年収600万円の住宅ローン借入可能額を年齢別にシミュレーション
家づくりの予算・費用
2024/11/21
2024/11/21
年収600万円で住宅購入を検討されている方向けに、適切な住宅ローンの借入額や返済計画について詳しく解説します。年齢や返済方法によって借入可能額は大きく変わってきますので、具体的なシミュレーションを交えながら、理想的な住宅購入の進め方をご紹介します。
目次
年収600万円で住宅ローンを使用した場合に購入可能な住宅
年収600万円の場合、住宅ローンの借入限度額は一般的に年収の7倍から7.5倍程度となります。つまり、4,200万円から4,500万円が借入の上限額となります。ただし、これは理想的な条件での試算となりますので、実際の借入可能額は様々な要因によって変動します。
借入可能額に影響する主な要因
借入可能額は、年齢や勤続年数、他の借入状況、預貯金残高などによって変わってきます。特に重要なのは、安定した収入があることを証明できる勤続年数で、正社員として2年以上の就業実績があることが望ましいとされています。
購入可能な物件価格の目安
年収600万円の場合、以下のような価格帯の物件購入が現実的となります。
・頭金なしの場合:3,000万円から4,000万円
・頭金500万円の場合:3,500万円から4,500万円
・頭金1,000万円の場合:4,000万円から5,000万円
地域別の購入可能物件例
都心部:2LDKから3LDKのマンション
郊外:3LDKから4LDKの一戸建て
地方都市:4LDKの新築一戸建てや駅近のマンション
ただし、同じ価格帯でも立地によって物件の広さや仕様は大きく異なります。
適正な物件価格の考え方
住宅ローンの返済負担を考慮すると、年収600万円の場合、3,500万円程度までの物件価格に抑えることをお勧めします。これは将来の金利上昇や収入の変動リスク、さらに教育費などの将来的な支出増加に備えた余裕のある設定です。
諸費用も考慮した実質的な購入予算
物件価格に加えて、以下のような諸費用が必要となります。
・契約時の諸費用:物件価格の5〜7%程度
・引っ越し費用:15〜30万円程度
・家具・家電の購入費用:100〜200万円程度
これらを含めた総予算を考慮して物件選びを行う必要があります。
将来を見据えた物件選び
年収600万円であっても、必ずしも借入限度額いっぱいまで借り入れる必要はありません。特に、共働き世帯の場合は将来的な収入減少の可能性も考慮し、余裕のある返済計画を立てることが重要です。生活費や教育費、老後の資金など、将来的な支出を見据えた物件選びを心がけましょう。
おすすめの購入戦略
年収600万円での理想的な住宅購入の進め方として、以下の戦略をお勧めします。
・頭金は最低でも物件価格の10%(できれば20%)を用意
・借入額は年収の6倍程度(3,600万円前後)に抑える
・返済期間は35年以内に設定
・月々の返済額は手取り収入の25%程度に設定
【年齢別】年収600万円で住宅ローンを使用した場合の借入適正額をシミュレーション
住宅ローンの借入適正額は年齢によって大きく異なります。これは返済期間が定年退職(65歳)までに設定されることが多いためです。年収600万円のケースで、年齢別の借入適正額をシミュレーションしてみましょう。
20代後半(25-29歳)の場合
最も長い返済期間を設定できる年齢層です。35年返済が可能なため、借入適正額も最大となります。
・借入可能額:4,000万円〜4,500万円
・返済期間:35年
・月々の返済額:11万円〜12.5万円程度
・ボーナス払いを含めた年間返済額:150万円前後
30代前半(30-34歳)の場合
依然として35年返済が可能な年齢層です。安定した収入が見込めることから、金融機関の審査も通りやすい時期となります。
・借入可能額:3,800万円〜4,300万円
・返済期間:30-35年
・月々の返済額:11万円〜12万円程度
・ボーナス払いを含めた年間返済額:145万円前後
30代後半(35-39歳)の場合
返済期間が若干短くなりますが、まだ比較的大きな借入が可能です。
・借入可能額:3,500万円〜4,000万円
・返済期間:25-30年
・月々の返済額:12万円〜13万円程度
・ボーナス払いを含めた年間返済額:160万円前後
40代前半(40-44歳)の場合
