階段下収納の奥行きが深いときや、高い・低いときの活用方法を解説
間取り・住宅の特徴
2024/09/04
2024/09/04
階段下の空間は、多くの家庭で見落とされがちな貴重な収納スペースです。しかし、その形状や位置によって効果的な活用方法が異なります。この記事では、階段下収納を最大限に活用するためのコツや、よくある疑問点について詳しく解説します。適切な使い方を学び、家の収納力を高めていきましょう。
目次
【使いこなすコツ1】階段がある場所によって、収納する物を決める
階段下収納を効果的に活用するためには、階段の位置を考慮して収納する物を決めることが重要です。これにより、日常生活がより便利になり、空間を最大限に活用することができます。
「使う場所の近くにしまう」のが収納のキホン
収納の基本原則は、「使う場所の近くにしまう」ことです。この原則を階段下収納にも適用することで、より使いやすい空間を作ることができます。
1. 玄関近くの階段下:
– 靴、スリッパ、玄関マット
– コート、ジャケット、傘
– ゴルフバッグ、スポーツ用品
– 宅配ボックス
2. リビング近くの階段下:
– 季節家電(扇風機、ヒーター)
– 掃除用具(掃除機、モップ)
– リビング用品(ブランケット、クッション)
– 子どものおもちゃ
3. キッチン近くの階段下:
– 調理器具(鍋、フライパン)
– 保存食品、飲料
– 大型の調理家電(ホームベーカリー、圧力鍋)
– 使用頻度の低い食器
このように、階段の位置に応じて収納する物を決めることで、必要な時にすぐに取り出せる便利な収納スペースを作ることができます。
湿気がたまりやすいので換気を忘れずに
階段下は閉鎖的な空間になりがちで、湿気がたまりやすい特徴があります。そのため、収納する物を選ぶ際には湿気対策も考慮する必要があります。
湿気対策のポイント:
1. 定期的な換気:週に1〜2回程度、扉を開けて空気を入れ替える
2. 除湿剤の使用:市販の除湿剤や炭、珪藻土などの湿気取りを置く
3. 湿気に強い物を選ぶ:プラスチック製品や金属製品など、湿気に強い素材の物を優先的に収納する
4. 衣類や紙類の保管には注意:防虫・防カビ対策をしっかり行う
特に衣類や紙類を収納する場合は、密閉できる収納ケースを使用するなど、湿気から守る工夫が必要です。また、定期的に収納物を取り出して確認し、カビや虫害が発生していないか点検することも大切です。
さらに、階段下収納に電気を引くことができる場合は、小型の換気扇を設置するのも効果的です。これにより、常に空気が循環し、湿気のたまりにくい環境を作ることができます。
階段の位置や家全体の動線を考慮しつつ、湿気対策もしっかりと行うことで、階段下収納を長期的に快適に使用することができます。収納する物を適切に選び、定期的なメンテナンスを行うことで、この特殊な空間を有効活用しましょう。
【使いこなすコツ2】奥行きが深いときは、人が入れるスペースを確保しよう
階段下収納の奥行きが深い場合、その空間を最大限に活用するためには、人が入れるスペースを確保することが重要です。これにより、収納効率が上がり、使い勝手も格段に向上します。
人が入れる空間にすると、物の出し入れがしやすくなる
奥行きの深い階段下収納では、奥に置いた物を取り出すのが困難になりがちです。しかし、人が入れるスペースを確保することで、以下のようなメリットが生まれます。
1. 奥の物も簡単にアクセス可能: 物を取り出す際に、手を伸ばして探る必要がなくなります。直接奥まで入って必要な物を取り出せるため、ストレスなく収納を使用できます。
2. 収納スペースの有効活用: 人が入れるスペースがあることで、床から天井まで高さを最大限に活用した収納が可能になります。例えば、背の高い棚を設置して、縦方向にも収納力を高められます。
3. 整理整頓がしやすい: 収納内に入れるため、全体を見渡しながら整理整頓ができます。これにより、定期的な収納の見直しや掃除も容易になります。
4. 大型の物も収納可能: 人が入れるスペースがあれば、季節家電や大型の収納ボックスなど、かさばる物も無理なく収納できます。
人が入れるスペースを確保する際は、最低でも幅60cm程度の通路を設けることをおすすめします。これにより、体を回転させたり、物を持って移動したりする際の快適性が確保されます。
