住宅ローンの連帯保証人が必要なケースや、なれる人の条件を解説
家づくりの予算・費用
2024/11/25
2024/11/25
住宅ローンを組む際に避けて通れない連帯保証人の問題。「本当に必要なの?」「誰に頼めばいいの?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、住宅ローンにおける連帯保証人の必要性や、保証人になれる条件、メリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
目次
- 保証人とは
- 住宅購入・賃貸における保証人とは
- 住宅ローンで保証人を求められるケース
- 住宅ローンにおける保証人・連帯保証人・連帯債務者の違い
- 住宅ローンの保証人を立てるメリット・注意点
- 住宅ローンの保証人・連帯保証人になれる人の条件
- 保証会社を利用しても連帯保証人が求められるケース
- 住宅ローンの連帯保証人がいない場合の解決策
- 保証会社を利用する
- 保証人が不要な住宅ローンを利用する
- 借入額を減らして対応する
- 返済期間を調整する
- 収入証明の工夫
- 金融機関の選択を広げる
- 住宅購入時期の調整
- よくある質問(Q&A)
- Q1:連帯保証人は必ず必要なのでしょうか?
- Q2:配偶者は必ず連帯保証人になる必要がありますか?
- Q3:連帯保証人になると、将来自分が住宅ローンを組むことはできなくなりますか?
- Q4:保証会社を利用する場合の保証料はいくらくらいかかりますか?
- Q5:連帯保証人の年齢制限はありますか?
- Q6:一度引き受けた連帯保証人を途中で解消することはできますか?
- Q7:連帯保証人の責任は、借入れ本人が死亡した場合でも継続しますか?
- Q8:連帯保証人になることで、自身のクレジットカードの審査などにも影響がありますか?
- Q9:すでに住宅ローンを組んでいる場合、他の人の連帯保証人になることはできますか?
- Q10:親の住宅ローンの連帯保証人になった場合、将来の相続にはどのような影響がありますか?
- まとめ
保証人とは
保証人とは、借入れをした本人(主債務者)が返済できなくなった場合に、代わりに返済する義務を負う人のことを指します。住宅ローンの場合、連帯保証人として保証人になると、借入れ本人と同等の返済義務を負うことになります。
住宅購入・賃貸における保証人とは
住宅購入や賃貸物件を借りる際の保証人には、それぞれ異なる役割と特徴があります。ここでは、住宅ローンと賃貸契約における保証人の違いについて詳しく解説していきます。
住宅ローンでは保証人は原則不要
住宅ローンの場合、近年は保証会社による機関保証が一般的となっており、個人の保証人は原則として不要です。金融機関は保証会社とセットでローンを提供することで、返済が滞るリスクに備えています。
賃貸住宅では保証会社を利用するケースが増加
賃貸住宅の場合も、以前は親族などに連帯保証人になってもらうことが一般的でしたが、現在は保証会社を利用するケースが増えています。これは保証人の負担軽減や、保証人を立てられない入居希望者への対応として広がってきました。
現金での一括購入時も保証人は不要
住宅を現金で一括購入する場合は、ローンを組む必要がないため、当然ながら保証人は不要となります。ただし、税務上の贈与や相続の問題が関係する場合は、別途専門家への相談が推奨されます。
保証人が求められるケース
とはいえ、以下のような場合には保証人が必要となることがあります。
・収入合算でローンを組む場合
・親子でペアローンを組む場合
・自営業者の場合
・年収や勤続年数が基準に満たない場合
・親名義の土地に住宅を建てる場合
賃貸契約における保証人の役割
賃貸契約の保証人は、家賃の滞納や物件の損傷など、借主が契約上の義務を果たせなくなった場合に、その責任を負う立場となります。近年は保証会社の利用が一般的となっていますが、保証会社を利用する場合でも、緊急連絡先として親族などの名前を求められることがあります。
保証会社利用のメリット
保証会社を利用することで、以下のようなメリットがあります。
・個人の保証人を立てる必要がない
・保証人に負担をかけることがない
・審査が比較的スムーズ
・保証範囲が明確
保証人を選ぶ際の注意点
もし保証人を立てる必要がある場合は、以下の点に注意が必要です。
・保証人の責任と義務について十分な説明を行う
・保証人の経済状況を考慮する
・将来的なリスクについても話し合っておく
・書面での契約を必ず交わす
住宅ローンで保証人を求められるケース
