housemarriage

猫も人も暮らしやすい家づくり・注文住宅のポイントや間取りの工夫を解説

間取り・住宅の特徴

2024/08/26

2024/08/26

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

猫も人も暮らしやすい家づくり・注文住宅のポイントや間取りの工夫を解説

猫と人が共に快適に暮らせる家づくりは、多くの愛猫家の夢です。しかし、猫の習性や好みを考慮しながら、人間にとっても快適な空間をデザインするのは簡単なことではありません。本記事では、獣医師と建築家への取材をもとに、猫も人も暮らしやすい家づくりのポイントを詳しく解説します。トイレ置き場や爪とぎ対策、ニオイ対策などのお悩み解決法から、猫に配慮した間取りの工夫まで、実践的なアドバイスをお届けします。

猫にとって暮らしやすい家について

猫にとって暮らしやすい家とは、猫の本能や習性に配慮し、安全かつ快適な環境を提供する空間です。猫の特性を理解し、それに合わせた工夫を施すことで、猫のストレスを軽減し、健康的で幸せな生活を送ることができます。

猫の習性について

猫の習性を理解することは、快適な住環境を整える上で非常に重要です。猫は以下のような特徴的な習性を持っています。

1. 高所志向:猫は高い場所を好み、そこから周囲を見渡すことを楽しみます。これは、野生時代の捕食者としての本能が関係しています。

2. 縄張り意識:猫は自分の領域を持ちたがる傾向があります。自分の匂いを付けたり、特定の場所を好んだりします。

3. 隠れ場所の確保:ストレスを感じたときや休息したいときに、安全な隠れ場所を必要とします。

4. 探索行動:好奇心が強く、新しい環境や物を探索することを好みます。

5. 清潔志向:猫は非常に清潔好きで、特にトイレや食事の場所の衛生状態に敏感です。

猫の暮らしやすい間取りや工夫

猫と快適に暮らすためには、猫の習性や好みを考慮した間取りや空間づくりが重要です。以下に、猫の暮らしやすい間取りや工夫について詳しく解説します。

猫の好奇心をくすぐる仕掛けをつくる

猫は好奇心旺盛な動物です。家の中に様々な仕掛けを作ることで、猫の探索欲求を満たし、ストレスを軽減することができます。

1. キャットウォーク:壁に沿って棚を設置し、猫が高所を移動できるようにします。これにより、猫の運動不足解消にも役立ちます。

2. 隠れ家:クローゼットの一角や本棚の一部を猫専用スペースにするなど、猫が安心して過ごせる隠れ家を作ります。

3. 遊び場:リビングの一角にキャットタワーを設置したり、おもちゃを散りばめたりして、猫が自由に遊べる空間を作ります。

4. 観察スポット:家の中のさまざまな高さに棚や台を設置し、猫が周囲を観察できるスポットを用意します。

猫が景色を楽しめるよう家のあちこちに窓を設ける

猫は外の景色を眺めることが大好きです。家の設計時に以下のような工夫をすることで、猫の好奇心を満たすことができます。

1. 低い位置の窓:床から30〜40cm程度の高さに小窓を設けることで、猫が外を覗きやすくなります。

2. 出窓:猫が寝そべりながら外を眺められる出窓は、猫にとって最高の居場所となります。

3. 窓辺の棚:既存の窓の下に棚を設置し、猫が快適に外を眺められるスペースを作ります。

4. 猫用網戸:網戸に猫用の出入り口を付けることで、ベランダなどに出られるようにします(安全面には十分注意が必要です)。

猫にとって快適なトイレ置き場のコツ

トイレの配置は猫の快適な暮らしに大きく影響します。以下のポイントに注意してトイレを設置しましょう。

1. 静かな場所:人の往来が少なく、静かな場所を選びます。洗面所や脱衣所の一角が適しています。

2. 見晴らしの良い場所:猫は排泄中も警戒心が強いため、周囲が見渡せる場所が好まれます。

3. 食事場所から離れた場所:猫は食事と排泄を別の場所で行いたがるため、食事スペースからはある程度離れた場所に設置します。

4. 掃除のしやすさ:床材は水洗いができるものを選び、換気にも配慮します。

多頭飼いの場合は、それぞれの猫の食事スペースを確保

複数の猫を飼っている場合、食事時のストレスを軽減するために以下の工夫が効果的です。

1. 個別の食事スペース:それぞれの猫が安心して食事できるよう、別々の場所にフードボウルを設置します。

2. 高低差の活用:棚や台を利用して高低差をつけることで、猫同士の視線が合わないようにします。

3. 十分な距離:各猫のフードボウルは最低でも1〜2メートル以上離して配置します。

4. 水飲み場の分散:水飲み場も複数箇所に設置し、争いを防ぎます。

これらの工夫を取り入れることで、猫にとって快適な生活環境を整えることができます。ただし、すべての猫に同じ方法が効果的とは限らないため、自分の猫の性格や好みをよく観察し、適宜調整を加えていくことが大切です。また、新しい環境に慣れるまでには時間がかかることもあるので、猫の様子を見ながら根気強く対応していきましょう。

