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断熱窓で叶える省エネ生活〜リフォーム事例と補助金活用のヒント〜

間取り・住宅の特徴

2024/07/25

2024/07/25

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

断熱窓で叶える省エネ生活〜リフォーム事例と補助金活用のヒント〜

家庭でのエネルギー消費の多くは冷暖房によるものです。その中でも、窓は熱の出入りが最も大きい部分です。断熱窓は、この熱の出入りを効果的に抑え、快適な室内環境を維持しつつ、エネルギー消費を抑える重要な役割を果たします。本記事では、断熱窓の仕組みや効果、種類、リフォームの方法、さらには補助金制度まで詳しく解説します。住宅の省エネ対策を考えている方は、ぜひご覧ください。

窓が住まいの中で熱の出入りが一番大きい

夏は74%の熱が入り込み、冬は50%の熱が逃げる

一般的な住宅では、夏季に室内に入ってくる熱の約74%、冬季に室外へ逃げる熱の約50%が窓を通して移動します。これは、窓がガラス1枚で外気と室内を隔てているだけの構造が多いためです。

断熱窓は断熱シートや断熱ボードと何が違う?

断熱シートや断熱ボードは既存の窓に後付けで設置する簡易的な断熱対策です。一方、断熱窓は窓そのものを高性能な断熱構造に変更するため、より高い断熱効果が期待できます。

断熱窓に変えれば冷暖房費を大きく節約できる

断熱窓の導入により、冷暖房効率が大幅に向上します。これにより、年間の冷暖房費を20〜30%程度節約できるとされています。

ヒートショックや結露を抑える

断熱窓は室内の温度差を小さくするため、ヒートショックのリスクを軽減します。また、結露の発生も抑えられるため、カビやダニの発生を防ぎ、健康的な住環境を保つことができます。

断熱性の高い窓とは?

断熱性の高いガラスとフレームを使用した窓=断熱窓

断熱窓は、高い断熱性能を持つガラスと熱伝導率の低いフレーム材を組み合わせて作られています。この組み合わせにより、窓全体での高い断熱性能を実現しています。

断熱性能の高いガラス、断熱性能の高いフレームとは?

断熱性能の高いガラスには、主に以下のようなタイプがあります。

1. 複層ガラス:2枚以上のガラスの間に空気層を設けたもの。空気層が断熱材の役割を果たします。

2. Low-Eガラス:特殊金属膜をコーティングしたガラス。夏は外からの熱を反射し、冬は室内の熱を反射して逃がしにくくします。

3. 真空ガラス:2枚のガラスの間を真空にしたもの。熱伝導率の低い真空層により高い断熱性能を発揮します。

4. ガス入りガラス:空気層に断熱効果の高いアルゴンガスなどを封入したもの。空気よりも断熱性能が高くなります。

断熱性能の高いフレームには、以下のようなものがあります。

1. 樹脂製フレーム:熱伝導率が低く、高い断熱性能を持ちます。

2. 樹脂と金属のハイブリッドフレーム:樹脂の断熱性と金属の強度を組み合わせたもの。

3. 断熱材入りアルミフレーム:アルミフレームの内部に断熱材を充填したもの。

日本の断熱基準は世界と比べて低い?

日本の断熱基準は、欧米諸国と比較すると依然として低い水準にあります。例えば、ドイツや北欧諸国では、窓の熱貫流率(熱の伝わりやすさを示す値、低いほど断熱性能が高い)が1.0 W/㎡K以下を求められるのに対し、日本の寒冷地でも2.33 W/㎡K程度となっています。

しかし、近年は日本でも断熱性能の重要性が認識されつつあり、基準が徐々に引き上げられています。2020年に改正された建築物省エネ法では、断熱性能の基準がさらに強化されました。

断熱窓の選択において重要なのは、単にガラスやフレームの性能だけでなく、窓全体としての断熱性能を考慮することです。また、地域の気候条件や住宅の構造、生活スタイルなどを踏まえて、最適な断熱窓を選択することが大切です。専門家のアドバイスを受けながら、長期的な視点で断熱窓の導入を検討することをおすすめします。