住宅ローンでは原則として保証会社による機関保証が一般的となっていますが、いくつかの特定のケースでは保証人が必要となります。ここでは、保証人が求められる具体的なケースについて詳しく解説していきます。
配偶者や両親と住宅ローンを申し込むペアローン
ペアローンとは、例えば親子で一緒にローンを組むケースなどを指します。この場合、お互いが連帯保証人となることが一般的です。ペアローンでは、それぞれの収入に応じてローンを分け合うため、両者の返済能力と意思確認が重要となります。
世帯年収で申し込む収入合算契約
夫婦などで収入を合算してローンを組む場合、互いが連帯保証人となるケースが一般的です。これは、合算した収入を基準に借入額が決定されるため、双方が返済に対して責任を持つ必要があるためです。
自営業者の場合
自営業者の場合、収入が安定していないと判断されることがあり、保証人を求められるケースがあります。特に開業間もない場合や、確定申告の内容によっては、追加の保証人が必要となる可能性が高くなります。
年収や勤続年数が基準に満たない場合
金融機関が定める年収基準や勤続年数の条件を満たしていない場合、保証人を立てることで融資を受けられる可能性があります。ただし、返済計画は慎重に検討する必要があります。
親名義の土地に住宅を建てる場合
親の土地に住宅を建てる場合、土地所有者である親に保証人になってもらうケースが多くあります。これは、土地と建物の権利関係を明確にするためという側面もあります。
審査内容に不安がある場合
以下のような場合、金融機関から保証人を求められる可能性が高くなります。
・勤続年数が短い
・年収が基準より低い
・他の借入残高が多い
・過去の返済履歴に問題がある
・職種や雇用形態に不安定要素がある
保証人を求められた場合の対応
保証人を求められた場合は、以下のような対応を検討しましょう。
・借入額を減らして保証人なしでの借入を検討
・頭金を増やして借入額を抑える
・団体信用生命保険への加入を検討
・他の金融機関での借入を検討
・住宅購入の時期を延期して条件改善を目指す
保証人を立てる前の確認事項
保証人を立てる場合は、以下の点について十分な確認と説明が必要です。
・保証人の責任範囲
・返済計画の詳細
・保証期間
・万が一の場合の対応方法
・その他の契約条件
住宅ローンにおける保証人・連帯保証人・連帯債務者の違い
住宅ローンでは保証人・連帯保証人・連帯債務者という似て非なる立場があります。それぞれの役割や責任の違いについて、詳しく解説していきます。
保証人とは
保証人は、主たる債務者(借入れ本人)が返済できなくなった場合に、代わりに返済する義務を負う人を指します。ただし、一般の保証人には「催告の抗弁権」や「検索の抗弁権」という権利があり、いくつかの保護されるべき権利が認められています。
連帯保証/連帯保証人とは
連帯保証人は、主たる債務者(借入れ本人)と同等の責任を負う立場となります。保証人とは異なり、「催告の抗弁権」や「検索の抗弁権」といった権利はありません。そのため、金融機関は借入れ本人への請求と同時に、連帯保証人にも返済を請求することができます。
連帯債務/連帯債務者とは
連帯債務者は、借入れ本人と同じ立場で債務を負担する人を指します。例えば、夫婦で住宅ローンを組む場合の共同名義などがこれにあたります。それぞれが借入れ全額に対して返済義務を負うことになります。
保証人と連帯保証人の違い
保証人と連帯保証人の最も大きな違いは、以下の権利の有無にあります。
催告の抗弁権とは
一般の保証人が持つ権利で、金融機関から請求があった場合に「まず借入れ本人に請求してください」と主張できる権利です。連帯保証人にはこの権利がないため、借入れ本人と同時に請求を受ける可能性があります。
検索の抗弁権とは
これも一般の保証人が持つ権利で、「借入れ本人に資産が残っているはずなので、まずそちらから回収してください」と主張できる権利です。連帯保証人にはこの権利もないため、借入れ本人の資産状況に関係なく、返済を求められる可能性があります。
分別の利益とは
保証人が複数いる場合、一般の保証人には「分別の利益」があり、自分の負担部分に応じた請求しか受けません。一方、連帯保証人にはこの権利がなく、債務全額について請求を受ける可能性があります。
それぞれの立場における責任の重さ
責任の重さは以下の順で重くなります。
・保証人(一般):最も責任が軽い
・連帯保証人:保証人より重い責任
・連帯債務者:借入れ本人と同等の最も重い責任
注意すべきポイント
住宅ローンで保証人などになる場合は、以下の点に特に注意が必要です。
・返済義務の範囲と内容の確認
・借入れ本人の返済能力の見極め
・自身の資産状況との兼ね合い
・将来的なリスクの検討
・家族関係への影響の考慮
役割を引き受ける前の確認事項