猫と暮らす間取り設計におけるポイント

猫と快適に暮らすための間取り設計は、人間の生活空間と猫の必要とする環境を上手くバランスさせることが重要です。以下に、猫と暮らす際の間取り設計におけるポイントを詳しく解説します。

飼い主のライフスタイルをベースに猫にとって快適な空間を考える

猫との共生を考えた間取り設計では、まず飼い主のライフスタイルを基本に置きつつ、猫の快適性を追求することが大切です。

1. 開放的なリビング:猫は家族と一緒に過ごすことを好むため、リビングは広々とした開放的な空間にしましょう。キッチンとダイニングを一体化させたLDKは、猫の様子を見守りやすく理想的です。

2. キャットウォークの設置:壁面や天井付近に猫専用の通路(キャットウォーク)を設けることで、猫の運動不足解消と、人間の生活空間の確保を両立できます。

3. 猫用スペースの確保:リビングの一角や階段下のスペースを利用して、猫専用の休憩所や遊び場を設けましょう。

4. 窓辺の活用:猫は外の景色を眺めるのが大好きです。窓辺に棚を設置したり、出窓を作ったりして、猫が寛げるスポットを用意します。

5. 動線の確保:猫が自由に移動できるよう、家具の配置や間取りを工夫します。特に、高所から高所へ移動できる経路を確保すると良いでしょう。

猫の安全面に配慮した素材を選ぶ

間取り設計時には、使用する素材にも注意を払う必要があります。猫の安全と快適性を考慮し、以下のような選択をしましょう。

1. 床材:爪が引っかかりにくく、滑りにくい素材を選びます。フローリングやタイルが適していますが、クッション性のあるコルクフローリングも猫に優しい選択肢です。

2. 壁材:猫の爪とぎに強い素材や、簡単に張り替えられる壁紙を選びます。珪藻土や漆喰などの自然素材は、消臭効果もあり猫との暮らしに適しています。

3. 家具:角の丸い家具を選び、転倒防止対策を施します。また、ファブリックは爪とぎに強い素材を選びましょう。

4. 窓:網戸は猫が引っ掛けても破れにくいペット用の強化網戸を使用します。また、高所の窓には転落防止のための柵やネットを設置します。

猫に入ってほしくない空間は間仕切りでセパレート

猫の行動範囲をコントロールしつつ、人間の生活空間も確保するために、適切な間仕切りの使用が効果的です。

1. 引き戸やスライドドア:開け閉めが簡単で、必要に応じて空間を仕切れる引き戸やスライドドアを活用します。

2. ガラスの間仕切り:視線は通すが、物理的に空間を分けられるガラスの間仕切りは、猫の行動を見守りつつ管理するのに適しています。

3. キャットドア付きの扉:通常の扉にキャットドアを取り付けることで、人間が扉を開けなくても猫が自由に行き来できます。

4. ベビーゲート:簡易的な仕切りとして、ベビーゲートを使用するのも効果的です。猫の跳躍力を考慮した高さのものを選びましょう。

猫用の収納スペースを確保する

猫との暮らしには様々なグッズが必要になるため、専用の収納スペースを確保することが重要です。

1. キャットタワー収納:使わないときにはコンパクトに収納できる折りたたみ式のキャットタワーを選びます。

2. トイレ用品の収納:猫砂やトイレ掃除用具を収納できる専用のキャビネットを設置します。

3. フード・おもちゃの収納:キッチンの一角やリビングに、猫用のフードやおもちゃを収納できるスペースを確保します。

4. 多機能家具の活用:収納機能付きのキャットタワーや、猫ベッドになるオットマンなど、人間と猫両方に使える多機能家具を取り入れると空間を有効活用できます。

これらのポイントを考慮して間取り設計を行うことで、猫にとっても人間にとっても快適な住空間を実現することができます。ただし、すべての猫に同じ設計が適するわけではないため、自分の猫の性格や好みをよく観察し、必要に応じて調整を加えていくことが大切です。また、新しい環境に慣れるまでには時間がかかる場合もあるので、猫の様子を見守りながら、徐々に理想の住まいづくりを進めていきましょう。

