3階建ての家のメリット・デメリットは?家づくりのポイントと合わせて解説
間取り・住宅の特徴
2024/05/29
2024/05/29
家づくりを検討している人にとって、3階建ての家は魅力的な選択肢の1つでもあり、憧れを抱く人も多いのではないでしょうか。しかし、その建築スタイルには当然メリットとデメリットがあります。このコラムでは、3階建ての家のメリット・デメリットに加えて、3階建ての家づくりのポイントやおすすめの間取り例について解説します。3階建ての家を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
3階建てのメリット
3階建ての住宅には、多くのメリットがあります。以下では、メリットについて4つほど詳しく解説していきます。
土地面積を最大限に活かせる
3階建ての住宅は、限られた土地の中でも建物を上に伸ばすことができるため、広い居住空間を確保することができます。例えば、都市部の狭小地に家を建てられる場合でも、3階建てであれば広いリビングルームや多目的スペースを確保することができ、限られた土地を最大限に活用して家を建てることが可能です。
家族のプライバシーが保たれる
各階を家族ごとに区切ることで、プライバシーを確保することができます。1階が親世帯、2階が共有スペース、3階が子世帯といった配置にすることで、家族間の生活音やプライバシーに関する問題を軽減できます。これによって、各世帯家族それぞれが快適な生活を送ることができます。
眺望や採光を確保しやすい
多層階住宅に位置する3階建ての住宅は、周囲の建物に比べて眺望や採光を確保しやすいというメリットがあります。特に、都市部や景観の美しい地域に建てられた場合、上層階からの眺望は素晴らしいものとなります。また、高い位置にあるため、日中は十分な日光を取り入れることができることも大きなメリットの1つです。
水害に強い
3階建ての住宅は、高い位置に居住空間を確保しているため、水害に対する安全性が比較的高いです。例えば、大雨や洪水が発生した場合でも、低層階に被害が及ぶことはあっても、最悪高層階に避難することが可能です。このような構造は、家族の安全を守る上で非常に重要な要素の1つです。
3階建てのデメリット
一方で、3階建ての住宅には、以下のようなデメリットもあります。3階建ての家を検討する際には、これらの点も考慮しながら検討することが重要です。
上下での移動に負担がかかる
3階になる分、階段を上り下りする必要があるため、高齢者や体が不自由な人にとっては負担が大きい場合があります。特に乳幼児がいる家庭では、荷物を運ぶ際にも不便を感じることがあります。傾斜の緩やかな階段の家を建てる場合は、エレベーターの設置や間取りを工夫するなどの対策が必要になってきます。
家づくりにかかる時間とコストが高くなる
3階建ての住宅は、建築費用や工期が平屋や2階建てと比較して高くなる傾向があります。また、増える階数に伴いメンテナンスコストも増加します。長期的なランニングコストを見据えて、十分な資金計画を立てることが必要です。
法規制が厳しい
都市計画の制限により、3階建ての住宅を建てる際には建ぺい率や容積率、高さ制限などの制約があります。これらの制限に適合する土地を探すことが難しい場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
建物内での温度差が発生する
フロアが3つ縦に重なる構造となるため、上層階と下層階で温度差が生じやすくなります。特に夏場は上の階が暑く、下の階が涼しいといった状況が生まれやすいため、適切な断熱構造や気密性の確保が必要です。
揺れを感じやすい
3階建ての住宅は、重量が増すため地震や強風による揺れを感じやすくなります。耐震性や耐久性を考慮した設計が必要であり、地盤の状況や建物の構造にも注意した上で3階建てを検討しましょう。工法により差も生じやすくなります。
3階建ての家づくりのポイント
3階建ての家を建てる際には、以下のポイントに注意して検討を進めることが重要です。
3階建ては課題解決のための手段の1つ
3階建ての良い点だけに注目せず、家づくりを進める前に慎重に検討しましょう。先述したデメリットも踏まえながら、土地の面積や予算、周辺環境など様々な要因を考慮し、3階建てが課題解決の手段として適切かどうかを確認しましょう。家を建てた後に後悔しないようにするためにも、慎重な計画が重要です。
採光と動線を意識した間取り