保証人や連帯保証人、連帯債務者になる前には、以下の点について十分な確認が必要です。
・ローンの総額と返済期間
・月々の返済額
・金利の条件
・繰り上げ返済の可否
・団体信用生命保険の加入有無
・返済が滞った場合の対応方法
住宅ローンの保証人を立てるメリット・注意点
住宅ローンで保証人を立てることには、メリットとデメリットの両面があります。ここでは、保証人を立てる際の利点と注意すべきポイントについて詳しく解説していきます。
保証人を立てるメリット
保証料がかからない
保証会社を利用する場合、一般的に借入額の1~2%程度の保証料が必要となります。しかし、個人の保証人を立てる場合は保証料が不要となるため、その分の費用を抑えることができます。例えば3,000万円の住宅ローンの場合、保証会社を利用すると30~60万円程度の保証料が必要となりますが、保証人を立てることでこの費用を節約できます。
借入可能額が増える可能性がある
保証人を立てることで、金融機関の審査基準を満たしやすくなり、より多額の借入れが可能になる場合があります。特に年収や勤続年数が基準に満たない場合でも、信用力のある保証人の存在によって、希望の借入額での融資を受けられる可能性が高まります。
保証人を立てる際の注意点
死亡や離婚をしても返済義務は継続する
住宅ローンの返済期間中に借入れ本人が死亡したり、夫婦間で離婚が成立したりしても、保証人としての返済義務は継続します。これは重要な点で、特に連帯保証人の場合は借入れ本人と同等の返済責任を負うため、将来的なリスクも含めて慎重な判断が必要となります。
連帯保証人の家族や親族に対し負担がかかる
保証人を引き受けることは、個人の決断以上の影響を及ぼす可能性があります。保証人となることで、その人の将来的な借入れが制限されたり、家族間の人間関係に影響が出たりする可能性があります。また、相続時に問題が発生するケースや、予期せぬ支出が必要となるリスクもあります。
保証人がローンの審査に通らない場合がある
保証人候補者の年齢が高すぎる場合や、年収が基準に満たない場合、あるいは他の借入れが多い場合などは、金融機関の審査で認められない可能性があります。また、勤務先や雇用形態が不安定な場合や、過去の返済履歴に問題がある場合なども、保証人として認められない要因となります。
トラブルを防ぐための対策
保証人を立てる際のトラブルを防ぐためには、返済計画の詳細な内容や保証人の責任範囲について、事前に十分な確認と話し合いを行うことが重要です。また、返済が滞った場合の対応方法や、保証期間、団体信用生命保険の加入有無などについても、明確な取り決めを行っておくことが望ましいでしょう。
代替案の検討
保証人を立てることが難しい場合は、頭金を増やして借入額を抑えることや、返済期間を延長して月々の返済額を減らすことなども検討に値します。また、保証会社の利用を検討したり、より条件の良い金融機関を探したりすることで、別の解決策が見つかる可能性もあります。住宅購入の時期を延期して、より良い条件での借入れを目指すことも一つの選択肢となるでしょう。
住宅ローンの保証人・連帯保証人になれる人の条件
住宅ローンの保証人になれる人には、一定の条件があります。ここでは、保証人・連帯保証人になれる人の具体的な条件や、金融機関の審査基準について詳しく解説していきます。
配偶者や両親などの家族
住宅ローンの保証人として最も一般的なのが、配偶者や両親などの家族です。これは、家族間では互いの経済状況や信用性を把握しやすく、長期的な信頼関係があるためです。ただし、配偶者の場合は収入合算での借入れとなることが多く、その場合は連帯債務者として契約することが一般的です。また、両親が保証人となる場合は、年齢による制限や収入基準などの審査があります。
金融機関の審査基準を満たしている年齢・収入
金融機関によって具体的な基準は異なりますが、一般的に保証人には以下のような条件が求められます。年齢については、通常20歳以上75歳未満であることが条件となります。これは、返済終了時の年齢を考慮してのことです。例えば、35年の住宅ローンで保証人になる場合、40歳であれば返済終了時に75歳となるため、保証人として認められる可能性は高くなります。
職業と収入に関する条件
収入面では、安定した職業に就いていることが重要です。正社員として一定期間以上の勤務実績があることが望ましく、一般的には年収300万円以上であることが条件となることが多いです。また、自営業者の場合は、確定申告書の内容や事業の継続性なども審査の対象となります。パート・アルバイトの場合は、勤務年数や収入の安定性がより重視されます。
その他の重要な審査基準