マンションも一戸建ても窓のリフォームで断熱性能を高められる

マンションや一戸建てを問わず、窓のリフォームによって断熱性能を大幅に向上させることが可能です。以下に、具体的な事例と方法を解説します。

部屋の内側からリフォームできる断熱窓でマンションの窓のリフォームが簡単に

マンションの場合、外観を変更することが難しいため、室内側からのリフォームが主流です。以下にいくつかの方法を紹介します。

1. 内窓(二重窓)の設置

・既存の窓の室内側に新たな窓を取り付ける方法です。

・空気層ができることで高い断熱効果が得られます。

・施工例:寝室の窓に内窓を設置し、冬の寒さを大幅に軽減。結露も解消されました。

2. ガラス交換

・既存の窓枠はそのままで、ガラスのみを断熱性の高いものに交換します。

・Low-Eガラスや複層ガラスへの交換が一般的です。

・施工例:リビングの大きな窓のガラスをLow-Eガラスに交換。夏の日差しによる室温上昇が抑えられました。

3. 断熱シートの貼付

・既存のガラスに断熱効果のあるフィルムを貼る方法です。

・比較的安価で、DIYも可能です。

・施工例:子供部屋の窓に断熱シートを貼り、冬の結露を軽減。カビの発生も抑えられました。

一戸建ての窓リフォーム事例

一戸建ての場合、マンションよりも選択肢が広がります:

1. 窓の完全交換

・窓枠ごと新しい断熱窓に交換する方法です。

・最も高い断熱効果が得られますが、コストも高くなります。

・施工例:築30年の家の全窓を断熱性の高い樹脂サッシの窓に交換。冷暖房効率が大幅に向上し、光熱費が約30%削減されました。

2. 外窓の設置

・既存の窓の外側に新たな窓を取り付ける方法です。

・内窓よりも高い断熱効果が期待できます。

・施工例:北側の窓に外窓を設置。冬の寒さが緩和され、暖房効率が向上しました。

3. 部分的なリフォーム

・特に断熱が必要な部屋や方角の窓のみをリフォームする方法です。

・コストを抑えつつ、効果的に断熱性能を高められます。

・施工例:寝室と居間の窓のみを断熱窓に交換。生活空間の快適性が向上し、睡眠の質も改善されました。

これらの事例から分かるように、住宅の形態や予算、生活スタイルに応じて、さまざまな断熱窓リフォームの選択肢があります。適切な方法を選ぶことで、快適性の向上とエネルギー効率の改善を同時に実現できるでしょう。リフォームを検討する際は、専門家に相談し、最適な方法を選択することをおすすめします。

断熱窓のリフォームは補助金制度を利用できる

断熱窓へのリフォームは、様々な補助金制度を活用することで、初期費用の負担を軽減できる可能性があります。以下に、利用可能な補助金制度について詳しく解説します。

国だけでなく、自治体独自の補助金もあるので確認を

断熱窓リフォームに関する補助金は、大きく分けて国の制度と地方自治体の制度があります。

国の補助金制度

a) 省エネ住宅ポイント制度

・一定の省エネ性能を満たすリフォームに対してポイントが付与されます。

・断熱窓の設置も対象となっており、窓の大きさや枚数に応じてポイントが付与されます。

・ポイントは様々な商品や追加工事と交換できます。

b) グリーン住宅ポイント制度

・省エネ性能の高い住宅の新築やリフォームに対してポイントが付与されます。

・断熱窓を含む高断熱化リフォームが対象となります。

・ポイントは商品や追加工事だけでなく、現金にも交換可能です。

c) 住宅省エネ2023キャンペーン

・2023年10月から開始された新しい制度です。

・一定の省エネ基準を満たすリフォームに対して、最大100万円の補助金が支給されます。

・断熱窓の設置も対象工事に含まれています。

地方自治体の補助金制度

多くの地方自治体が独自の省エネリフォーム補助金制度を設けています。例えば、

・東京都:「東京ゼロエミ住宅」の基準を満たすリフォームに対して補助金を支給。

・横浜市:「よこはま省エネ住宅補助金」で断熱改修工事に対して補助金を支給。

・札幌市:「札幌版次世代住宅補助制度」で高断熱住宅のリフォームに補助金を支給。

これらの自治体独自の制度は、地域の気候条件や政策目標に応じて設計されているため、より有利な条件が設定されていることがあります。

補助金利用のポイント

1. 事前確認:多くの補助金制度は、工事前に申請が必要です。リフォーム計画の早い段階で確認しましょう。

2. 要件の確認:断熱性能や施工方法など、細かい要件がある場合があります。事前に詳細を確認しましょう。

3. 複数制度の併用:国の制度と自治体の制度を組み合わせて利用できる場合もあります。

4. 専門家への相談:補助金制度は複雑で、頻繁に変更されることがあります。最新の情報を持つ専門家に相談するのが賢明です。

断熱窓リフォームの補助金制度を上手に活用することで、初期費用を抑えつつ、住宅の省エネ性能を大幅に向上させることができます。リフォームを検討する際は、これらの制度について詳しく調べ、活用を検討してみてください。

よくある質問(Q&A)

断熱窓に関して、多くの人が抱く疑問についてQ&A形式で詳しく解説します。

Q1: 断熱窓の費用はどのくらいかかりますか?

