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3階建て住宅のメリット・デメリット、後悔しないためのポイントを徹底解説

間取り・住宅の特徴

2024/07/19

2024/07/22

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

3階建て住宅のメリット・デメリット、後悔しないためのポイントを徹底解説

都心部や狭小地でのマイホーム実現の選択肢として注目を集める3階建て住宅。限られた敷地を最大限に活用できる一方で、一般的な2階建てとは異なる特有の課題も存在します。本記事では、3階建て住宅のメリット・デメリットを詳しく解説し、後悔しないための選択ポイントを紹介します。

目次

3階建て住宅のメリット:よくある例を含めた詳細解説

狭小地でも床面積が確保できる

都市部の狭い土地でも、十分な居住空間を確保できることが大きな魅力です。

例:40坪の敷地で、各階30坪の3階建てにすれば、延べ床面積90坪の広々とした住宅が実現できます。

地価の高い地域でもマイホームが持てる

高価格帯の土地でも、建物を上に伸ばすことで必要な居住空間を確保できます。

例:都心の60㎡の土地に3階建てを建てることで、180㎡の広さを持つ住宅を所有できます。

3階や屋上では眺望や日当たりがいい

高層階からの景色を楽しめ、周囲の建物の影響を受けにくい日当たりの良さが特徴です。

例:3階のリビングから富士山が見える、屋上テラスで星空観察ができるなど。

階ごとに使い方を工夫できる

各階の用途を明確に分けることで、効率的かつプライバシーを考慮した空間利用が可能です。

例:1階を玄関・水回り、2階をリビング・ダイニング・キッチン、3階を寝室エリアとするなど。

構造計算書の提出が必須なので安心感がある

法令上、構造計算書の提出が必要なため、建物の安全性に対する信頼性が高まります。

例:地震や強風に対する耐性が明確に計算されているため、安心して生活できます。

二世帯住宅に向いている

階層ごとに生活空間を分けられるため、プライバシーを確保しつつ二世帯住宅として活用できます。

例:1・2階を子世帯、3階を親世帯の居住空間とし、階段で緩やかにつながる二世帯住宅を実現。

税金に優遇措置があることも

一定の条件を満たせば、固定資産税などの優遇措置を受けられる場合があります。

例:耐火建築物として認定されれば、固定資産税が軽減される可能性があります。

土地の有効活用ができる

限られた敷地を最大限に活用し、庭やガレージなどのスペースも確保できます。

例:1階部分をピロティ(柱で支えられた空間)にして駐車スペースとし、2・3階を居住空間とする。

各階の独立性が高い

階ごとに独立した空間を作ることができ、家族のライフスタイルに合わせた使い方ができます。

例:3階を子供部屋フロアとし、学習空間と睡眠空間を分けて設計する。

将来的な増築の可能性

2階建てで建てた場合でも、将来的に3階を増築できる可能性があります。

例:子供の成長に合わせて、後から3階部分を子供部屋として増築する。

これらのメリットは、都市部での生活や多様な家族構成に対応できる3階建て住宅の魅力を示しています。ただし、個々の状況や地域の規制によって適用できるメリットは異なるため、専門家に相談しながら慎重に検討することが重要です。

3階建て住宅のデメリット:具体例を交えた詳細解説

工期が長くなる

2階建てと比較して工期が長くなり、それに伴いコストも増加する傾向があります。

例:2階建てが6ヶ月程度で完成するのに対し、3階建ては8〜9ヶ月かかることがあります。

建築費用が高い

構造的な強度が必要なため、建築費用が2階建てより高くなります。

例:同じ延床面積でも、3階建ては2階建てと比べて20〜30%程度コストが上がることがあります。

建築基準法の制限が多くなる

日影規制や斜線制限など、より厳しい建築規制が適用されます。

例:3階建てにすることで、建物の北側に大きな日影ができ、隣地への配慮が必要になります。

隣家と距離が近い(狭小住宅の場合)