暮らしで困る猫の行動、その備えや対策

猫との暮らしは楽しい反面、困った行動に悩まされることもあります。ここでは、よくある問題行動とその対策について詳しく解説します。

猫が気に入るよう、トイレは体長の1.5倍以上のスペースを確保

トイレの問題は、猫の飼い主にとって最も一般的な悩みの一つです。適切なトイレ環境を整えることで、多くの問題を防ぐことができます。

1. 適切なサイズ:猫の体長の1.5倍以上のスペースを確保します。これにより、猫が自由に動き回れ、快適に排泄できます。

2. トイレの数:猫の数プラス1個が理想的です。複数箇所に設置することで、猫の好みや状況に応じて選べるようになります。

3. 砂の種類:猫の好みに合わせて選びます。一般的に、細かい粒子の砂が好まれます。

4. 清潔さ:毎日のお手入れが重要です。定期的に砂を全交換し、トイレ本体も洗浄します。

5. 場所選び:静かで、でも適度に開けた場所を選びます。食事場所からは離しましょう。

あえて爪とぎをする場所を設けて、猫のストレスを溜めない

爪とぎは猫の本能的な行動ですが、家具を傷つけられては困ります。以下の対策を講じることで、猫と家具の両方を守ることができます。

1. 専用の爪とぎの設置:縦型や横型、様々な素材の爪とぎを用意し、猫の好みを見つけます。

2. 適切な場所選び:猫がよく過ごす場所の近くに爪とぎを置きます。特に、家具の近くに置くことで、家具を傷つける行動を予防できます。

3. 爪とぎの固定:安定した爪とぎを用意することで、猫が快適に爪を研げます。

4. 正しい行動の褒め方:爪とぎを使用したときは、撫でたり褒めたりして肯定的な強化をします。

5. 家具の保護:家具にアルミホイルやダブルサイドテープを貼るなど、猫が爪を立てにくくする工夫をします。

猫に入ってほしくない場所への侵入や脱走対策も

好奇心旺盛な猫は、時に危険な場所に入り込んだり、外に脱走しようとしたりします。以下の対策を講じることで、猫の安全を守ることができます。

1. 物理的な障壁:危険な場所や入ってほしくない部屋には、ドアを閉めるか、ベビーゲートなどで入口を塞ぎます。

2. 脱走防止用の網戸:窓や玄関に脱走防止用の網戸を設置します。外の景色は楽しめつつ、脱走は防げます。

3. 二重扉システム:玄関に二重扉を設けることで、猫が外に出る危険性を大幅に減らすことができます。

4. 高所からの転落防止:ベランダや窓際に、猫用の落下防止ネットを設置します。

5. 危険物の収納:洗剤や薬品など、猫にとって危険なものは、確実に閉まる扉のついた収納に保管します。

6. 興味を引く場所づくり:家の中に猫が楽しめる空間を作ることで、危険な場所や外への興味を軽減できます。

7. マイクロチップの装着:万が一の脱走に備え、マイクロチップを装着しておくことをおすすめします。

これらの対策を講じることで、多くの問題行動を予防し、改善することができます。ただし、突然の行動の変化や持続的な問題行動がある場合は、健康上の問題がある可能性もあるため、獣医師に相談することをお勧めします。

また、猫との暮らしでは、忍耐強く対応することが大切です。叱ったり罰を与えたりするのではなく、正しい行動を促し、褒めることで、猫とより良い関係を築くことができます。環境を整え、猫の行動をよく観察し、理解を深めることで、猫も人も幸せな暮らしを実現することができるでしょう。

よくある質問(Q&A)

猫との暮らしについて、多くの方が抱える疑問や悩みについて、Q&A形式で詳しく解説します。

Q1: 猫を飼っている家の臭い対策はどうすればいいですか?

A1: 猫を飼っている家の臭い対策には、以下のような方法が効果的です。

1. こまめな換気:1日数回、窓を開けて空気を入れ替えましょう。

2. 定期的な清掃:特にトイレ周りや猫の好む場所は毎日清掃します。

3. 消臭効果のある建材の使用:珪藻土や漆喰などの消臭効果のある素材を壁や天井に使用します。

4. 空気清浄機の設置:猫の毛やニオイを効果的に除去できる空気清浄機を使用します。

5. トイレの管理:こまめな清掃と、消臭効果の高い猫砂の使用が重要です。

6. グルーミングの実施:定期的なブラッシングで猫の毛の飛散を防ぎます。

Q2: 猫が高い場所に上るのを防ぐにはどうすればいいですか?