扉の開口幅が広いと、どこに何があるか把握しやすくなる
人が入れるスペースを確保する際、扉の開口幅も重要な要素です。開口幅を広くすることで、以下のようなメリットがあります。
1. 収納内部の見通しが良くなる: 広い開口部により、収納スペース全体を一目で見渡すことができます。これにより、物の配置が把握しやすくなり、必要な物をすぐに見つけられます。
2. 大型の物の出し入れが容易に: 開口幅が広いと、大型の家電や家具なども無理なく出し入れできます。将来的な収納物の変更にも対応しやすくなります。
3. 収納スペースの活用度が上がる: 開口部が狭いと、奥や角の部分が使いにくくなりがちです。広い開口幅があれば、収納スペースの隅々まで有効活用できます。
4. 収納作業の効率が上がる: 広い開口部により、両手で物を持ちながらでも楽に出入りできます。これにより、収納作業全体の効率が向上します。
扉の種類としては、開口幅を最大限に確保できる引き戸や折れ戸が適しています。通常の開き戸の場合、開閉時のスペースも考慮する必要があります。
また、扉を複数設置することで、収納スペースを分割し、用途別に使い分けることも可能です。例えば、手前側を日用品の収納に、奥側を季節物の収納に使うなど、効率的な収納計画を立てられます。
人が入れるスペースを確保し、適切な開口幅を設けることで、階段下の深い収納スペースを最大限に活用できます。使いやすさと収納効率を両立させ、快適な住空間づくりにつなげましょう。
【使いこなすコツ3】天井が斜めで、高い/低い場所があることを心得ておく
階段下収納の特徴として、天井が斜めになっていることがあります。この独特な形状を理解し、うまく活用することで、より効率的で使いやすい収納空間を作ることができます。
階段下の”スペースの特徴”に合わせた活用を
階段下収納の斜めの天井は、一見すると使いにくく感じるかもしれません。しかし、この特徴を活かした収納方法を考えることで、効果的に空間を活用できます。
1. 高い部分の活用:
– 背の高い物(掃除機、ゴルフバッグ、スーツケースなど)を収納
– 天井近くまで届く高い棚を設置し、使用頻度の低い物を上段に収納
– ハンガーラックを設置し、コートやジャケットを吊るす
2. 低い部分の活用:
– 引き出し式の収納ボックスを設置し、小物類を整理
– 本や雑誌などの平たい物を収納する棚を設置
– 季節家電や工具箱など、横長の物を収納
3. 中間部分の活用:
– 斜めの天井に合わせて傾斜のある棚を設置
– 収納ボックスを段階的に積み上げて、階段状の収納を作る
このように、高さの違いを意識して物を配置することで、空間を無駄なく活用できます。また、使用頻度に応じて収納位置を決めることも重要です。日常的に使う物は取り出しやすい場所に、季節物など使用頻度の低い物は奥や高い場所に配置するなど、工夫することで使い勝手が向上します。
斜めの部分に物をしまうのは避けた方が賢明
階段下収納の斜めの部分に直接物を置くことは、以下の理由から避けた方が良いでしょう。
1. スペースの無駄: 斜めの部分に物を置くと、上部に無駄なスペースが生まれてしまいます。これにより、収納効率が低下します。
2. 物の取り出しにくさ: 斜めの部分に置いた物は、奥に滑り落ちたり、取り出しにくい位置に移動したりする可能性があります。
3. 物の変形や破損のリスク: 斜めの面に物を置くことで、重みが均等にかからず、物が変形したり破損したりするリスクがあります。
4. 見た目の悪さ: 斜めの部分に無理に物を詰め込むと、雑然とした印象になり、収納スペース全体の美観を損ねる可能性があります。
これらの問題を避けるためには、以下のような対策が有効です。
1. 垂直な壁面を中心に収納を計画する: 斜めの天井の下に垂直な壁面を作り、そこに棚や収納ボックスを設置します。これにより、効率的に物を収納できます。
2. 斜めの部分を活かした特殊な収納家具を使用する: 斜めの天井に合わせて設計された特注の棚や収納ユニットを使用することで、スペースを最大限に活用できます。
3. 斜めの部分は空けておく: 斜めの部分は敢えて空けておき、視覚的な余裕を持たせることで、圧迫感のない収納スペースを作ることができます。
