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オール電化マンションの特徴や注意点、選ぶポイントを解説

間取り・住宅の特徴

2024/11/14

2024/11/14

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

オール電化マンションの特徴や注意点、選ぶポイントを解説

マンション購入を検討する際、「オール電化」という選択肢に興味を持たれる方は少なくありません。オール電化マンションは、光熱費の削減や安全性の向上など、様々なメリットがある一方で、停電時の不安や初期費用の高さなど、検討すべき課題もあります。今回の記事では、オール電化マンションの特徴や選ぶ際のポイントについて、詳しく解説していきます。

オール電化マンションとは

オール電化マンションとは、一般的なマンションで使用されているガスをすべて電気に置き換えた住宅のことを指します。キッチンではIHクッキングヒーター、お湯はエコキュートを使用するなど、生活に必要なエネルギーをすべて電気でまかなう住まいです。

オール電化マンションの主な設備

オール電化マンションに備わっている代表的な設備について見ていきましょう。まず、調理には従来のガスコンロの代わりにIHクッキングヒーターを使用します。お湯を沸かす給湯設備には、深夜電力を利用して効率的にお湯を沸かすことができるエコキュートを採用しています。また、暖房設備には電気式床暖房やエアコンが一般的です。

オール電化マンションが増えている理由

近年、オール電化マンションが増加している背景には、いくつかの要因があります。まず、環境への配慮が挙げられます。電気は再生可能エネルギーの活用が可能で、二酸化炭素の排出削減に貢献できます。また、火を使わないため安全性が高く、特に地震が多い日本において、防災面での安心感があります。さらに、深夜電力を活用することで光熱費の削減が期待できることも、人気の理由のひとつです。

一般的なマンションとの違い

従来のマンションと比較した際の大きな違いは、ガス設備が一切ないことです。そのため、ガス漏れの心配がなく、ガス設備の点検や維持管理費用も不要となります。また、室内の空気が汚れにくく、結露の発生も抑えられるため、より快適な住環境を実現できます。ただし、すべての設備が電気に依存することになるため、停電時の対策は重要な検討ポイントとなります。

オール電化マンションの設備選び

オール電化マンションでは、各設備の性能や使い勝手が生活の質に直結します。特にIHクッキングヒーターは、火力の強さや操作性、安全機能などを確認することが重要です。エコキュートについても、世帯人数に応じた適切な容量選択や、節電機能の有無などをチェックしましょう。また、修理やメンテナンスのしやすさも、長期的な住み心地に影響する要素となります。

設備更新時の注意点

オール電化設備は一般的に10〜15年程度での更新が推奨されています。その際、配線容量や設置スペースの制約により、選択できる機器が限定される可能性があります。また、設備更新には専門業者による工事が必要となり、ある程度の費用負担も覚悟しなければなりません。長期的な維持管理計画を立てる際は、これらの点についても考慮しておくことが賢明です。

オール電化マンションのメリット

オール電化マンションには、光熱費の削減や安全性の向上など、数多くのメリットがあります。ここでは、具体的なメリットについて詳しく解説していきます。

光熱費の削減効果

最も大きなメリットとして挙げられるのが、光熱費の削減効果です。深夜電力を効率的に活用することで、従来のガス併用マンションと比べて月々の光熱費を20〜30%程度抑えることが可能です。特にエコキュートは深夜の割安な電力を利用してお湯を沸かすため、給湯にかかるコストを大幅に削減できます。また、電力会社によっては、オール電化住宅向けの特別割引プランも用意されています。

安全性の向上

ガスを使用しないオール電化マンションは、安全面で大きな強みがあります。ガス漏れや火災のリスクが低減され、特に地震時の二次災害の心配も少なくなります。また、IHクッキングヒーターには切り忘れ防止機能や温度センサーなどの安全機能が搭載されており、小さなお子様のいるご家庭でも安心して使用できます。

