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コーポラティブハウスのメリット・デメリット、完成までの流れについて徹底解説

間取り・住宅の特徴

2024/07/23

2024/07/23

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

コーポラティブハウスのメリット・デメリット、完成までの流れについて徹底解説

コーポラティブハウスは、入居予定者が主体となって計画・建設する集合住宅です。一般的な分譲マンションとは異なり、住民同士が協力して自分たちの理想の住まいを作り上げていくという特徴があります。この記事では、コーポラティブハウスのメリットやデメリット、実際に住んでいる方々の体験談を交えて詳しく解説します。

コーポラティブハウスってどんな家?

入居予定者が主体になって集合住宅を建築

コーポラティブハウスは、入居予定者が集まって組合を結成し、設計から建設まで主体的に関わって作り上げる集合住宅です。一般的な分譲マンションとは異なり、住民同士が協力して自分たちの理想の住まいを実現することができます。専門家のサポートを受けながら、入居予定者たちが話し合いを重ね、建物の設計や各住戸の間取りを決めていきます。

コーポラティブハウスのメリットや魅力

コーポラティブハウスには、通常の分譲マンションにはない独自のメリットや魅力があります。ここでは、その主な特徴について詳しく解説します。

住戸プランは自分の好みで自由自在

コーポラティブハウスの最大の魅力は、自分の希望に沿った間取りや設備を実現できることです。具体的には以下のようなメリットがあります。

・自由な間取り設計:壁の位置や部屋の大きさを自由に決められます。例えば、広々としたLDKや、書斎とつながった寝室など、ライフスタイルに合わせた空間を作れます。

・こだわりの設備導入:オーダーメイドのキッチンや、大型の浴室など、一般的なマンションでは難しい設備の導入が可能です。

・将来を見据えた設計:子どもの成長に合わせて間仕切りを変更できるような可変性の高い設計や、高齢者向けのバリアフリー設計なども取り入れやすいです。

・趣味や特殊なニーズへの対応:防音室や大型書架、ホームジムなど、個人の趣味や特殊なニーズに対応した空間づくりが可能です。

分譲マンションより割安になることも

コーポラティブハウスでは、コスト面でも以下のようなメリットがあります。

・デベロッパーの利益が含まれない:入居者が主体となって建設するため、デベロッパーの利益分が不要となり、その分コストを抑えられる可能性があります。

・共用部分の最適化:共用部分の仕様や設備を入居者で決められるため、必要最小限に抑えることでコストダウンを図れます。

・スケールメリット:まとまった戸数で建設するため、材料の調達や工事においてスケールメリットが働き、個別に建てる場合よりも割安になることがあります。

・補助金の活用:地域や条件によっては、コーポラティブハウスの建設に対する補助金を利用できる場合があります。

良好なコミュニティと管理が期待できる

コーポラティブハウスでは、コミュニティ面でも大きな魅力があります。

・入居前からのコミュニティ形成:計画段階から入居者同士が顔を合わせて話し合うため、入居前からコミュニティが形成されます。これにより、入居後もスムーズな近所付き合いが期待できます。

・共通の価値観:同じコーポラティブハウスを選んだ人々は、ある程度共通の価値観を持っていることが多く、理解し合える関係が築きやすいです。

・協力的な管理運営:入居者全員が建設プロセスに関わっているため、管理組合の運営もスムーズに行われやすく、建物の維持管理も協力して行いやすい環境が整います。

・イベントや共同活動の活性化:共用スペースの活用や、イベントの企画など、入居者同士で積極的に交流する機会が多くなります。

・セキュリティの向上:顔見知りの関係ができているため、防犯面でも安心感が高まります。

これらのメリットは、単に住まいを手に入れるだけでなく、より豊かな暮らしを実現する可能性を秘めています。ただし、これらのメリットを最大限に活かすためには、入居者同士の協調性や積極的な参加姿勢が重要となります。コーポラティブハウスは、住まいづくりを通じて、新しいライフスタイルや人間関係を構築できる、魅力的な選択肢と言えるでしょう。

デメリットや注意したいことはなに?

