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階段下をトイレとして有効活用!活用例や設計のポイントを解説

間取り・住宅の特徴

2024/09/04

2024/09/04

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

階段下をトイレとして有効活用!活用例や設計のポイントを解説

注文住宅を建てる際、限られた空間を有効活用することは重要な課題です。その中でも、階段下のスペースをトイレとして活用する方法が注目されています。階段下トイレは、無駄なスペースを有効活用できる一方で、設計には細心の注意が必要です。本記事では、階段下トイレのメリットやデメリット、快適に使用するためのアイデア、設計時の注意点などを詳しく解説します。家づくりの参考にしていただければ幸いです。

階段下のトイレのメリット・デメリット

階段下をトイレとして活用することには、様々なメリットとデメリットがあります。ここでは、それぞれについて詳しく解説していきます。

メリット

1. スペースの有効活用:階段下は通常デッドスペースになりがちですが、トイレとして活用することで限られた敷地面積を最大限に活かすことができます。特に都市部の狭小住宅では、このようなスペース活用が重要になってきます。

2. アクセスの良さ:階段下は通常、1階と2階の中間に位置するため、両フロアからアクセスしやすい場所にトイレを設置できます。これにより、家族全員が使いやすい動線を確保することができます。

3. コストパフォーマンス:新たにトイレ用の部屋を作る必要がないため、建築コストを抑えることができます。また、既存の給排水設備を利用できる場合は、さらにコスト削減につながります。

4. ユニークな空間演出:階段下という特殊な形状を活かすことで、個性的でユニークなトイレ空間を演出することができます。デザイン次第では、家の中でも特別な空間として印象に残るでしょう。

デメリット

1. 天井高の制限:階段の勾配によっては、トイレ内の天井高が極端に低くなる可能性があります。これにより、圧迫感を感じたり、立ち上がる際に頭をぶつけるリスクが生じる場合があります。

2. 通風・採光の問題:階段下は通常、外壁に面していないため、窓を設置することが難しく、自然光の取り入れや換気が課題となります。これにより、湿気がこもりやすくなったり、臭気が滞留しやすくなる可能性があります。

3. 音の問題:階段直下にトイレを設置すると、階段の上り下りの際の足音が気になる場合があります。また、トイレの使用音が階段を通じて家中に響く可能性もあります。

4. 設備の制限:限られたスペースのため、大型の便器や洗面台の設置が難しくなる場合があります。また、収納スペースの確保も課題となりやすいです。

5. バリアフリー対応の難しさ:階段下のスペースは形状が不規則なため、車椅子での使用や手すりの設置など、バリアフリー対応が難しくなる可能性があります。

6. 将来的な改修の難しさ:階段下という構造上重要な場所にトイレを設置するため、将来的な間取りの変更や設備の大幅な入れ替えが難しくなる可能性があります。

階段下トイレの採用を検討する際は、これらのメリットとデメリットを十分に理解し、自分の家族構成やライフスタイル、将来的な需要などを考慮して判断することが重要です。また、デメリットを最小限に抑えるための工夫や対策を、設計段階から十分に検討することをおすすめします。

階段下のトイレを快適にするアイデア

階段下のトイレは、スペースの制約や形状の特殊性から、快適性を確保するのに工夫が必要です。ここでは、階段下のトイレをより快適にするためのアイデアを詳しく解説していきます。

壁紙の色や柄を工夫した空間づくり

壁紙の選び方は、狭小空間の印象を大きく左右します。明るい色調やパステルカラーを選ぶことで、空間を広く感じさせる効果があります。また、縦のストライプ柄を採用すると、視覚的に天井が高く感じられ、圧迫感を軽減できます。鏡面仕上げの壁紙を一部に使用することで、空間が広く感じられる効果も期待できます。天井にも壁と同じ壁紙を貼ることで、空間に統一感が生まれ、より開放的な印象を与えることができます。