室内環境の改善

オール電化マンションでは、ガスコンロによる燃焼がないため、室内の空気が汚れにくいという特徴があります。また、水蒸気の発生も少ないため、結露の発生を抑制できます。これにより、カビやダニの発生リスクも低減され、より衛生的な住環境を実現できます。特にアレルギーをお持ちの方や小さなお子様のいるご家庭にとって、大きなメリットとなります。

メンテナンス性の向上

ガス設備がないことで、定期的なガス点検や配管の維持管理が不要となります。これにより、管理費や修繕積立金の負担を抑えることができます。また、IHクッキングヒーターは火を使わないため、掃除が簡単で、日々のお手入れも楽になります。設備の不具合も、多くの場合は電気系統のトラブルとなるため、対応がしやすいという特徴があります。

調理環境の快適性

最新のIHクッキングヒーターは、火力調整が細かく設定でき、温度管理も正確に行えます。また、熱効率が高いため、調理時間の短縮も期待できます。さらに、火を使わないため、キッチンの温度上昇を抑えることができ、夏場の調理も快適に行えます。タイマー機能や温度管理機能など、便利な機能も充実しており、より効率的な調理が可能です。

資産価値への影響

環境への配慮や省エネ性能が重視される現代において、オール電化マンションは資産価値の維持にもつながります。特に新築マンションでは、オール電化仕様が標準的な設備として認識されつつあり、将来的な売却や賃貸を考える際にもプラスポイントとなる可能性があります。また、再生可能エネルギーの活用も視野に入れやすく、今後の環境規制強化にも対応しやすい特徴があります。

オール電化マンションのデメリット

オール電化マンションには多くのメリットがある一方で、いくつかの課題や注意点も存在します。ここでは、主なデメリットについて詳しく解説していきます。

停電時の不安

オール電化マンションの最大のデメリットは、停電時の影響が大きいことです。電気に依存する生活となるため、停電が発生すると調理も給湯もできなくなってしまいます。特に災害時など長時間の停電が予想される場合、生活に大きな支障をきたす可能性があります。また、エレベーターも使用できなくなるため、高層階にお住まいの方は特に注意が必要です。

初期費用の高さ

IHクッキングヒーターやエコキュートなどの電化設備は、一般的なガス設備と比べて初期費用が高額になりがちです。特にエコキュートは、設置工事を含めると数十万円程度の費用が必要となることもあります。また、これらの設備は一般的に10〜15年程度での更新が推奨されており、将来的な更新費用も考慮に入れる必要があります。

調理器具の制限

IHクッキングヒーターでは、使用できる調理器具に制限があります。従来のアルミ製や銅製の調理器具は使用できず、IH対応の専用器具が必要となります。特に中華鍋による本格的な中華料理や、土鍋を使用する料理など、一部の調理方法が制限されることがあります。また、IH対応の調理器具は一般的に高価な傾向にあり、買い替えの費用負担も発生します。

修理費用の高さ

オール電化設備は複雑な電気系統で構成されているため、故障時の修理には専門的な知識と技術が必要となります。そのため、修理費用が比較的高額になる傾向があります。また、メーカーによっては修理対応可能な業者が限られており、緊急時の対応が遅れる可能性もあります。特にエコキュートの故障は、日常生活に大きな影響を及ぼすため、注意が必要です。

電気代の変動リスク

すべての設備を電気でまかなうため、電力料金の値上げの影響を受けやすい特徴があります。特に近年は電力料金の上昇傾向が続いており、将来的な光熱費の増加リスクも考慮する必要があります。また、電力会社の料金プランや割引制度の変更によっても、実質的な負担額が変動する可能性があります。

設備更新時の制約

オール電化設備の更新時には、配線容量や設置スペースの制約により、選択できる機器が限定される場合があります。特に古いマンションでは、最新の高性能機器に対応できない可能性もあります。また、一度オール電化にした場合、ガス設備への戻し替えには大規模な工事が必要となり、現実的な選択肢とはなりにくいという特徴があります。

