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30代で家を買いたい!メリットやデメリットを詳しく解説

家づくりのタイミング

2023/06/12

2023/09/26

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

30代で家を買いたい!メリットやデメリットを詳しく解説

家の購入を検討する際、「30代で家を購入したいけど、何歳で購入するのが一番よいのだろう」と迷っている人も多いのではないでしょうか。

20代と比べてローンの審査が通りやすくなる30代は、家の購入に適している時期といえます。ただし、ライフプランを考慮した返済計画を立てなければ、月々の返済額が大きくなる恐れもあるため気を付けなくてはなりません。

そこで、今回は30代で家を買う際のメリットやデメリット、注意点について解説します。

30代で家を買う人の割合が最も多い

マンションや戸建て、新築や中古などの種類によって購入した世帯主の平均年齢は異なります。しかし、国土交通省が公表した「令和3年住宅市場動向調査報告書」によると、購入時の世帯主の年齢を調査した結果は以下の通りでした。

出典:国土交通省「令和3年住宅市場動向調査報告書」

上記の結果から、注文住宅を建てた人で見ていくと全体の約40%が30代と多くの割合を占めていることが分かります。また、分譲戸建て住宅や分譲マンションなども同様に30代が多いことは明らかでしょう。

このことから、家の購入のボリュームゾーンは30、40代となっていることがわかります。

また、住宅ローンの観点から考えても、毎月余裕を持った返済をしたいのであれば、30代で借り入れをスタートさせたほうがよいでしょう。

30代で家を買う人が多い理由

30代で家を購入する人が多い理由として、以下の3つが挙げられます。

●      ローンの審査が通りやすいから
●      賃貸がもったいないと感じたから
●      子どもの成長によりスペースが足りないから

それぞれ見ていきましょう。

ローンの融資が通りやすいから

30代となれば仕事をしている年月が経ってくることから、銀行からの審査に通りやすい傾向があります。そうなれば、購入したい物件の幅が広がることが利点といえるでしょう。

とはいえ、30代は転勤をする人が最も増えるタイミングでもあります。昨今では転勤は珍しいことではないため、基本的にローンの融資に影響を及ぼすことはありません。ただし、転職して1年未満の場合に限り、審査に不利になるケースがあるため注意が必要です。

賃貸がもったいないと感じたから

賃貸の場合、当然のことながら毎月家賃の支払いが発生します。たとえ賃料の見直しが行われたとしても支払金額が大きく減ることは基本的にないでしょう。

一方、30代で住宅ローンを組んだ場合、返済期間は完済年齢80歳までの期間で自由に組めます。返済期間が長くなると月々の返済額が減少するケースも多く見受けられます。

また、賃貸はどんなに家賃を支払ってもその物件が自分のものになることはありません。しかし、物件を購入した場合はローンさえ払い終われば、資産として自分の手元に残すことができます。

子どもの成長によりスペースが足りないから

子どもの成長に伴い、今までのスペースでは手狭に感じる機会が増えて家の購入を検討する人も少なくありません。子どもが小さければ同じ部屋で過ごすことが多い一方で、思春期ともなればプライベートを守るための個室が必要となるでしょう。

また、子供が大きくなればその分モノが増えてくることは避けられません。収納が足りない場合、モノが溢れてしまい部屋が散らかってしまう恐れがあります。

30代で家を買うメリット

30代で家を買うメリットとして、次の2つが挙げられます。

●      頭金を用意しやすい
●      家族構成に対応できる

頭金を用意しやすい

30代は20代と比べ、頭金を確保しやすいといえます。その理由として、貯金できる年数がそれなりに経っていることや、年齢が上がるにつれて収入アップが見込めることが挙げられるでしょう。頭金を用意できれば、借り入れ金額を減らして返済期間の短縮を図ることができるほか、利息負担を減らすことにもつながります。

とはいえ、中には「思うように頭金が用意できない」という人も多いのではないでしょうか。この場合であっても、家の購入を諦める必要はありません。ローンの審査に通りやすい30代であれば、頭金なしであっても家の購入は可能です。基本的な35年ローンを組んだとしても、定年前で完済が出来る可能性が高いでしょう。

「20代だと頭金が貯まらずにローンを借りるのが心配」「40代は定年までに返済できるか不安」と感じている人にとって、30代は余裕を持った返済プランを立てやすいといえます。

家族構成に対応できる

結婚・出産等のライフイベントが多い20代と比較し、30代も半ばになってくると家族構成の変化が少なくなってきます。そのため、家族の人数と購入しようと思っている物件の広さや部屋数を照らし合わせながら物件の検討を進められるでしょう。

また、子どもの進学などにあわせて居住エリアを決める人も多く、特に小学校入学のタイミングで引っ越しを検討する人も少なくありません。。30代はこのような家族構成の変化ならびに個々の状況に対応しやすいといえます。

30代で家を買うデメリット

30代で家を買う際には、メリットがある一方で、以下の2つのデメリットもあります。

●      月々の返済額が大きくなる
●      退職後も返済が続く可能性がある

それぞれ見ていきましょう。

月々の返済額が大きくなる

20代と比べて定年までの期間が短いため、完済時期を定年退職前にしてしまうと月々の返済額が大きくなる恐れがあります。そうなれば、生活に影響が出てしまうケースも否めません。

たとえば30歳で35年ローンの借り入れをスタートさせれば、完済年齢は65歳となり、収入がある間に完済が可能です。一方で、39歳で35年ローンを組むとなると、完済する年齢は70歳を超えてしまいます。そのため、年金から返済をしなくてはなりません。

