:共用LDK、親世帯の寝室、浴室、トイレ

・2階:子世帯の寝室、子供部屋、書斎、2階リビング

・特徴:設備を共用することでコストを抑えつつ、2階に子世帯の私的空間を確保しています。

・概算費用:3,375万円〜4,500万円(坪単価75万円〜100万円で計算)

隣接型:敷地内別棟

・構造:本棟2階建て約40坪、別棟平屋約15坪、合計約55坪

・本棟(子世帯):2階建ての一般的な戸建て住宅

・別棟(親世帯):平屋建てのコンパクトな住宅

・特徴:完全に独立した生活が可能で、庭を共有することで交流もできます。

・概算費用:4,950万円〜6,600万円(坪単価90万円〜120万円で計算)

フレキシブル型:将来の変化に対応

・構造:2階建て、延べ床面積約50坪

・1階:共用LDK、親世帯の寝室、浴室、トイレ、将来分割可能な洋室

・2階:子世帯の寝室、子供部屋、将来増設可能なキッチンスペース

・特徴:現在は一部共用型ですが、将来的に完全分離型に変更可能な設計になっています。

・概算費用:4,500万円〜6,000万円(坪単価90万円〜120万円で計算)

これらの概算費用には、基礎工事、本体工事、設備工事などの基本的な建築費用が含まれていますが、外構工事、家具、エアコンなどの費用は含まれていません。また、土地の購入費や造成費は別途必要となります。

二世帯住宅の費用は、選択する間取りや設備、建材の品質などによって大きく変動します。また、地域による物価の違いや、建築会社によっても価格が異なります。そのため、実際に計画を進める際は、複数の建築会社から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。また、将来的なメンテナンス費用や光熱費なども考慮に入れた総合的な判断が求められます。

よくある質問(Q&A)

二世帯住宅の建築を検討する際、多くの方が費用に関する疑問を抱えています。ここでは、費用に関する質問を中心に、よくある質問とその回答をまとめました。

Q1: 二世帯住宅は将来的に売却しやすいですか?

A1: 二世帯住宅は一般的な一戸建てに比べて売却しにくい傾向にあります。これは、二世帯向けの特殊な間取りや設備が、一般の買主のニーズと合わない可能性があるためです。ただし、将来的な転用を考慮した柔軟性のある設計にしておくことで、売却時の選択肢を広げることができます。

Q2: 二世帯住宅の建築費用は、通常の一戸建てと比べてどのくらい高くなりますか?

A2: 一般的に、二世帯住宅の建築費用は通常の一戸建てに比べて20〜40%程度高くなる傾向があります。これは、延べ床面積が大きくなることや、キッチンや浴室などの設備を2セット設置することが多いためです。ただし、一部共用型や同居型を選択することで、コストを抑えることも可能です。

Q3: 二世帯住宅の建築費用を抑えるコツはありますか?

A3: 以下のような方法で建築費用を抑えることができます:。

・一部共用型を選択し、キッチンや浴室などの設備を共有する

・建物の形状をシンプルにする ・将来的な分離を見越して設計し、初期段階では同居型として建築する

・標準仕様の範囲内で選択する ・ハウスメーカーの早期契約特典などを利用する

ただし、快適性や将来的な使い勝手を犠牲にしすぎないよう注意が必要です。

Q4: 二世帯住宅の維持費は、通常の一戸建てと比べてどうですか?

A4: 二世帯住宅の維持費は、一般的に通常の一戸建てよりも高くなります。これは、建物が大きいため光熱費や修繕費が増加するためです。ただし、親世帯と子世帯で費用を分担することで、1世帯あたりの負担は軽減できる可能性があります。また、設備の使用頻度が上がることで、耐用年数が短くなる可能性もあるため、計画的なメンテナンスが重要です。

Q5: 二世帯住宅のローンについて、何か特別な配慮はありますか?

A5: 二世帯住宅専用のローン商品を提供している金融機関もあります。これらは、親子での連帯債務を認めるなど、通常のローンよりも柔軟な条件が設定されていることがあります。また、親世帯の持ち家を売却して子世帯と同居する場合、住み替え支援ローンを利用できる可能性もあります。ただし、具体的な条件は金融機関によって異なるため、複数の金融機関に相談することをおすすめします。

Q6: 二世帯住宅を建てる際の税制上の優遇措置はありますか?

A6: 二世帯住宅を建てる際には、いくつかの税制上の優遇措置が適用される可能性があります。例えば、親世帯から子世帯への資金贈与に関する贈与税の非課税措置や、バリアフリー改修工事に対する所得税の控除などがあります。また、一定の条件を満たす二世帯住宅では、固定資産税の減額措置が受けられる場合もあります。ただし、これらの優遇措置は条件や適用期間が限定されている場合が多いため、最新の情報を確認し、必要に応じて税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

Q7: 二世帯住宅の建築費用の世帯間での分担方法について、一般的な例はありますか?

A7: 建築費用の分担方法は家族の事情によって様々ですが、一般的な例としては以下のようなものがあります。

・親世帯と子世帯で折半する

・床面積比で按分する

・各世帯の収入に応じて分担する

・親世帯が全額負担し、子世帯は家賃として毎月一定額を支払う

いずれの場合も、将来的な相続も視野に入れて、家族で十分に話し合って決めることが重要です。また、決定した分担方法は書面で残しておくことをおすすめします。

二世帯住宅の建築には、通常の一戸建て以上に慎重な計画と準備が必要です。特に費用面については、初期費用だけでなく、維持費や将来的な改修費用なども考慮に入れた総合的な判断が求められます。専門家のアドバイスを受けながら、家族でよく話し合って決めていくことが大切です。

まとめ

二世帯住宅は、家族の絆を深めつつ、経済的メリットも享受できる住まい方として注目を集めています。建築費用の相場は3,200万円から6,000万円程度ですが、タイプや設計によって大きく変動します。完全分離型、一部共用型、同居型の3タイプがあり、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。二世帯住宅の計画では、家族間のコミュニケーションを大切にし、将来を見据えた柔軟な設計を心がけることが重要です。また、相続税対策としての側面も考慮に入れつつ、専門家のアドバイスを受けながら慎重に検討を進めることをおすすめします。二世帯住宅は、家族の絆を深め、豊かな暮らしを実現するための選択肢の一つとして、今後もますます注目されていくでしょう。

なお、当社が提供している「housemarriage」では、住宅コンシェルジュが理想の家づくりのサポートとして、住まいを探す上で重要なハウスメーカーや工務店の営業担当者とのマッチングサポートをさせていただきます。住宅購入の資金計画の相談・作成や、相性良く親身になってくれる「営業担当者」をご紹介します。家づくりに関して少しでも不安を感じるようであれば、お問い合わせください。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

運営会社情報

  • 会社名

    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

  • 代表者

    :渡辺知光

  • 本社
    所在地

    :〒104-0045 東京都中央区築地2-15-15 セントラル東銀座1002

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