照明で雰囲気のある空間を演出

適切な照明計画は、階段下トイレの快適性を大きく向上させます。天井が低いため、ペンダントライトなどの下向きの照明は避け、間接照明やウォールライトを活用しましょう。LEDテープを天井の縁に沿って設置すると、柔らかな光で空間全体を明るく演出できます。また、調光機能付きの照明を採用することで、時間帯や気分に合わせて明るさを調整できます。階段下の傾斜を活かして、段階的に明るさを変える照明プランも効果的です。

余ったスペースをディスプレー収納に

階段下の形状によっては、トイレ設備以外にも余裕のあるスペースが生まれることがあります。このようなスペースを有効活用するために、小さな棚を設置してディスプレー収納として活用しましょう。観葉植物や芳香剤、お気に入りの小物を飾ることで、狭い空間にも温かみと個性を出すことができます。また、トイレットペーパーや掃除用具などの収納スペースとしても活用できます。可動式の棚を使用することで、将来的なレイアウト変更にも対応しやすくなります。

省スペースな手洗い器付きタイプの便器を選ぶ

限られたスペースを有効活用するためには、省スペース設計の便器を選ぶことが重要です。特に、手洗い器が一体となったタイプの便器を採用することで、わずかなスペースでも快適なトイレ空間を実現できます。最新の省スペースタイプの便器は、性能面でも遜色がなく、節水効果も高いものが多いです。また、壁掛け式の便器を採用することで、床面積を広く使うことができ、掃除もしやすくなります。

鏡の効果的な活用

鏡は空間を広く見せる効果があるため、階段下トイレの壁面に大きな鏡を設置することをおすすめします。特に、階段の傾斜に合わせて斜めに鏡を設置すると、ユニークな空間演出が可能になります。また、鏡の縁に間接照明を施すことで、さらに開放感のある空間を演出できます。

床材の選択

床材の選択も重要です。明るい色調の床材を選ぶことで、空間全体が明るく感じられます。また、大判のタイルを使用することで、継ぎ目が少なくなり、空間が広く感じられます。水はけの良い素材を選ぶことで、湿気対策にもなります。

換気設備の充実

階段下トイレは通風が悪くなりがちなため、十分な換気設備が必要です。24時間換気システムの導入や、人感センサー付きの換気扇の設置を検討しましょう。また、消臭効果のある建材や空気清浄機能付きの設備を採用することで、快適な空間を維持できます。

これらのアイデアを組み合わせることで、階段下という制約のあるスペースでも、快適で魅力的なトイレ空間を実現することができます。設計段階から十分に検討し、自分好みの空間づくりを楽しんでみてはいかがでしょうか。

階段下にトイレをつくる際に注意するポイント

階段下にトイレを設置する際には、通常のトイレとは異なる特有の注意点があります。ここでは、階段下トイレを計画する際に注意すべきポイントについて詳しく解説していきます。

平面図だけでなく、ショールームで実際の高さを確認する

階段下トイレの設計では、平面図だけでは把握しきれない空間の制約があります。特に天井高の変化は、実際に体験してみないと理解しづらいものです。そのため、ハウスメーカーのショールームなどで、実際の階段下スペースを体験することが非常に重要です。ショールームでは、以下の点を重点的にチェックしましょう。

1. 立ち上がる際の頭上スペース:便器に座った状態から立ち上がる際に、頭をぶつけないか確認します。

2. 洗面台での作業性:手を洗う際や身だしなみを整える際に、天井が邪魔にならないか確認します。

3. ドアの開閉:ドアを全開にした際に、十分な開口部が確保できるか確認します。

4. 圧迫感:実際に中に入ってみて、閉塞感や圧迫感を感じないか確認します。

トイレットペーパーなどの収納場所を確保する

限られたスペースの中で、必要な収納を確保することは重要な課題です。以下の点に注意して収納計画を立てましょう。

1. トイレットペーパーの収納:使用中のロールと予備のロールを収納できるスペースを確保します。壁埋め込み式の収納や、便器横の狭小スペースを活用した収納などが有効です。