4. 照明や装飾に活用する: 斜めの部分を物の収納ではなく、間接照明や装飾品の設置場所として活用することで、収納スペースに独特の雰囲気を演出できます。
階段下収納の斜めの天井は、一見デメリットに感じるかもしれません。しかし、その特徴を理解し、適切に対応することで、むしろユニークで効率的な収納空間を作り出すことができます。高さの違いを活かした収納プランを立て、斜めの部分は賢く避けることで、使いやすく美しい収納スペースを実現しましょう。
【使いこなすコツ4】注文住宅なら「見せる収納」を検討しても
注文住宅の場合、階段下収納の設計を自由に行うことができます。その中で、「見せる収納」、つまりオープン収納を検討してみるのも良いでしょう。この方法は、収納としての機能性だけでなく、インテリアの一部としての美しさも兼ね備えることができます。
オープン収納は、飾る楽しみだけでなく管理もラクに
オープン収納には、以下のようなメリットがあります。
1. インテリアの一部として楽しめる:
– 美しい本や観葉植物、お気に入りの雑貨などを飾ることで、空間に彩りを添えられます。
– 階段下の空間を活かした独特のディスプレイが可能になります。
– 季節に合わせて飾り付けを変えることで、家全体の雰囲気を手軽に変えられます。
2. 物の出し入れが簡単:
– 扉を開ける手間がないため、日常的に使う物の出し入れがスムーズになります。
– 必要な物がすぐに見つけられ、時間の節約にもつながります。
3. 収納物の管理がしやすい:
– 常に収納物が見えているため、不要な物が溜まりにくくなります。
– 定期的な整理整頓が促され、収納スペースを清潔に保ちやすくなります。
4. 空間を広く見せる効果:
– 扉がないことで、視線が奥まで抜けるため、空間が広く感じられます。
– 階段下の空間を閉鎖的にせず、開放感のある印象を与えられます。
5. デザインの自由度が高い:
– 棚の形状や配置を自由に設計できるため、階段の形状に合わせた独創的な収納が可能です。
– 照明を組み込むなど、より高度なデザインも実現できます。
オープン収納を採用する際は、収納する物を厳選し、美しく配置することが重要です。また、定期的に埃を払うなど、こまめな手入れも必要になります。
狭い場合は落ち着かない雰囲気になることも
オープン収納には多くのメリットがありますが、以下のような点に注意が必要です。
1. 視覚的な雑然さ:
– 収納物が多すぎると、雑然とした印象になりやすく、かえって空間が狭く感じられることがあります。
– 色や形の統一感がないと、落ち着きのない雰囲気になる可能性があります。
2. プライバシーの問題:
– 個人的な物や見せたくない物も露出してしまうため、収納する物を選ぶ必要があります。
– 来客時に収納物が丸見えになるため、常に整理整頓を心がける必要があります。
3. 埃の問題:
– オープンな構造のため、収納物に埃がたまりやすくなります。
– 定期的な清掃が必要となり、メンテナンス面での手間が増えます。
4. 収納力の制限:
– 見せることを意識するあまり、実用的な収納力が低下する可能性があります。
– 大量の物を収納したい場合、オープン収納では限界があります。
これらのデメリットを考慮し、階段下のスペースの広さや家全体の雰囲気、ライフスタイルなどを総合的に判断して、オープン収納にするか扉付きにするかを決めることが大切です。
また、完全なオープン収納ではなく、一部をオープンにし、残りを扉付きにするなど、バランスを取る方法もあります。例えば、下段は扉付きで日用品をしまい、上段はオープンにして装飾品を飾るといった使い分けも効果的です。
注文住宅ならではの自由度を活かし、家族のニーズや好みに合わせた理想的な階段下収納を設計しましょう。美しさと機能性のバランスを考慮し、長く使い続けられる収納空間を作ることが重要です。
用途を決め、スペースの特性を理解して使いやすい収納をつくろう
階段下収納を最大限に活用するためには、用途を明確に決め、そのスペースの特性を十分に理解することが重要です。これにより、効率的で使いやすい収納空間を作り出すことができます。
何となく物をしまうと”開かずの収納”に!
