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住宅ローン控除初年度と2年目以降の申請手続きや必要書類を解説

家づくりの予算・費用

2024/11/25

2024/11/25

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

住宅ローン控除初年度と2年目以降の申請手続きや必要書類を解説

住宅ローン控除は、マイホームを購入した際の住宅ローンの返済負担を軽減するための税制優遇制度です。初年度と2年目以降で必要な手続きや書類が異なるため、しっかりと理解しておく必要があります。この記事では、住宅ローン控除の手続きについて、初年度と2年目以降に分けて詳しく解説していきます。

住宅ローン控除とは

住宅ローン控除は、住宅ローンを利用してマイホームを取得した際に受けられる税制優遇制度です。正式名称は「住宅借入金等特別控除」といい、毎年の所得税や住民税から一定額を控除することで、住宅ローンの返済負担を軽減することができます。

控除を受けるための主な要件

・自己の居住用として住宅を取得していること

・取得した住宅に実際に居住していること

・民間金融機関や住宅金融支援機構などから住宅ローンを借り入れていること

・住宅ローンの返済期間が10年以上であること

・合計所得金額が3,000万円以下であること

控除額の計算方法

住宅ローン控除の控除額は、年末のローン残高の1%が基本となります。たとえば、年末時点での住宅ローン残高が2,000万円の場合、その年の控除額は20万円(2,000万円×1%)となります。ただし、住宅の取得時期や種類によって、控除率や控除限度額が異なる場合があります。

控除期間について

控除を受けられる期間は、住宅を取得した時期によって異なります。一般的な住宅の場合、最長13年間にわたって控除を受けることができます。なお、認定長期優良住宅や認定低炭素住宅の場合は、さらに優遇された条件が適用される場合があります。

対象となる住宅ローン

控除の対象となる住宅ローンには、以下のようなものが含まれます。

・新築住宅の建築資金

・中古住宅の購入資金

・増改築等の工事資金

・住宅の敷地の購入資金

・住宅取得に付随する費用(登記費用、仲介手数料など)

控除を受けられないケース

以下のような場合は、住宅ローン控除を受けることができません。

・投資用や賃貸用の住宅を取得する場合

・親族からの借入金の場合

・勤務先からの借入金の場合

・住宅ローンの返済期間が10年未満の場合

・年収が3,000万円を超える場合

住宅ローン控除のメリット

住宅ローン控除を利用することで、以下のようなメリットがあります。

・毎年の税負担が軽減される

・長期間にわたって控除を受けられる

・給与所得者は2年目以降、確定申告不要で控除を受けられる

・住民税からも控除を受けられる場合がある

申請時期について

住宅ローン控除の申請は、住宅への入居年分の確定申告から開始します。たとえば、2023年中に入居した場合は、2024年の確定申告期間(2024年2月16日から3月15日まで)に申請することになります。初年度の申請を忘れた場合でも、5年以内であれば遡って申請することが可能です。

住宅ローン控除初年度の手続きや必要書類

住宅ローン控除の初年度には、確定申告を行う必要があります。確定申告の方法としては、税務署での窓口申告、e-Taxを利用したオンライン申告、確定申告書の郵送提出という3つの選択肢があります。いずれの方法を選んでも、必要な書類は同じとなります。

基本的な必要書類について

初年度の確定申告では、まず基本的な書類として確定申告書(A様式)、住宅借入金等特別控除申告書、給与所得の源泉徴収票が必要となります。税務署での申告時には印鑑も必要です。また、マイナンバー制度への対応として、マイナンバーカードまたは通知カードの提示も求められます。

住宅取得関係の必要書類について

住宅の取得に関する書類としては、家屋の登記事項証明書の原本が必要不可欠です。また、売買契約書または工事請負契約書の写し、建築確認済証の写し、検査済証の写しなども必要となります。これらの書類は、住宅の取得が適正に行われたことを証明するものとして重要です。

住宅ローン関係の必要書類について

住宅ローンに関する書類としては、住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書と金銭消費貸借契約書の写しが必要です。年末残高証明書は金融機関から発行されるもので、その年の12月31日時点でのローン残高が記載されています。これは控除額を計算する上で重要な書類となります。

居住関係の必要書類について

実際に住宅に居住していることを証明するために、住民票の写し(原本)と不動産登記事項証明書(原本)が必要です。これらの書類は比較的新しいものを用意する必要があり、古すぎる書類は受け付けられない場合があります。

手続きの流れと注意点

住宅ローン控除の手続きは、まず入居後に住民票の異動を行い、必要書類の収集を開始します。その後、確定申告前に全ての書類を取り揃え、申告書類を作成します。確定申告期間は翌年の2月16日から3月15日までとなっており、この期間内に申告を完了させる必要があります。なお、入居から6ヶ月以内に必要書類を準備することが推奨されています。

申告時の支援体制

初めての確定申告で不安な方は、税務署の確定申告相談コーナーや税理士会による無料相談を利用することができます。また、住宅金融支援機構や金融機関の住宅ローン担当窓口でも相談を受け付けています。特に初年度は書類も多く、手続きも複雑なため、専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。