金融機関は保証人の信用情報も重要視します。具体的には、他の借入れの状況や返済履歴、クレジットカードの利用状況なども審査の対象となります。特に、過去に債務の延滞がある場合や、多額の借入れがある場合は、保証人として認められない可能性が高くなります。また、すでに他の住宅ローンの保証人になっている場合も、新たな保証人になることは難しくなります。
法人の代表者の場合
会社経営者が保証人になる場合は、会社の業績や経営状態も審査の対象となります。決算書の内容や、事業の将来性、取引銀行との関係なども考慮されます。特に、創業間もない企業の場合は、より詳細な審査が行われることがあります。
保証能力の審査
保証人になる場合、その人の資産状況も重要な審査項目となります。預貯金や不動産などの資産保有状況、ローンなどの負債の状況を総合的に判断し、保証能力があるかどうかが審査されます。特に、連帯保証人の場合は借入れ本人と同等の返済義務を負うため、より厳格な審査が行われます。
同居家族の場合の特例
住宅ローンの対象となる物件に同居する予定の家族が保証人になる場合は、通常の保証人よりも審査基準が若干緩和されることがあります。これは、実際に物件を利用する立場にあることが考慮されるためです。ただし、基本的な収入基準や年齢制限は同様に適用されます。
保証人の心構え
保証人になることを検討している場合は、単に条件を満たしているかどうかだけでなく、長期的な視点での判断が必要です。住宅ローンは通常20~35年という長期の返済となるため、その間の収入の変動や、ライフプランへの影響なども十分に考慮する必要があります。また、保証人になることで自身の将来的な借入れにも影響が出る可能性があることも理解しておく必要があります。
保証会社を利用しても連帯保証人が求められるケース
一般的に住宅ローンでは保証会社による機関保証が利用されますが、特定の条件下では保証会社を利用していても連帯保証人が必要となるケースがあります。ここでは、そのような状況について詳しく解説していきます。
土地や建物の名義を夫婦で共有する場合
夫婦で物件を共有する場合、たとえ保証会社を利用していても互いが連帯保証人となることが求められるケースが多くあります。これは、共有物件に対する権利と責任を明確にするためです。特に、住宅ローンの返済原資として配偶者の収入も考慮する収入合算を行う場合は、配偶者の連帯保証人としての署名が必須となります。この場合の連帯保証は、夫婦間の権利関係を明確にする意味合いも持っています。
親名義の土地に住宅を建てる場合
親の所有する土地に住宅を建てる場合、土地所有者である親に連帯保証人になってもらうことが求められます。これは、土地と建物の権利関係を明確にし、将来的なトラブルを防ぐための措置です。例えば、建物の完成後に土地の贈与や売買が行われる可能性や、相続が発生した際の権利関係など、様々な状況を想定して、土地所有者の協力が必要となります。また、このケースでは土地の担保提供についても検討が必要となります。
自営業の場合
自営業者が住宅ローンを申し込む場合、収入の安定性や事業の継続性について、より詳細な審査が行われます。特に事業開始から間もない場合や、業績の変動が大きい場合には、保証会社を利用していても追加で連帯保証人を求められることがあります。この場合、事業上の取引先や、信用力のある家族などに連帯保証人になってもらうことで、融資を受けやすくなる可能性があります。
審査内容に問題がある場合
借入れ本人の収入や勤務状況、返済履歴などの審査内容に不安要素がある場合、保証会社による保証だけでなく、個人の連帯保証人も必要となることがあります。例えば、年収が基準より低い場合や、勤続年数が短い場合、あるいは他の借入れが多い場合などが該当します。また、過去に返済遅延があった場合なども、追加の保証人を求められる可能性が高くなります。
物件の担保価値が不十分な場合
購入する不動産の担保価値が借入額に対して不十分と判断された場合も、追加の連帯保証人が必要となることがあります。これは、将来的な物件価値の下落リスクに備えるための措置です。特に、立地条件や建物の築年数、あるいは特殊な構造を持つ物件の場合、担保評価が低くなりやすく、追加の信用補完が必要となる可能性が高まります。
住宅ローンの借入額が高額な場合
借入額が金融機関の基準を超えて高額となる場合、保証会社の保証だけでは不十分と判断され、追加で連帯保証人を求められることがあります。この場合、借入れ本人の収入や資産状況が良好であっても、リスク分散の観点から連帯保証人が必要とされます。特に、地価の高い都市部での住宅購入や、大規模な戸建て住宅の建築などで、このようなケースが発生しやすくなります。
解決策の検討