返済期間が20-25年程度となるため、借入可能額は減少します。
・借入可能額:3,000万円〜3,500万円
・返済期間:20-25年
・月々の返済額:13万円〜14万円程度
・ボーナス払いを含めた年間返済額:170万円前後
40代後半(45-49歳)の場合
返済期間の制限により、借入可能額は更に減少します。
・借入可能額:2,500万円〜3,000万円
・返済期間:15-20年
・月々の返済額:14万円〜15万円程度
・ボーナス払いを含めた年間返済額:180万円前後
50代前半(50-54歳)の場合
返済期間が比較的短くなるため、月々の返済負担は大きくなります。
・借入可能額:2,000万円〜2,500万円
・返済期間:10-15年
・月々の返済額:15万円〜16万円程度
・ボーナス払いを含めた年間返済額:190万円前後
年齢別の注意点とアドバイス
各年齢層で特に注意すべき点は以下の通りです。
・20-30代:将来の収入増加を見込んだ計画を立てられる
・35-45歳:教育費との両立を考慮した返済計画が重要
・45歳以上:退職金を活用した繰り上げ返済の検討が有効
いずれの年齢でも、返済負担率は手取り収入の30%以内に収めることをお勧めします。
年齢による借入のメリット・デメリット
年齢によって住宅ローンを組む際のメリット・デメリットは異なります。
若年層(20-30代)のメリット:
・長期の返済期間を設定できる
・月々の返済額を抑えられる
・将来の収入増加が期待できる
中年層(40-50代)のメリット:
・安定した収入がある
・まとまった頭金を用意できる可能性が高い
・住宅ローン控除を最大限活用できる
住宅ローンの審査基準になる「総返済比率・総返済負担率」でシミュレーション
金融機関では一般的に、年収に対する返済額の割合である総返済比率が35%以内となるように設定しています。年収600万円の場合、月々の返済額の上限は概ね17万円程度となります。他の借入がある場合は、その分借入可能額が減少します。
【返済方法別】4,000万円・4,500万円の住宅ローンの月々の返済額を試算
住宅ローンの返済方法には主に「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類があります。それぞれの特徴と、4,000万円・4,500万円を借り入れた場合の返済額をシミュレーションしてみましょう。
元利均等返済の場合の試算
4,000万円を借入れた場合(金利1%、35年返済)
・月々の返済額:約11万円(返済期間中一定)
・ボーナス払いなしの場合の年間返済額:約132万円
・ボーナス払いを併用した場合の月々の返済額:約8.5万円
・ボーナス払い(年2回):各30万円
・総返済額:約4,620万円
4,500万円を借入れた場合(金利1%、35年返済)
・月々の返済額:約12.5万円(返済期間中一定)
・ボーナス払いなしの場合の年間返済額:約150万円
・ボーナス払いを併用した場合の月々の返済額:約9.5万円
・ボーナス払い(年2回):各35万円
・総返済額:約5,250万円
元金均等返済の場合の試算
4,000万円を借入れた場合(金利1%、35年返済)
・返済開始時の月々の返済額:約13.5万円
・返済終了時の月々の返済額:約9.5万円
・ボーナス払いなしの場合の年間返済額:約162万円(初年度)
・総返済額:約4,450万円
4,500万円を借入れた場合(金利1%、35年返済)
・返済開始時の月々の返済額:約15万円
・返済終了時の月々の返済額:約10.5万円
・ボーナス払いなしの場合の年間返済額:約180万円(初年度)
・総返済額:約5,000万円
ボーナス払いの活用について
ボーナス払いを活用することで、月々の返済負担を軽減することができます。一般的にボーナス払いの割合は借入額の20%〜30%程度に設定されます。ただし、将来のボーナス減額リスクも考慮する必要があります。
固定金利と変動金利の違いによる影響
上記の試算は金利1%で計算していますが、金利タイプによって返済額は変動します。
・固定金利型(全期間):金利は高めだが、返済額が一定
・変動金利型:当初の金利は低めだが、将来の返済額が変動
・固定金利型(10年):10年ごとに金利を見直し
返済期間による違い