2. 掃除用具の収納:ブラシやクリーナーなどの掃除用具を収納できるスペースを確保します。扉付きの収納を設けることで、見た目もすっきりとさせることができます。

3. タオルや芳香剤の収納:手拭きタオルや芳香剤などを収納できる小さな棚やフックを設置します。

4. 階段下の傾斜を活かした収納:階段の傾斜に合わせた斜めの収納棚を設置することで、デッドスペースを有効活用できます。

通風・採光面に配慮する

階段下トイレは外壁に面していないことが多いため、通風や採光に特別な配慮が必要です。

1. 換気設備の充実:24時間換気システムや人感センサー付きの換気扇を導入し、常に新鮮な空気が循環するようにします。

2. 小窓の設置:可能であれば小窓を設置し、自然光を取り入れると同時に換気ができるようにします。プライバシーに配慮し、すりガラスや型板ガラスを使用するのも良いでしょう。

3. 照明計画:自然光が入りにくい場合は、LED照明などで明るさを確保します。色温度の調整ができる照明を選ぶと、より快適な空間を作ることができます。

4. 湿気対策:除湿機能付きの換気扇や調湿素材を使用した内装材を採用し、湿気がこもりにくい環境を作ります。

開き戸にしてプライバシーを確保する

ドアの選択は、使い勝手とプライバシーの両面で重要です。

1. 開き戸の採用:引き戸は省スペースですが、階段下の形状によっては十分な開口幅が確保できない場合があります。開き戸なら、ドアを全開にすることで広い開口部を確保できます。

2. ドアの向き:ドアの開く向きによっては、階段を上り下りする人の視線が気になる場合があります。プライバシーを考慮してドアの向きを決定しましょう。

3. ドアストッパーの設置:開き戸の場合、ドアが階段にぶつかったり、大きく開きすぎたりしないようにドアストッパーを設置することが重要です。

4. 鍵の種類:プライバシー保護のため、確実に施錠できる鍵を選びましょう。緊急時の解錠にも配慮し、外側から開けられる構造のものを選ぶことをおすすめします。

設備の選択と配置

限られたスペースを最大限に活用するため、設備の選択と配置には特に注意が必要です。

1. コンパクトな便器:壁掛け式やタンクレスタイプの便器を選ぶことで、より広々とした空間を確保できます。

2. 手洗い器の選択:便器と一体型の手洗い器や、コーナー設置型の小型手洗い器を選ぶことで、スペースを有効活用できます。

3. 収納付きの洗面台:洗面台下に収納スペースがあるタイプを選ぶことで、限られたスペースでも収納力を確保できます。

4. 配管スペースの確保:階段下の構造を考慮し、適切な配管スペースを確保することが重要です。特に排水管の勾配には注意が必要です。

以上のポイントに注意を払いながら設計を進めることで、階段下という特殊な空間でも、快適で機能的なトイレを実現することができます。ハウスメーカーや設計士とよく相談しながら、理想的な階段下トイレを作り上げていきましょう。

よくある質問(Q&A)

階段下トイレに関して、多くの方が疑問に思う点をQ&A形式でまとめました。これらの質問と回答を参考に、階段下トイレの計画や設計の参考にしていただければ幸いです。

Q1:階段下トイレの最低限必要な天井高はどのくらいですか?

A1:一般的に、トイレの最低限必要な天井高は1.8m程度とされています。ただし、快適に使用するためには2m以上の高さがあることが望ましいでしょう。階段下の場合、最も低い部分で1.8m以上確保できることが理想的です。ただし、便器の配置場所では2m以上の高さがあると、立ち座りの際の圧迫感が軽減されます。

Q2:階段下トイレは臭いが気になりませんか?