このように30代とひとことでいっても、30代前半なのか後半なのかによって返済計画に大きな差があることを理解しておくことが大切です。返済期間が定年後に及ぶことになったとしても、ローンの支払いが無理なくできる返済プランを立てるようにしましょう。

退職後も返済が続く可能性がある

返済計画によっては、退職後まで支払いが続くケースもあります。その場合、年金だけでは返済が回らず、定年後も働かなくてはならない人も少なくありません。

このような事態に陥らないためにも、返済計画を立てた際に物件の購入価格を見直すようにしましょう。

年金だけで返済が苦しくなってしまった場合、定年後も働かなくてはなりません。このように老後の生活に影響が出る恐れがあるため、返済期間や月々の支払額を決める際は入念なシミュレーションを行うことをおすすめします。また、自身では難しいという場合、プロに相談するのもひとつの手でしょう。

30代で家を買う際のシミュレーション

例えば下記のケースで住宅ローンを組んだ場合、返済期間によってどんな影響が出るでしょうか?
 
【例】

世帯主の年齢:35歳
購入した家の価格:5,000万円(うち500万円は頭金にて支払い)
借入希望額:4,500万円
金利:1.5%
返済方法:元利均等
※ボーナス割合は考慮しないものとする

条件を元に返済期間25年(60歳)でシミュレーションを行った場合、結果は以下の通りです。

・毎月返済額:約18万円
・総返済額:約5,400万円

仮に返済期間を30年(65歳で完済)とすると、次のようになります。

・毎月返済額:約15.5万円
・総返済額:約5,590万円

更に返済期間を35年(70歳で完済)とすると、次のようになります。

・毎月返済額:約13.8万円
・総返済額:約5,787万円

このように返済期間が長いほど毎月の返済額は低くなりますが、35歳で借り入れる場合は定年を意識してローンを組む必要があるでしょう。また、ローン返済後、老後を過ごすための資金も残しておかなければなりません。

ローンの返済計画を立てる際はフィナンシャルプランナー等の専門家に相談し、身の丈に合ったプランを立てることが大切です。

30代で家を買うときの注意点

30代で家を買う際のメリット・デメリットを理解したうえで、注意すべき点においても抑えておきましょう。ここでは主に3つのポイントを取り上げてみました。

●      入念な資金計画を立てる
●      立地条件に気を付ける
●      老後の生活を踏まえた間取りにする

ひとつずつ見ていきましょう。

入念な資金計画を立てる

資金計画を立てる際には、以下の2つのポイントに注意することが必要です。
 
・完済時年齢を考慮する
・教育資金や老後資金を別途確保する
 
ローンを組む際は、なるべく収入がある段階で完済するのがおすすめです。そもそも完済時年齢の上限は75~85歳に設定されていますが、定年後であると年金だけではローンの支払いまで手に負えない可能性があります。
 
とはいえ、無理な返済計画を立ててしまうと、老後だけでなく今の生活にまで影響を及ぼしかねません。余裕を持った返済計画にするように心がけるほか、余裕のあるタイミングで繰り上げ返済をおこなうことをおすすめします。

立地条件に気を付ける

先にも述べたように、立地を決める際、子どもの進学に合わせてエリアを決める人も多く見受けられます。しかし、そこにずっと住む予定でいる場合、子どもが巣立ったあとのことも踏まえて立地条件を考える必要があるでしょう。

というのも、子どもが成人した後も長く住み続けるとなれば、利便性のよい立地でなくては生活がしづらくなります。また、病院やスーパーといった生活に必要な施設が近くになければ、車を運転できなくなったあとに不便に感じるかもしれません。

また、長く住み続けると決めていても、家を手放すこともあるでしょう。その際、駅が近く利便性の高いエリアであれば、高値で売れる可能性が高まります。このように、立地を選ぶ際はさまざまなポイントを考慮しながら見極めることが大切です。

老後の生活を踏まえた間取りにする

収納や部屋数に過不足がないようにするのはもちろん、老後の生活を踏まえた間取りにすることも忘れないようにしましょう。30代であれば子どもがまだ小さく、つい現状の生活で間取りを検討しがちです。とはいえ、子どもと暮らす期間は思っているより短く、その後は夫婦だけの生活が続きます。

家を建てた人の中には、「年齢を重ねたら住みにくい」と後悔する人も少なくありません。老後の生活はもちろん、家族の変化に対応できるよう間取りを考慮することが大切です。

まとめ

今回の記事では、30代で家を買うメリットやデメリットをはじめ、注意点についてまとめてみました。

私が初めて住宅購入した年齢は30歳の時でした。もちろん多少の不安はありましたが何事もなく返済しております。

職が安定して年収も定まってきた30代は、銀行からの融資が通りやすい時期であるため、購入できる物件の幅が広がるのがメリットでしょう。また、20代と比べても頭金が貯まりやすい傾向にあることに加えて、家族構成が定まりやすい点でも家を購入するタイミングとして適しています。

とはいえ、自分に見合った返済計画でない場合、月々の返済額が大きくなるほか、生活に大きな影響を与えかねません。完済時年齢や教育・老後資金を考慮したうえで、入念に返済計画を立てるように心がけましょう。

なお、当社が提供している「housemarriage」では、住宅コンシェルジュが理想の家づくりのサポートとして、住まいを探す上で重要なハウスメーカーや工務店の営業担当者とのマッチングサポートをさせていただきます。住宅購入の予算計画からもご相談を承っております。サービス詳細は以下をご参照ください。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

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    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

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    :渡辺知光

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