A1: 断熱窓の費用は、窓の大きさ、種類、施工方法によって大きく異なります。

・一般的な目安:1窓あたり10万円〜30万円程度

・内窓(二重窓)の場合:1窓あたり5万円〜15万円程度

・ガラス交換のみの場合:1㎡あたり2万円〜5万円程度

ただし、これらは概算であり、具体的な費用は現場の状況や選択する製品によって変わります。また、複数の窓をまとめてリフォームする場合、1窓あたりの費用が下がることもあります。長期的には光熱費の節約につながるため、投資効果は高いと言えます。

Q2: 断熱窓は防音効果もありますか?

A2: はい、断熱窓には防音効果もあります。

・複層ガラスや二重窓の構造により、外部からの騒音を大幅に軽減できます。

・一般的に、断熱性能が高いほど防音効果も高くなります。

・特に交通量の多い道路沿いや、航空機の騒音が気になる地域では、断熱窓の導入で生活環境が大きく改善される可能性があります。

ただし、完全に音を遮断するわけではないので、極端な騒音環境下では専用の防音窓を検討する必要があるかもしれません。

Q3: 断熱窓への交換は、DIYでも可能ですか?

A3: 一部の内窓タイプの製品ではDIYでの取り付けが可能ですが、多くの場合は専門業者による施工が推奨されます。

・DIY可能な製品:簡易的な内窓キットや断熱フィルムなど

・専門業者に依頼すべき場合:ガラス交換、窓枠ごとの交換、高性能な内窓の設置など

正しい施工が断熱効果を最大限に発揮するための重要な要素となります。また、誤った施工は気密性や水密性の低下、結露の発生などの問題を引き起こす可能性があります。確実な効果を得るためには、専門業者に依頼することをおすすめします。

Q4: 断熱窓は結露を完全に防げますか?

A4: 断熱窓は結露を大幅に軽減しますが、完全に防ぐことは難しい場合があります。

・断熱窓の導入により、窓ガラス表面の温度差が小さくなり、結露の発生は大幅に減少します。

・ただし、室内の湿度が極端に高い場合や、換気が不十分な場合は、結露が発生する可能性があります。

・結露を最小限に抑えるためには、適切な換気や除湿も併せて行うことが重要です。

断熱窓と適切な室内環境管理を組み合わせることで、結露の問題をほぼ解消することができます。

Q5: 断熱窓は夏の暑さ対策にも効果がありますか?

A5: はい、断熱窓は夏の暑さ対策にも効果があります。

・Low-Eガラスを使用した断熱窓は、太陽光の熱を反射し、室内への熱の侵入を防ぎます。

・複層ガラスの空気層が断熱材の役割を果たし、外部の熱の侵入を抑制します。

・結果として、エアコンの効率が上がり、電気代の節約にもつながります。

ただし、直射日光が当たる窓には、断熱窓に加えてカーテンやブラインドなどの日よけを併用するとさらに効果的です。

これらの質問と回答は、断熱窓に関する一般的な疑問に対応しています。ただし、具体的な状況によっては異なる場合もあるため、実際の導入を検討する際には、専門家に相談することをおすすめします。

まとめ

断熱窓は、住宅の省エネ性能を大幅に向上させ、快適な室内環境を実現する重要な要素です。冷暖房費の削減、結露やヒートショックの防止など、多くのメリットがあります。初期費用はかかりますが、長期的には光熱費の節約につながり、住宅の資産価値も向上させます。リフォームの際には、補助金制度も活用できる可能性があるため、断熱窓の導入を真剣に検討する価値があるでしょう。快適で省エネな住まいづくりの第一歩として、断熱窓の導入を考えてみてはいかがでしょうか。

なお、当社が提供している「housemarriage」では、住宅コンシェルジュが理想の家づくりのサポートとして、住まいを探す上で重要なハウスメーカーや工務店の営業担当者とのマッチングサポートをさせていただきます。住宅購入の資金計画の相談・作成や、相性良く親身になってくれる「営業担当者」をご紹介します。家づくりに関して少しでも不安を感じるようであれば、お問い合わせください。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

運営会社情報

  • 会社名

    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

  • 代表者

    :渡辺知光

  • 本社
    所在地

    :〒104-0045 東京都中央区築地2-15-15 セントラル東銀座1002

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    :地下鉄日比谷線築地駅より徒歩3分

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