契約アンペアの見直し

オール電化システムを導入すると、必要な電力容量が増加するため、契約アンペアの見直しが必要となる場合があります。これにより、基本料金が上昇する可能性があります。特に複数の電化製品を同時に使用する機会が多い世帯では、十分な容量を確保するために、より高いアンペア契約が必要となることもあります。

オール電化マンション選びのポイント

オール電化マンションを選ぶ際は、様々な観点からの検討が必要です。ここでは、物件選びの重要なポイントについて詳しく解説していきます。

電気設備の性能確認

オール電化マンションの快適性は、設置されている電気設備の性能に大きく左右されます。IHクッキングヒーターについては、火力の強さや細かな温度調整機能、安全機能の有無などをチェックしましょう。エコキュートは、世帯人数に応じた適切な貯湯量があるか、省エネ機能は十分かなどを確認することが重要です。また、メーカーの信頼性やアフターサービスの充実度も重要な判断材料となります。

電気料金プランの確認

実際の光熱費を把握するため、電力会社の料金プランや割引制度を詳しく確認しましょう。特に深夜電力の単価や時間帯別の料金設定、オール電化住宅向けの特別プランの有無などが重要です。また、契約アンペア数や基本料金についても確認が必要です。可能であれば、実際に住んでいる方の光熱費実績を参考にすることをおすすめします。

停電対策の確認

オール電化マンションでは、停電時の対策が特に重要です。非常用電源の有無や稼働時間、対応可能な設備の範囲などを確認しましょう。また、蓄電池の設置が可能かどうかも重要なポイントです。高層階の物件を検討する場合は、エレベーターの非常用電源についても確認が必要です。

設備の更新計画

電化設備は一般的に10〜15年程度での更新が推奨されています。管理組合の修繕計画に設備更新が組み込まれているか、その際の費用負担はどうなるのかを確認しましょう。また、将来的な設備更新時に、配線容量や設置スペースの制約がないかどうかも重要なチェックポイントです。

居住者の評判確認

可能な限り、実際に住んでいる方の評判や口コミを確認することをおすすめします。特に気になるポイントは、実際の光熱費、設備の使い勝手、故障やトラブルの頻度、管理会社の対応などです。また、オール電化ならではの生活の満足度や不便を感じる点なども、参考になる情報となります。

管理体制の確認

設備のメンテナンスや故障時の対応体制について、詳しく確認することが重要です。特に休日や夜間の緊急対応が可能かどうか、対応可能な修理業者がどの程度いるのかなどを確認しましょう。また、定期点検の頻度や費用についても、事前に把握しておくことをおすすめします。

立地環境の確認

停電のリスクを考慮し、地域の電力供給の安定性や過去の停電履歴なども確認しましょう。また、災害時の避難場所や支援体制についても把握しておくことが重要です。周辺に商業施設や公共施設が充実している場合、停電時の代替手段として活用できる可能性もあります。

将来的な資産価値

オール電化マンションの将来的な資産価値も重要な検討ポイントです。築年数や管理状態はもちろん、設備の更新履歴や今後の更新計画なども確認しましょう。また、環境への配慮や省エネ性能が重視される現代において、オール電化というポイントが資産価値にどう影響するかも考慮に入れる必要があります。

よくある質問

オール電化マンションについて、購入検討者からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。具体的な疑問点の解消にお役立てください。

電気料金・コストに関する質問

Q1:実際の電気代はどのくらい安くなりますか?

A1:一般的に従来型と比べて20〜30%程度の削減が期待できます。ただし、世帯人数や生活スタイル、電力会社の料金プランによって大きく変動します。深夜電力を上手に活用することで、さらなる節約も可能です。

Q2:電気代以外にかかる費用はありますか?

A2:設備の定期点検費用や、10〜15年程度での設備更新費用を見込む必要があります。特にエコキュートの更新には数十万円程度かかる可能性があります。ただし、ガス設備の点検費用や配管の維持管理費は不要となります。

Q3:契約アンペアはどのくらい必要ですか?