書類提出前の最終確認

書類提出前には、全ての書類の記載内容に誤りがないか、必要事項の記入漏れがないか、押印が必要な書類に押印されているか、原本が必要な書類は原本を用意しているか、各種証明書の有効期限が切れていないかなど、丁寧に確認することが重要です。特に控除証明書は2年目以降の手続きで必要となるため、受け取り後は大切に保管しておきましょう。

住宅ローン控除初年度の注意点

住宅ローン控除の初年度は、手続きが複雑で見落としがちな注意点も多くあります。ここでは、初年度に特に気をつけるべきポイントについて詳しく解説していきます。

申告期限に関する注意点

確定申告の期限は、原則として入居した年の翌年の2月16日から3月15日までとなっています。この期間を過ぎてしまうと、その年度の控除を受けられなくなる可能性があります。ただし、期限を過ぎてしまった場合でも、5年以内であれば遡って申請することは可能です。特に確定申告時期は税務署が混雑することが予想されるため、余裕をもって準備を進めることが重要です。

入居時期に関する注意点

住宅ローン控除を受けるためには、取得した住宅に実際に居住していることが条件となります。そのため、住民票の異動は入居後速やかに行う必要があります。また、入居から6ヶ月以内に必要書類を整えることが推奨されていますが、この期間を過ぎると一部の書類の取得が困難になる場合があります。年末の入居の場合は、特に書類の準備を急ぐ必要があります。

所得制限に関する注意点

住宅ローン控除を受けるためには、その年の合計所得金額が3,000万円以下である必要があります。これを超えると控除を受けることができません。また、入居年の所得が著しく少ない場合、控除額が所得税額を超えてしまい、控除しきれない場合があります。このような場合は、翌年以降に繰り越すことはできないため、注意が必要です。

必要書類の有効期限に関する注意点

住民票の写しや登記事項証明書などの公的書類には有効期限があります。申告時点で発行から3ヶ月以内のものを用意する必要があります。また、年末残高証明書は、その年の12月31日時点のものでなければなりません。書類の有効期限が切れていた場合、再度取得し直す必要が生じるため、余裕をもって準備することが大切です。

控除額の計算に関する注意点

初年度の控除額は、年末のローン残高の1%を基本として計算されます。ただし、入居年が年の途中である場合、その年の控除額は居住月数に応じて按分計算されます。また、複数の住宅ローンがある場合は、それぞれの残高を合算して計算する必要があります。計算方法を誤ると、控除額が正しく算出されない可能性があります。

控除証明書の保管に関する注意点

初年度の確定申告が完了すると、税務署から控除証明書が発行されます。この証明書は、2年目以降の年末調整で必要となる重要な書類です。紛失してしまうと再発行の手続きが必要となり、手間がかかってしまうため、確実に保管しておくことが重要です。

二重申告に関する注意点

住宅ローン控除は、同一年中に重複して受けることはできません。例えば、以前に別の住宅で控除を受けていた場合は、新しい住宅での控除を受けるためには、古い控除を終了させる必要があります。このような場合は、税務署に事前に相談することをお勧めします。

申告書の記入に関する注意点

確定申告書や住宅借入金等特別控除申告書の記入には細心の注意が必要です。特に金額の記入ミスや必要事項の記入漏れは多く見られます。また、押印が必要な書類もありますので、提出前に再度確認することが大切です。不明な点がある場合は、税務署の窓口や税理士に相談することをお勧めします。

住宅ローン控除2年目以降の手続きや必要書類

住宅ローン控除の2年目以降は、主に年末調整で控除を受けることができます。初年度と比べて手続きが簡素化され、必要書類も少なくなります。以下では、2年目以降の手続きや必要書類について詳しく解説していきます。

年末調整での手続き方法

2年目以降は、勤務先で行われる年末調整の際に控除を受けることができます。この場合、確定申告を行う必要はありません。年末調整の時期になったら、勤務先の給与担当者に必要書類を提出します。ただし、年の途中で転職した場合や、給与所得以外の所得がある場合は、確定申告が必要となる場合があります。

必要書類の詳細

2年目以降に必要となる書類は、大きく分けて3つです。まず1つ目は「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」です。これは勤務先から配布される書類で、必要事項を記入して提出します。2つ目は初年度の確定申告時に税務署から交付された「住宅借入金等特別控除証明書」です。これは控除を受ける資格があることを証明する重要な書類となります。3つ目は金融機関が発行する「年末残高証明書」で、その年の12月31日時点での住宅ローンの残高が記載されています。

書類の提出時期と手順

年末調整の書類は、通常11月から12月にかけて提出することになります。具体的な提出期限は勤務先によって異なりますので、給与担当者に確認しておくとよいでしょう。年末残高証明書は金融機関から自動的に送付されてくる場合が多いですが、請求が必要な金融機関もありますので、事前に確認しておくことをお勧めします。