コーポラティブハウスには多くの魅力がある一方で、いくつかのデメリットや注意点も存在します。これらを十分に理解した上で、慎重に検討することが重要です。

時間と手間を省きたい人には不向き

コーポラティブハウスの建設プロセスには、以下のような時間と労力がかかります。

・長期的なプロジェクト:計画から完成まで通常2〜3年程度かかります。急いで入居したい場合には不向きです。

・頻繁な会議参加:設計や仕様決定のための会議や打ち合わせが頻繁に行われます。これらに積極的に参加する時間的余裕が必要です。

・意思決定の負担:様々な決定事項について自ら判断し、他の参加者と合意形成を図る必要があります。これは精神的な負担になることもあります。

・専門知識の習得:建築や法律、金融など、様々な専門知識を一定程度習得する必要があります。

入居前に支払いが発生するので要注意

資金面では以下のような注意点があります。

・段階的な支払い:建設途中から費用の支払いが発生します。これは一般的なマンション購入とは大きく異なる点です。

・資金計画の重要性:建設期間中の生活費と建設費用を同時に賄う必要があるため、綿密な資金計画が求められます。

・住宅ローンの特殊性:一般的な住宅ローンとは異なる借入方法が必要になることがあります。金融機関との早めの相談が重要です。

・予期せぬ追加コスト:建設過程で予想外の費用が発生するリスクがあります。ある程度の余裕を持った資金計画が必要です。

参加者が集まらなかったときの対応は要確認

プロジェクトの成立に関する以下のリスクを理解しておく必要があります。

・参加者不足のリスク:必要な戸数の参加者が集まらない場合、プロジェクトが中止または延期になる可能性があります。

・途中離脱者の影響:建設途中で参加者が離脱した場合、残った参加者の負担が増える可能性があります。

・代替案の確認:プロジェクトが中止になった場合の対応(例:支払い済み費用の返還条件など)を事前に確認しておくことが重要です。

超個性派の間取り以外は将来の売却も問題なし

将来的な転売を考慮する場合、以下の点に注意が必要です。

・汎用性の考慮:あまりに個性的な間取りは、将来の転売時に不利になる可能性があります。ある程度の汎用性を持たせることが賢明です。

・一般的な間取りの場合:標準的な間取りであれば、コーポラティブハウスだからといって特に売却に支障はありません。

・管理状態の影響:良好なコミュニティや適切な管理が行われている場合、むしろプラスに評価されることもあります。

・建物の特殊性の説明:建物の特殊な特徴や経緯について、将来の買主に適切に説明できるよう、記録を残しておくことが重要です。

その他の注意点

・意見の相違:参加者間で意見が対立した場合、解決に時間がかかったり、ストレスになったりすることがあります。

・責任の所在:設計や施工に問題があった場合の責任の所在が不明確になりやすいため、事前の取り決めが重要です。

・法的手続きの複雑さ:一般的なマンション購入よりも複雑な法的手続きが必要となる場合があります。

コーポラティブハウスは、自分たちの理想の住まいを実現できる魅力的な選択肢ですが、これらのデメリットや注意点を十分に理解し、自分のライフスタイルや価値観に合っているかを慎重に判断することが重要です。専門家のアドバイスを得ながら、長期的な視点で検討することをおすすめします。

コーポラティブハウスの計画から完成までの流れ

コーポラティブハウスの完成までの流れは、一般的な分譲マンションとは大きく異なります。ここでは、コーポラティブハウスの計画から完成までの一般的な流れを詳しく解説します。

コーポラティブハウスの完成前の一般的な流れ

1. 企画・構想段階

・発起人や専門家(コーディネーター)が企画を立案

・土地の選定や概要の決定

・参加者募集の準備(募集要項の作成など)

2. 参加者募集

・説明会の開催

・個別相談や見学会の実施

・参加希望者の受付と審査

3. 事業化検討

・参加者による組合の結成

・事業計画の策定(予算、スケジュールなど)

・基本構想の作成(建物の概要、共用施設の内容など)

4. 基本設計

・設計事務所の選定

・全体プランの検討(建物の配置、階数、共用部の配置など)