A2: 猫の高所志向は本能的なものですので、完全に防ぐのは難しいですが、以下の方法で対策することができます。

1. 安全な代替場所の提供:キャットタワーや棚など、安全に上れる高所を用意します。

2. 不要な高所の撤去:上られたくない家具や棚は、可能な限り撤去します。

3. 障害物の設置:高所の入り口に観葉植物や装飾品を置き、猫が上りにくくします。

4. 忌避スプレーの使用:上ってほしくない場所に、猫用の忌避スプレーを吹きかけます。

5. ポジティブな強化:猫が指定した場所で遊んだり休んだりしたときに褒めます。

Q3: 猫との暮らしに適した床材は何ですか?

A3: 猫との暮らしに適した床材には、以下のようなものがあります。

1. フローリング:掃除がしやすく、爪とぎの跡が付きにくいです。

2. タイル:耐久性が高く、掃除が簡単です。ただし、冬は冷たく感じる可能性があります。

3. コルクフローリング:クッション性があり、猫の関節に優しいです。また、防音効果もあります。

4. 塩ビ系フローリング:耐久性が高く、水に強いため、トイレ周りに適しています。

5. コンクリート調の床:モダンな雰囲気で、耐久性も高いです。

カーペットは避けた方が良いでしょう。毛が絡まりやすく、臭いが染み付きやすいためです。

Q4: 猫の爪とぎ対策で効果的な方法はありますか?

A4: 猫の爪とぎ対策には、以下の方法が効果的です。

1. 適切な爪とぎの提供:猫の好む素材や形状の爪とぎを用意します。

2. 爪とぎの戦略的配置:家具の近くに爪とぎを置き、家具を守ります。

3. ポジティブな強化:爪とぎを使用したときに褒めます。

4. 家具の保護:爪とぎしたくない家具にアルミホイルやダブルサイドテープを貼ります。

5. 定期的な爪切り:爪を短く保つことで、爪とぎの頻度を減らせます。

Q5: 多頭飼いの場合、どのような点に気をつければいいですか?

A5: 多頭飼いの場合は、以下の点に気をつけることが重要です。

1. 十分な数のリソース:トイレ、食器、水飲み、爪とぎなどを猫の数よりも多く用意します。

2. 個別の空間:それぞれの猫が自分だけの空間を持てるよう、十分な隠れ場所や高所を用意します。

3. 適切な導入:新しい猫を迎え入れる際は、徐々に慣れさせるプロセスを踏みます。

4. 平等な愛情:すべての猫に平等に接し、特定の猫だけを可愛がることは避けます。

5. ストレスサインの観察:猫同士のいじめや過度なストレスがないか、常に観察します。

これらの質問と回答を参考にしながら、あなたの猫との暮らしをより快適なものにしていってください。猫との生活で新たな疑問や問題が生じた場合は、獣医師や動物行動学の専門家に相談することをおすすめします。一つ一つの課題を解決していくことで、猫との幸せな暮らしを実現できるはずです。

まとめ

猫も人も暮らしやすい家づくりは、猫の習性を理解し、それに合わせた環境を整えることから始まります。高い場所や隠れ家の確保、適切なトイレスペースの設置、爪とぎ対策など、猫の快適性に配慮しつつ、人間にとっても使いやすい空間を設計することが大切です。また、安全性や清潔さにも十分な注意を払い、猫と長く幸せに暮らせる住まいを目指しましょう。専門家のアドバイスを参考にしながら、あなたと愛猫にぴったりの住まいづくりを進めてください。

なお、当社が提供している「housemarriage」では、住宅コンシェルジュが理想の家づくりのサポートとして、住まいを探す上で重要なハウスメーカーや工務店の営業担当者とのマッチングサポートをさせていただきます。住宅購入の資金計画の相談・作成や、相性良く親身になってくれる「営業担当者」をご紹介します。家づくりに関して少しでも不安を感じるようであれば、お問い合わせください。

サービスについて
詳しく知りたい方はこちら

この記事のタグ

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

運営会社情報

  • 会社名

    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

  • 代表者

    :渡辺知光

  • 本社
    所在地

    :〒104-0045 東京都中央区築地2-15-15 セントラル東銀座1002

  • アクセス

    :地下鉄日比谷線築地駅より徒歩3分

    :地下鉄日比谷線都営浅草線東銀座駅より徒歩3分

housemarriage(住宅営業担当者とのマッチングサービス)についてご紹介します