A3:一般的な4人世帯で50〜60アンペア程度が目安となります。ただし、同時に使用する電化製品の数や種類によって、より大きな容量が必要となる場合もあります。

設備・機能に関する質問

Q1:IH調理器は本当にガスコンロと同じように使えますか?

A1:最新のIH調理器は火力調整も細かくでき、ほとんどの調理に対応可能です。ただし、中華鍋による本格的な中華料理など、一部の調理法には制限があります。また、IH対応の調理器具が必要となります。

Q2:エコキュートの容量はどう選べばよいですか?

A2:世帯人数が目安となり、2〜3人世帯で320L、4〜5人世帯で460L程度が一般的です。ただし、入浴の頻度や時間帯によって適切な容量は変動します。節約モードなどの機能も確認しましょう。

Q3:故障時の対応はどうなりますか?

A3:専門の修理業者による対応が必要となります。緊急時の対応体制や、休日・夜間の連絡先を事前に確認しておくことが重要です。修理費用は機器や故障の内容によって異なります。

停電時の対応に関する質問

Q1:停電時は全く電気が使えなくなるのですか?

A1:基本的にはすべての電気設備が使用できなくなります。ただし、非常用電源が設置されているマンションでは、共用部分の照明などが使用可能です。蓄電池の設置を検討するのも一つの対策となります。

Q2:停電時の備えとして何が必要ですか?

A2:ポータブル調理器具や携帯用充電器、懐中電灯などの準備をおすすめします。また、飲料水や非常食の備蓄も重要です。日頃から防災グッズの点検と更新を心がけましょう。

メンテナンスに関する質問

Q1:定期的なメンテナンスは必要ですか?

A1:エコキュートやIH調理器など、主要な設備は年1回程度の定期点検が推奨されています。点検費用や頻度は、メーカーや機種によって異なります。管理組合の計画に組み込まれているか確認しましょう。

Q2:設備の寿命はどのくらいですか?

A2:一般的にIH調理器で10〜15年、エコキュートで10〜12年程度とされています。ただし、使用頻度や使用環境によって寿命は変動します。計画的な更新を視野に入れておくことが重要です。

生活スタイルに関する質問

Q1:料理の幅は制限されませんか?

A1:IH対応の調理器具を使用すれば、ほとんどの料理に対応可能です。むしろ温度管理が正確にできる点や、タイマー機能などが充実している点でメリットも多いです。ただし、調理器具の買い替えは必要となります。

Q2:光熱費を抑えるコツはありますか?

A2:深夜電力を効率的に活用することが最大のポイントです。また、エコキュートの節約モードの活用や、電化製品の同時使用を避けるなどの工夫も効果的です。季節や時間帯に応じた使い方の工夫も重要です。

まとめ

オール電化マンションは、省エネや安全性の面で多くのメリットがある一方で、停電時の不安や初期費用の高さなど、検討すべき課題もあります。選択する際は、ご自身のライフスタイルや予算に合わせて、メリット・デメリットを十分に検討することが大切です。また、実際の居住者の声を聞いたり、電力会社の料金プランを確認したりするなど、慎重な判断が求められます。この記事が、オール電化マンション選びの参考になれば幸いです。

なお、当社が提供している「housemarriage」では、住宅コンシェルジュが理想の家づくりのサポートとして、住まいを探す上で重要なハウスメーカーや工務店の営業担当者とのマッチングサポートをさせていただきます。住宅購入の資金計画の相談・作成や、相性良く親身になってくれる「営業担当者」をご紹介します。家づくりに関して少しでも不安を感じるようであれば、お問い合わせください。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

運営会社情報

  • 会社名

    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

  • 代表者

    :渡辺知光

  • 本社
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    :〒104-0045 東京都中央区築地2-15-15 セントラル東銀座1002

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