・各住戸の基本プランの作成

・概算事業費の算出

5. 実施設計

・詳細な図面の作成

・各住戸の間取りや設備の確定

・材料や仕上げの選定

・建築確認申請の準備

6. 施工業者の選定

・入札または見積り合わせの実施

・施工業者の決定と契約

7. 建築確認申請

・必要書類の作成と提出

・行政による審査と確認済証の取得

8. 工事着工

・地鎮祭の実施

・基礎工事の開始

9. 建設工事

・定期的な工事進捗報告会の開催

・必要に応じて設計変更や追加工事の検討

10. 完成・引き渡し

・竣工検査の実施

・各住戸の内覧会

・鍵の引き渡しと入居

注意点

・各段階で参加者による会議や意思決定が必要となります。

・資金の支払いは段階的に発生するため、計画的な資金準備が重要です。

・専門家(コーディネーター、設計者、弁護士など)のサポートが不可欠です。

・参加者の脱退や追加などにより、計画が変更される可能性があります。

この流れは一般的なものであり、実際のプロジェクトでは状況に応じて変更されることがあります。また、全体の期間は通常2〜3年程度かかりますが、プロジェクトの規模や複雑さによって変動します。コーポラティブハウスの建設は、参加者全員の協力と積極的な関与が成功の鍵となります。

コーポラティブハウスの設計例

コーポラティブハウスの設計は、入居者の希望や建物の立地条件などによって多様ですが、いくつかの一般的な例を紹介します。

コミュニティ重視型

・特徴:共用スペースを充実させ、住民同士の交流を促進する設計

・具体例:

– 1階に広々としたコミュニティスペースを設置(菜園、工房、キッチン付きの多目的室など)

– 屋上に共用のバーベキューテラスや菜園を設置

– 各階にちょっとした立ち話ができるスペースを設ける

– エントランスホールを広くとり、掲示板や小さなカフェコーナーを設置

自然共生型

・特徴:エコロジーや自然との共生を重視した設計

・具体例:

– 太陽光パネルや雨水利用システムの導入

– 共用の中庭やアトリウムを中心とした設計

– 各戸にベランダやテラスを広めに確保し、緑化を推進

– 自然換気システムの導入

– 省エネ設備の積極的な採用

多世代共生型

・特徴:様々な世代が快適に暮らせるよう配慮した設計

・具体例:

– 1階に高齢者向けのバリアフリー住戸を配置

– 子育て世帯向けに防音性の高い住戸を用意

– 共用の託児スペースや高齢者向けの談話室を設置

– エレベーターや共用部のバリアフリー化

– 各戸の間取りを可変性の高い設計にし、ライフステージの変化に対応

個性重視型

・特徴:各住戸の個性を尊重しつつ、全体としての調和も考慮した設計

・具体例:

– 各戸の間取りや内装を大幅にカスタマイズ可能に

– 住戸ごとに天井高や床レベルを変える

– メゾネットタイプやスキップフロアなど、多様な住戸タイプを混在させる

– 外観デザインに各戸の個性を反映させつつ、全体としての統一感も保つ

職住近接型

・特徴:仕事のスペースと住居を一体化または近接させた設計

・具体例:

– 1階にSOHO向けの事務所スペースを設け、上階に住居を配置 – 各住戸内に仕事用のスペースを確保(書斎や小規模オフィスなど)

– 共用のコワーキングスペースを設置

– 防音性の高い会議室や作業室を共用施設として設置

これらの例は、コーポラティブハウスの多様性と柔軟性を示しています。実際の設計では、参加者の希望や建築条件、予算などを考慮しながら、これらの要素を組み合わせたり、さらに独自のアイデアを取り入れたりすることが一般的です。重要なのは、参加者全員で話し合いを重ね、共通の価値観や目標を反映させた設計を実現することです。

よくある質問(Q&A)

コーポラティブハウスについて、多くの人が疑問に思う点をQ&A形式で詳しく解説します。

Q1: コーポラティブハウスの資金計画はどのように立てればいいですか?