返済期間を変更した場合の月々の返済額(4,000万円借入、金利1%の場合)
・30年返済:月々約12.8万円
・35年返済:月々約11万円
・40年返済:月々約10万円
返済期間を長くすることで月々の負担は減りますが、総支払額は増加します。
繰り上げ返済を活用した返済プラン
余裕資金ができた場合の繰り上げ返済効果(4,000万円借入、金利1%の場合)
・100万円の繰り上げ返済:返済期間が約1年短縮
・500万円の繰り上げ返済:返済期間が約5年短縮
・1,000万円の繰り上げ返済:返済期間が約10年短縮
返済プラン選択のポイント
理想的な返済プランを選択する際は、以下の点を考慮しましょう。
・現在の収入に対する返済負担率
・将来の収入見込み
・他の支出(教育費など)の予定
・ボーナスの安定性
・金利変動リスクへの対応
固定資産税などの諸費用や住宅ローン控除なども確認
住宅ローンの返済以外にも、固定資産税(年間約20-30万円)、火災保険料、修繕積立金などの諸経費が必要です。一方で、住宅ローン控除を利用することで、最大年間40万円の税額控除を受けることができます。
固定資産税について
固定資産税は、毎年1月1日時点での資産所有者に課される税金です。土地と建物それぞれの評価額に対して課税されます。一般的に4,000万円程度の住宅の場合、年間20万円から30万円程度の固定資産税が必要となります。なお、新築住宅の場合は、一定期間、税額が軽減される制度があります。
火災保険料の目安
火災保険は住宅ローンを組む際に加入が必須となります。4,000万円の住宅の場合、年間2万円から4万円程度の保険料が必要です。保険期間は10年までまとめて契約することが可能で、長期契約による割引を受けられる場合もあります。地震保険に加入する場合は、さらに年間1万円から2万円程度の追加保険料が必要となります。
管理費・修繕積立金
マンションを購入した場合は、毎月の管理費と修繕積立金が必要です。専有面積70平米程度のマンションの場合、管理費が月額1万円から1.5万円、修繕積立金が月額1万円から2万円程度必要となります。これらは物件の築年数や管理形態によって大きく異なる場合があります。
光熱費・通信費の変化
持ち家になることで、光熱費や通信費も変化する可能性があります。特に戸建ての場合、アパートやマンションと比べて冷暖房費が増加する傾向にあります。一般的な4人家族の場合、月額3万円から5万円程度の光熱費を見込んでおく必要があります。
住宅ローン控除の活用
住宅ローン控除は、住宅ローンの年末残高の1%が所得税から控除される制度です。控除期間は最大13年間で、年間の控除額は最大40万円となります。年収600万円の場合、実質的な住宅ローンの負担を大きく軽減することができ、年間20万円から30万円程度の節税効果が期待できます。
メンテナンス費用
住宅を長く快適に使用するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。戸建ての場合、外壁の塗り替えや屋根の補修、設備の更新などで、10年間で200万円から300万円程度の費用が必要となります。マンションの場合も、専有部分の設備更新や内装のリフォームなどの費用を考慮する必要があります。
諸費用の年間総額
4,000万円程度の住宅を購入した場合、固定資産税、保険料、管理費などを合わせた年間の諸費用は、マンションで50万円から70万円程度、戸建てで40万円から60万円程度となることが想定されます。これらの費用は、住宅ローンの返済額とは別に必要となるため、月々の支出計画に組み込んでおく必要があります。
将来的な費用増加への備え
住宅の経年劣化に伴い、修繕やリフォームの費用は増加していく傾向にあります。特に築20年を超えると、設備の更新や大規模修繕が必要となる可能性が高まります。そのため、諸費用とは別に、将来の修繕費用として毎月一定額を積み立てておくことをお勧めします。
まとめ
年収600万円での住宅購入は、35年返済で最大4,500万円程度が目安となります。ただし、諸経費や将来の金利上昇リスクを考慮すると、余裕をもった計画を立てることが重要です。頭金を多めに用意し、返済額に余裕を持たせることで、安定した返済計画を実現できます。
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