控除額の変更について

2年目以降の控除額は、毎年のローン残高によって変動します。返済が進むにつれてローン残高は減少していきますので、それに伴って控除額も減少していきます。また、住宅ローンの繰り上げ返済を行った場合は、翌年の控除額が大きく減少する可能性があります。このような変更がある場合は、年末調整の際に新しい残高に基づいて控除額を計算し直す必要があります。

控除が受けられなくなるケース

2年目以降でも、一定の条件を満たさなくなった場合は控除を受けられなくなることがあります。例えば、住宅ローンを完済した場合や、転居して対象となる住宅に居住しなくなった場合は、その時点で控除を受ける資格を失います。また、所得が3,000万円を超えた年は、その年度の控除を受けることができません。

書類の保管について

住宅借入金等特別控除証明書は、控除期間が終了するまで大切に保管しておく必要があります。紛失した場合は税務署で再発行を受けることができますが、手続きに時間がかかる場合があります。また、年末残高証明書なども控除期間中は保管しておくことをお勧めします。確定申告を行う可能性がある場合は、源泉徴収票なども含めて、関連書類は最低5年間は保管しておくとよいでしょう。

転職時の注意点

年の途中で転職した場合は、新しい勤務先でも引き続き控除を受けることができます。その際は、前職での源泉徴収票と住宅借入金等特別控除証明書を新しい勤務先に提出する必要があります。ただし、転職のタイミングによっては年末調整での控除が受けられず、確定申告が必要となる場合もありますので、事前に税務署に確認することをお勧めします。

確定申告が必要なケース

年末調整で控除を受けられない場合は、確定申告を行う必要があります。具体的には、給与所得以外の所得がある場合や、年の途中で転職した場合、医療費控除など他の控除と合わせて申告する必要がある場合などが該当します。確定申告が必要な場合は、初年度と同様の手続きで申告を行います。

よくある質問

住宅ローン控除に関して、多くの方が疑問に感じる点について、Q&A形式で詳しく解説していきます。

申請手続きに関する質問

Q:初年度の確定申告を忘れてしまいました。もう控除は受けられないのでしょうか?

A:5年以内であれば遡って申請することが可能です。ただし、期限内に申請するのに比べて手続きが複雑になります。必要書類を揃えて税務署で手続きを行いましょう。

Q:確定申告は必ず税務署に行かなければいけませんか?

A:e-Taxを利用することで、自宅からオンラインで申告することができます。また、郵送での申告も可能です。ただし、初めての方は税務署での相談がお勧めです。

Q:年末調整と確定申告の両方で控除を受けることはできますか?

A:二重に控除を受けることはできません。通常は年末調整か確定申告のどちらかで手続きを行います。

控除額に関する質問

Q:住宅ローンの返済額が少ない月がありましたが、控除額に影響はありますか?

A:毎月の返済額は控除額に直接影響しません。年末時点でのローン残高の1%が基本の控除額となります。

Q:給与が下がって所得税が少なくなりました。控除は受けられますか?

A:所得税額を上限として控除を受けることができます。所得税額が控除可能額より少ない場合、その年は控除しきれない分を翌年に繰り越すことはできません。

住宅に関する質問

Q:住宅を売却する予定ですが、控除はどうなりますか?

A:住宅を売却して居住しなくなった場合、その時点で控除を受ける資格を失います。ただし、売却までの期間の控除は受けることができます。

Q:増改築をした場合、新たに控除を受けることはできますか?

A:一定の要件を満たす増改築工事であれば、新たに控除を受けることができます。ただし、既存の控除と合わせて控除限度額があります。

転職・退職に関する質問

Q:転職した場合、控除はどうなりますか?

A:新しい勤務先でも控除を継続して受けることができます。控除証明書を新しい勤務先に提出する必要があります。ただし、年の途中で転職した場合は確定申告が必要になることがあります。

Q:退職した場合、控除は受けられなくなりますか?

A:退職後も所得があれば、確定申告を行うことで控除を受けることができます。ただし、所得がない年は控除を受けることはできません。

書類に関する質問

Q:控除証明書を紛失してしまいました。どうすればよいですか?

A:税務署で再発行を受けることができます。ただし、手続きに時間がかかる場合がありますので、大切に保管しておくことをお勧めします。

Q:年末残高証明書が届かない場合はどうすればよいですか?

A:金融機関に連絡して発行を依頼する必要があります。金融機関によっては手数料がかかる場合もあります。

特殊なケースに関する質問

Q:住宅ローンを借り換えた場合、控除はどうなりますか?

A:一定の要件を満たす借り換えであれば、引き続き控除を受けることができます。ただし、手続きが必要となりますので、税務署に相談することをお勧めします。

Q:住宅ローンを完済した場合、控除はどうなりますか?

A:完済した時点で控除を受ける資格を失います。完済した年は、その年の年末までのローン残高に基づいて控除を受けることができます。

まとめ

住宅ローン控除の手続きは、初年度と2年目以降で大きく異なります。初年度は確定申告が必要で、多くの書類を準備する必要がありますが、2年目以降は年末調整で比較的簡単に手続きができます。期限や必要書類を確認し、漏れのないように申請することが重要です。不明な点がある場合は、税務署や税理士に相談することをおすすめします。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

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    :渡辺知光

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