都市部など密集した場所では、プライバシーの問題や日照条件により、採光や通風に関する制約があります。採光を確保するためには、各フロアの配置や窓の設置位置を工夫しましょう。また、家事の動線を考慮し、水回りを共有スペースの周りに配置するなど、普段生活をする中でストレスフリーな間取りを設計することが重要です。
耐震性能を確認する
3階建て注文住宅を建てる際は、耐震性能が高い住宅を選ぶことを特にお勧めします。
耐震性能は「耐震等級1」から「耐震等級3」で区分されます。
・耐震等級1:建築基準法と同レベルの耐震性(東京を想定した場合、震度6強~7程度に相当)
・耐震等級2:等級1で想定する地震力の 1.25 倍の地震力に対する強さ
・耐震等級3:等級1で想定する地震力の 1.5 倍の地震力に対する強さ
数字が大きいほど耐震性能が高く、倒壊しにくい建物となります。
特に1階部分にビルトインガレージを設けたり、吹き抜けやオープン階段など壁や柱が通常よりも少なくなる間取りを取り入れたい場合は、「耐震等級3」の建物を選択しましょう。
3階建ての家づくりの費用相場
3階建ての家を建てる際の費用相場と、通常よりも割高になる要因について解説します。
費用相場
3階建ての家づくりの費用相場は、最低でも坪単価80万円から120万円程度とされています。都市部で30坪の床面積で建築する場合、約3500万円程度の費用がかかるでしょう。
割高になる要因
構造計算費用
3階建て以上の住宅を建築する際には、構造計算が必要です。この計算にかかる費用は木造の場合約20万円前後、鉄骨コンクリート造りの場合は約30万円前後となります。
地盤改良費用
3階建ての家は重量が重くなるため、地盤の状況によっては地盤改良が必要です。表層の改良だけであれば100万円程度で済みますが、鋼管杭を伸ばす必要がある場合は200万円以上かかることもあります。
基礎や構造材にかかる費用
建物の重さに耐えるためにはしっかりとした基礎や構造材が必要です。フロアが多いほど下にかかる負荷が増すため、より多くの材料や上質な材料が必要になります。このため、余裕をもった予算組みが必要です。
これらの要因を考慮して、3階建ての家づくりを検討する際には、費用だけでなく地盤調査や構造計算などの追加費用も考慮しながら、予算を確保することが重要です。
3階建て住宅のおすすめ間取り例
3階建て住宅の間取りは、家族のライフスタイルや好み、土地の形状などによって異なりますが、一般的なおすすめの間取り例をご紹介します。
1階: 親スペース
メインの寝室、書斎、トイレや洗面所、収納スペース
2階: 共有スペース
リビングダイニングキッチン(LDK)、和室やゲストルーム、トイレや洗面所、バスルーム、洗濯機置き場
3階: 子供スペース
子供部屋、テラスやバルコニー、トイレや洗面所、収納スペース
このような間取り例では、1階に寝室スペースを配置し、2階には共有スペースを集約、3階には子供のスペースを設けることで、家族それぞれのプライバシーを確保しつつ、快適な生活を送ることができます。また、3階にはバルコニーやテラスを設けることで、開放感のある空間を演出することができます。
まとめ
3階建ての住宅はスタイリッシュで機能的なイメージを持たれることが多いですが、デメリットも多く存在します。初期費用だけではなく継続的なコストや、土地との兼ね合いなど全体のバランスを考え、実際に生活を始めてから後悔しないようにするためにも、メリット・デメリットをしっかり把握しておくことをおすすめします。
特に長く住むことを考えますとメンテナンスコストは2階建て住宅よりもコスト高になります。通常の2倍近くかかることも予想されます。あらかじめどれくらいの頻度で費用が発生するのか把握しておきましょう。
これから家を建てる方にとって、3階建ての住宅は魅力的な選択肢ですが、慎重に計画を立て、リスクを最小限に抑えることが重要です。しっかりとした準備と計画を行い、理想の暮らしを実現しましょう。
何か問題に直面した場合は、専門家や経験者に相談するなど、漠然とした不安や不満を放置せず、積極的に解決策を探求しましょう。家づくりに関して少しでも不安を感じるようであれば、お問い合わせください。住宅購入の資金計画の相談・作成や、相性良く親身になってくれる「営業担当者」をご紹介します。
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会社名
:有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所
代表者
:渡辺知光
本社
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