階段下収納を効果的に活用するためには、以下のポイントに注意しましょう。
1. 明確な用途の設定:家族で話し合い、階段下収納の用途を決めます。例えば、季節家電の保管場所、子供のおもちゃ収納、趣味の道具の収納など、具体的な用途を決めることが大切です。用途が決まれば、それに適した収納方法や必要な棚・ボックスなどを選びやすくなります。
2. 収納物のリストアップ:収納予定の物をリストアップし、サイズや使用頻度を確認します。これにより、必要な収納スペースや棚の数、高さなどを具体的に計画できます。
3. スペースの特性の理解:階段下収納の形状、奥行き、高さの変化などを正確に把握します。天井の傾斜や柱の位置など、収納の障害となる可能性のある要素も確認しておきます。
4. 効率的なレイアウト:使用頻度の高い物は取り出しやすい場所に配置します。奥行きが深い場合は、奥に季節物など使用頻度の低い物を配置し、手前に日用品を置くなど、段階的に配置を考えます。
5. 適切な収納用品の選択:スペースの特性に合わせて、棚、引き出し、ボックスなどを選びます。可動式の棚を使用すれば、将来的な収納物の変更にも対応しやすくなります。
6. 定期的な見直し:収納した物を定期的にチェックし、不要になった物は処分します。 季節や生活スタイルの変化に合わせて、収納方法を適宜見直します。
これらのポイントを押さえることで、”開かずの収納”を防ぎ、使いやすく効率的な収納空間を作ることができます。
さらに、階段下収納のタイプによって、以下のような工夫も考えられます。
1. 引き出し式の場合:引き出しの深さを物の大きさに合わせて変えることで、スペースを無駄なく使えます。引き出しの内部に仕切りを設けることで、小物類も整理しやすくなります。
2. 扉付きの場合:扉の内側にフックや小棚を取り付けることで、収納力をさらに高められます。扉の開閉方向を考慮し、使いやすい配置を心がけます。
3. オープン収納の場合:見せる収納として、美しく整理整頓を心がけます。収納ボックスや籠を活用し、見た目も機能も両立させます。
4. 奥行きが深い場合:奥行きを活かし、長尺物(掃除機、ゴルフバッグなど)の収納スペースを確保します。奥に向かって段階的に高さが低くなる棚を設置し、天井の傾斜を有効活用します。
5. 高さが変化する場合:高い部分には背の高い物や使用頻度の低い物を収納します。低い部分には引き出しや低めの棚を設置し、小物類の収納に活用します。
階段下収納は、その独特な形状ゆえに使いこなすのが難しく感じられるかもしれません。しかし、用途を明確に定め、スペースの特性を十分に理解することで、非常に便利で効率的な収納空間となります。家族のライフスタイルや需要に合わせて柔軟に対応し、長く使い続けられる収納空間を目指しましょう。定期的な見直しと整理整頓を心がけることで、階段下収納は家全体の収納力を大きく向上させる重要な役割を果たすことができます。
よくある質問(Q&A)
Q1: 階段下収納に電気は必要ですか?
A1: 照明を設置することをおすすめします。暗い場所だと物の出し入れが難しくなり、結果的に使いづらい収納になってしまいます。LED照明などの省エネタイプを選べば、電気代も抑えられます。
Q2: 階段下収納の床は必要ですか?
A2: 床があった方が使いやすくなります。床があることで、物を直接置くことができ、また掃除もしやすくなります。防湿や防虫の観点からも、床を設置することをおすすめします。
Q3: 階段下収納の換気はどうすればいいですか?
A3: 扉に通気口を設けたり、除湿剤を置いたりするのが一般的です。可能であれば、小さな換気扇を設置するのも効果的です。定期的に扉を開けて空気を入れ替えることも忘れずに行いましょう。
まとめ
階段下収納は、その形状や位置によって活用方法が大きく変わる特殊な空間です。しかし、適切に使いこなせば、家全体の収納力を大きく高められる可能性を秘めています。階段の位置、収納スペースの形状、そして何を収納したいかをよく考え、最適な方法で活用しましょう。定期的な整理整頓と換気を忘れずに行えば、快適で使いやすい収納スペースを長く維持することができます。階段下収納を上手に活用して、より快適な住空間を作り上げていきましょう。
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