狭小地の場合、建物が高くなることで隣家との距離感が近くなり、プライバシーの問題が生じる可能性があります。

例:3階の窓から隣家の生活が見えてしまい、カーテンを常時閉める必要が出てくることも。

1階の日当たりが悪い

3階建ての構造上、1階部分の日当たりが悪くなりがちです。

例:1階リビングを設けた場合、冬場は終日日光が入らず、暗くて寒い空間になることがあります。

外壁や窓のメンテナンスが大変

高所作業が増えるため、外壁や窓のメンテナンスが困難になります。

例:3階の窓拭きや外壁塗装の際に、高所作業車が必要になり、コストが増加します。

生活動線や家事動線が悪くなりがち

階段の上り下りが増えるため、日常生活の動線が長くなる傾向があります。

例:3階の寝室から1階のキッチンに行くのに、毎回2階分の階段を降りる必要があります。

収納スペースが確保しづらい

各階の床面積が限られるため、大型の収納スペースの確保が難しくなります。

例:2階建てなら設置できた大型のウォークインクローゼットが、3階建てでは設置困難になることも。

冷暖房効率が悪くて不便

階層間の温度差が大きくなり、効率的な空調管理が難しくなります。

例:夏場、1階は涼しいのに3階は暑くて寝られない、といった状況が起こりやすくなります。

エアコンの取り付けにもお金がかかる

各階にエアコンを設置する必要があり、初期費用が増加します。

例:3階建て全体を快適に保つには、最低でも3台のエアコン設置が必要になることも。

Wi-Fiの電波が届きづらい

階層が増えることでWi-Fi電波の到達範囲に影響が出る可能性があります。

例:1階にルーターを置いた場合、3階の部屋でWi-Fiが繋がりにくくなることがあります。

地盤改良が必要なことも

建物の重量増加に伴い、地盤改良が必要になるケースが増えます。

例:通常の2階建てでは問題なかった地盤でも、3階建てにすることで追加の地盤改良工事が必要になることも。

外観のバランスが悪くなる

狭小地の場合、縦長の外観となり、バランスが取りにくくなることがあります。

例:間口が狭い土地に3階建てを建てると、周囲の景観と調和しにくい「細長い」外観になることも。

これらのデメリットは、3階建て住宅を検討する際に十分考慮すべき点です。ただし、適切な設計や工夫によって多くの問題は軽減できる可能性があります。専門家と相談しながら、自身のライフスタイルに合った最適な選択をすることが重要です。

3階建てを建てる際の注意点、間取りのポイント:具体例を交えた詳細解説

断熱性を高める

階層間の温度差を軽減するため、高い断熱性能が求められます。

例: ・外壁に高性能断熱材を使用する ・二重窓や断熱サッシを採用する ・屋根裏や床下の断熱を強化する

日光を取り入れる工夫

下層階まで光を取り入れる工夫が必要です。

例: ・2階から1階まで届く吹き抜けを設置する ・階段部分にトップライトを設ける ・光を通す素材(すりガラスなど)の間仕切りを使用する

収納を確保する工夫

限られたスペースを有効活用した収納計画が重要です。

例: ・階段下を収納スペースとして活用する ・各階に分散した収納を設ける(例:1階に季節物収納、2階に日用品収納、3階に衣類収納) ・壁面を利用した built-in の収納を設置する

生活動線や家事動線をしっかりと考えて間取りを工夫する

1)洗濯機と物干しの配置

洗濯機と物干し場所を近接させ、動線を短縮します。

例:3階に洗濯機を置き、屋上や3階のバルコニーを物干し場として活用する

2)トイレと洗面の配置

各階にトイレを設置するなど、利便性を考慮した配置が重要です。

例:1階に来客用トイレ、2階にパウダールーム付きトイレ、3階に簡易洗面台付きトイレを設置する

3)リビングや居室の配置

家族の集まるリビングは中心階に配置するなど、使用頻度に応じた配置を考えます。

例:1階を玄関・水回り、2階をLDK、3階を寝室エリアとする

階段は老後のことも考えて設計を

将来を見据えた設計が必要です。

例: ・緩やかな勾配の階段を採用する(蹴上げ16cm以下、踏面30cm以上が理想) ・階段の両側に手すりを設置する ・階段の途中に踊り場を設けて休憩スペースを確保する