A1: コーポラティブハウスの資金計画は通常のマンション購入とは異なる点があります。

・段階的な支払い:建設過程に応じて段階的に支払いが発生します。例えば、土地取得時、設計時、建設開始時、中間時、完成時など、複数回に分けて支払います。

・住宅ローン:一般的な住宅ローンとは異なる場合があります。コーポラティブハウス向けの特別なローン商品を扱う金融機関もあるので、早めに相談することをおすすめします。

・余裕を持った計画:予期せぬ追加コストに備え、総予算の10%程度の余裕を持たせることが賢明です。

・専門家への相談:ファイナンシャルプランナーや、コーポラティブハウスの経験がある専門家に相談することで、より適切な資金計画を立てられます。

Q2: コーポラティブハウスの管理はどのように行われますか?

A2: コーポラティブハウスの管理は、基本的に入居者主体で行われます。

・管理組合の結成:入居者全員で管理組合を結成し、自主管理を行うのが一般的です。

・役割分担:清掃や簡単な修繕などは入居者で分担して行うことが多いです。

・専門的な管理:設備の点検や大規模修繕など、専門的な部分は外部の管理会社に委託することもあります。

・ルール作り:建物の使用ルールや修繕計画など、入居者同士で話し合って決めていきます。

・コミュニティ形成:入居前から顔なじみの関係ができているため、スムーズな運営が期待できます。

Q3: コーポラティブハウスの耐震性や品質は大丈夫ですか?

A3: コーポラティブハウスの耐震性や品質は、一般的なマンションと同等以上のレベルが確保されます。

・法令遵守:建築基準法に基づいて設計・施工されるため、最低限の安全性は担保されています。

・入居者の意向反映:入居者が主体的に関わるため、より高品質な建材や設備を選択できる可能性があります。

・第三者機関のチェック:設計や施工の過程で、第三者機関による品質チェックを入れることも可能です。

・アフターケア:施工会社との関係性が強いため、入居後のフォローアップも期待できます。

Q4: 途中で参加をやめたい場合はどうなりますか?

A4: 途中での離脱は可能ですが、以下の点に注意が必要です。

・規約の確認:参加時に締結する規約に、離脱に関する条件が記載されているはずです。これに従う必要があります。

・費用負担:それまでに支払った費用の返還条件や、違約金の有無などを確認する必要があります。

・他の参加者への影響:離脱により他の参加者の負担が増える可能性があるため、早めに相談することが重要です。

・代替参加者の検討:自分の代わりとなる参加者を見つけることで、スムーズに離脱できる場合もあります。

Q5: 完成後に転売することは可能ですか?

A5: 基本的に転売は可能ですが、以下の点に注意が必要です。

・規約の確認:一定期間の転売禁止などのルールがある場合があります。

・他の入居者への配慮:コミュニティを重視するコーポラティブハウスでは、転売の際に他の入居者の同意が必要な場合もあります。

・個性的な間取りの影響:非常に個性的な間取りの場合、買い手が限定される可能性があります。

・建物の特徴の説明:コーポラティブハウスの特徴や経緯について、買主に適切に説明する必要があります。

これらの質問は、コーポラティブハウスを検討する際によく挙がるものです。ただし、具体的な条件や状況によって対応が異なる場合もあるため、実際のプロジェクトでは専門家や事業主体者に直接確認することをおすすめします。

まとめ

コーポラティブハウスは、自分たちの理想の住まいを実現できる魅力的な選択肢です。しかし、時間と労力がかかることや、資金計画の慎重さが求められることなど、注意すべき点もあります。自分のライフスタイルや価値観に合っているかをよく検討し、専門家のアドバイスも得ながら、慎重に判断することが大切です。コーポラティブハウスでの生活は、単なる住まいづくりを超えて、新しいコミュニティづくりや、自分らしい暮らし方の実現につながる可能性を秘めています。

なお、当社が提供している「housemarriage」では、住宅コンシェルジュが理想の家づくりのサポートとして、住まいを探す上で重要なハウスメーカーや工務店の営業担当者とのマッチングサポートをさせていただきます。住宅購入の資金計画の相談・作成や、相性良く親身になってくれる「営業担当者」をご紹介します。家づくりに関して少しでも不安を感じるようであれば、お問い合わせください。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

運営会社情報

  • 会社名

    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

  • 代表者

    :渡辺知光

  • 本社
    所在地

    :〒104-0045 東京都中央区築地2-15-15 セントラル東銀座1002

  • アクセス

    :地下鉄日比谷線築地駅より徒歩3分

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