A2:適切な換気設備を設置することで、臭いの問題は大幅に軽減できます。24時間換気システムの導入や、人感センサー付きの高性能換気扇の設置が効果的です。また、消臭効果のある建材の使用や、調湿機能付きの内装材の採用も検討しましょう。さらに、脱臭機能付きの便器を選ぶことで、臭いの問題をより効果的に解決できます。

Q3:階段下トイレの費用は通常のトイレと比べてどうですか?

A3:基本的な設備費用は通常のトイレと変わりませんが、限られたスペースに合わせた特注の設備が必要になる場合もあるため、若干コストが上がる可能性があります。例えば、コンパクトな便器や手洗い器、特殊な形状の収納などが必要になる場合があります。ただし、家全体の有効活用という点では、メリットの方が大きいと言えるでしょう。また、新たに部屋を作る必要がないため、建築コスト全体でみれば節約になる可能性もあります。

Q4:階段下トイレは結露や湿気が心配です。対策はありますか?

A4:結露や湿気対策として、以下の方法が効果的です。

1. 24時間換気システムの導入

2. 調湿機能付きの内装材の使用

3. 床暖房の設置

4. 小窓の設置(可能な場合)

5. 除湿機の設置

また、定期的な換気や掃除を心がけることも重要です。特に床や壁との接合部分は湿気がたまりやすいので、注意が必要です。

Q5:階段下トイレは音が気になりませんか?

A5:階段下という位置柄、音の問題は確かに懸念されます。対策として以下の方法があります。

1. 防音材を壁や天井に使用する

2. 低騒音タイプの便器や換気扇を選ぶ

3. 水の流れる音を軽減する節水タイプの便器を選ぶ

4. ドアの遮音性を高める

5. 床に防振マットを敷く

これらの対策を組み合わせることで、音の問題を大幅に軽減することができます。

Q6:階段下トイレはバリアフリー対応が難しいのではないですか?

A6:確かに、通常の階段下トイレでは完全なバリアフリー対応は難しい場合が多いです。しかし、以下のような工夫で部分的なバリアフリー化は可能です。

1. 手すりの設置

2. 滑りにくい床材の使用

3. 段差の解消(可能な範囲で)

4. 広めの開口部の確保

5. センサー式の照明や水栓の採用

将来的なバリアフリー化の必要性が高い場合は、階段下以外の場所にメインのトイレを設置し、階段下は補助的なトイレとして使用するなどの工夫も考えられます。

Q7:階段下トイレの掃除は大変ではないですか?

A7:確かに通常のトイレより掃除がしにくい部分はありますが、以下の工夫で掃除を簡単にすることができます。

1. 壁掛け式の便器を採用し、床の掃除を容易にする

2. 汚れにくい素材の床材や壁材を選ぶ

3. 凹凸の少ないシンプルな設計にする

4. 掃除用具が収納できるスペースを確保する

5. 手の届きにくい場所には抗菌・防汚コーティングを施す

また、定期的に少しずつ掃除をする習慣をつけることで、清潔な状態を維持しやすくなります。

これらの質問と回答を参考に、階段下トイレの計画を進めていただければと思います。個々の住宅の条件や家族構成によって最適な解決策は異なりますので、専門家とよく相談しながら検討を進めることをおすすめします。

まとめ

階段下をトイレとして活用することは、限られた住宅スペースを最大限に活かす有効な方法です。しかし、その設計には様々な配慮が必要です。天井高や通風、採光などの基本的な要素はもちろん、壁紙や照明、収納など、細部にまで気を配ることで、快適で個性的なトイレ空間を作り出すことができます。ハウスメーカーや設計士とよく相談しながら、あなたの理想の階段下トイレを実現してください。家族全員が使いやすく、かつ個性的な空間となれば、きっと素敵な我が家の自慢の一つになることでしょう。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

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    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

  • 代表者

    :渡辺知光

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