インナーガレージにして土地を有効活用

1階部分をガレージとすることで、限られた敷地を効率的に活用できます。

例:1階の半分をインナーガレージとし、残りのスペースを収納や趣味の部屋として活用する

通風を考慮した窓の配置

効果的な自然換気のため、窓の配置を工夫します。

例: ・各階の窓を対角線上に配置して風の通り道を作る ・階段室に縦長の窓を設けて煙突効果を利用する

フレキシブルな間取り設計

将来的なライフスタイルの変化に対応できる設計を考慮します。

例: ・可動式の間仕切りを採用して、必要に応じて部屋を分割・統合できるようにする ・将来的に介護が必要になった場合を想定し、1階に車いす対応の居室スペースを確保しておく

音の伝わりを考慮した間取り

上下階の音の問題に配慮した設計が必要です。

例: ・寝室は最上階に配置し、下階の生活音が伝わりにくくする ・階段の位置を工夫し、生活音の伝わりを最小限に抑える ・床に防音材を使用し、上下階の音の伝わりを軽減する

設備の効率的な配置

水回りや空調設備の効率的な配置を考慮します。

例: ・水回りを縦一列に配置して、配管工事を効率化する ・各階にミニキッチンを設置し、階段の上り下りを減らす ・床暖房やエアコンの室外機の設置場所を事前に考慮する

これらのポイントを考慮することで、3階建て住宅の潜在的な問題点を最小限に抑え、快適で機能的な住まいを実現できます。ただし、個々の家族構成やライフスタイル、敷地条件によって最適な設計は異なるため、専門家と綿密に相談しながら計画を進めることが重要です。

よくある質問(Q&A)

Q1: 3階建ての建築費用は2階建てと比べてどのくらい高くなりますか?
A1: 一般的に、3階建ては2階建てと比べて20〜30%程度建築費用が高くなります。ただし、具体的な金額は立地や仕様によって大きく異なります。

Q2: 3階建ての耐震性は2階建てと比べてどうですか?
A2: 3階建ては構造計算が必須となるため、適切に設計・施工されれば2階建てと同等以上の耐震性を確保できます。

Q3: 3階建ての維持費は2階建てと比べて高くなりますか?
A3: 一般的に、冷暖房費や外壁メンテナンス費用などが増加するため、維持費は若干高くなる傾向があります。

まとめ:3階建て住宅の選択 – 慎重な検討と賢明な決断の重要性

3階建て住宅は、都市部の狭小地や地価の高い地域でマイホームを実現する魅力的な選択肢です。限られた敷地を最大限に活用し、十分な居住空間を確保できる点は大きな利点といえます。眺望の良さ、各階の独立性、二世帯住宅としての適性など、多くのメリットがあります。

一方で、建築コストの増加、複雑な動線、メンテナンスの困難さ、エネルギー効率の課題など、無視できないデメリットも存在します。これらの課題に対しては、綿密な計画と適切な設計によって多くを軽減できる可能性があります。

3階建て住宅を選択する際は、以下の点を重視することが重要です:

1. 自身のライフスタイルと将来的なニーズの徹底的な分析

2. 敷地条件と地域の建築規制の詳細な把握

3. 建築コストと維持費の長期的な試算

4. 専門家(建築士、インテリアデザイナー、不動産専門家など)との綿密な相談

5. 断熱性、通風、採光などの住環境性能への十分な配慮

6. 効率的な動線と収納計画の策定

7. 将来的な改修や用途変更の可能性を考慮した柔軟な設計

3階建て住宅は、適切に計画・設計されれば、都市生活における理想的な住まいとなる可能性を秘めています。しかし、その選択には慎重な検討と賢明な判断が求められます。十分な情報収集と専門家の意見を参考にしながら、自分たち家族にとって最適な選択をすることが、後悔のない住まいづくりへの道となるでしょう。

なお、当社が提供している「housemarriage」では、住宅コンシェルジュが理想の家づくりのサポートとして、住まいを探す上で重要なハウスメーカーや工務店の営業担当者とのマッチングサポートをさせていただきます。住宅購入の資金計画の相談・作成や、相性良く親身になってくれる「営業担当者」をご紹介します。家づくりに関して少しでも不安を感じるようであれば、お問い合わせください。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

運営会社情報

  • 会社名

    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

  • 代表者

    :渡辺知光

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    :〒104-0045 東京都中央区築地2-15-15 セントラル東銀座1002

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    :地下鉄日比谷線築地駅より徒歩3分

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