連帯保証人を求められた場合の対応策としては、借入額を減らす、頭金を増やす、あるいは物件の選択を見直すなどの方法があります。また、金融機関によって連帯保証人の要件は異なりますので、複数の金融機関に相談することで、より良い条件を見つけられる可能性もあります。重要なのは、早い段階で必要な条件を確認し、計画的に対応することです。
住宅ローンの連帯保証人がいない場合の解決策
住宅ローンを組む際に連帯保証人が見つからない場合でも、いくつかの解決策があります。ここでは、保証人がいない場合の具体的な対応方法について詳しく解説していきます。
保証会社を利用する
連帯保証人が見つからない場合の最も一般的な解決策が、保証会社の利用です。保証会社を利用する場合、通常借入額の1~2%程度の保証料が必要となりますが、個人の保証人を立てる必要がなくなります。近年は多くの金融機関が保証会社との提携を行っており、住宅ローン商品にあらかじめ保証会社による保証がセットされているケースも増えています。また、保証会社を利用することで、将来的な人間関係のトラブルを避けることができるというメリットもあります。
保証人が不要な住宅ローンを利用する
金融機関によっては、保証人不要の住宅ローン商品を提供しているところもあります。これらの商品は一般的に金利が若干高めに設定されていることが多いものの、十分な収入や職歴がある場合は、保証人なしでも融資を受けられる可能性があります。ただし、このような商品を利用する場合は、通常よりも厳格な審査基準が適用されることが多く、安定した収入や良好な返済履歴が求められます。
借入額を減らして対応する
保証人がいない場合の別の解決策として、借入額を減らす方法があります。具体的には、頭金を増やすことで借入額を抑え、金融機関の審査基準をクリアしやすくする方法です。例えば、当初予定していた物件よりも価格帯を下げた物件を検討したり、貯蓄を増やして頭金の割合を高めたりすることで、保証人なしでの融資を受けやすくなる可能性があります。
返済期間を調整する
返済期間を調整することも、一つの解決策となります。返済期間を延長することで月々の返済額を減らし、収入に対する返済負担率を下げることができます。ただし、返済期間を延長すると支払う利息の総額は増えることになるため、長期的な資金計画を立てる際には注意が必要です。また、年齢による制限もあるため、返済終了時の年齢が金融機関の基準を超えないよう考慮する必要があります。
収入証明の工夫
給与所得者の場合、基本給以外の収入も適切に証明することで、より多くの収入を審査に反映させることができる可能性があります。例えば、定期的に支給されている残業代や賞与、各種手当なども、安定的な収入として認められる場合があります。自営業者の場合は、確定申告の内容を丁寧に整理し、事業の安定性や収益性を示すことが重要になります。
金融機関の選択を広げる
金融機関によって審査基準は異なりますので、複数の金融機関に相談することで、より良い条件を見つけられる可能性があります。特に、勤務先の取引銀行や、給与振込口座のある銀行は、通常の審査基準よりも柔軟な対応をしてくれることがあります。また、地方銀行や信用金庫なども、地域密着型の金融機関として、個々の事情に応じた柔軟な対応を検討してくれる可能性があります。
住宅購入時期の調整
すぐに住宅を購入する必要がない場合は、条件が整うまで購入時期を延期することも検討に値します。この期間を活用して、収入を増やしたり、貯蓄を増やしたり、あるいは他の借入れを返済したりすることで、将来的により良い条件での借入れが可能になる可能性があります。また、この間に不動産市場の動向を見極めることで、より良い物件との出会いも期待できます。
よくある質問(Q&A)
住宅ローンの連帯保証人について、多くの方が疑問に感じる点をQ&A形式でまとめました。
Q1:連帯保証人は必ず必要なのでしょうか?
A1:近年は保証会社による機関保証が一般的となっており、原則として個人の連帯保証人は不要です。ただし、収入合算での借入れや親名義の土地に建物を建てる場合など、特定の条件下では連帯保証人が必要となることがあります。
Q2:配偶者は必ず連帯保証人になる必要がありますか?
A2:配偶者が連帯保証人となる必要があるかどうかは、ローンの借入方法によって異なります。収入を合算して借入れを行う場合や、物件を夫婦で共有する場合は、配偶者の連帯保証人が必要となることが一般的です。一方、単独でローンを組む場合は、必ずしも配偶者を連帯保証人にする必要はありません。
Q3:連帯保証人になると、将来自分が住宅ローンを組むことはできなくなりますか?
A3:連帯保証人になることで、必ずしも自分の住宅ローンを組めなくなるわけではありません。ただし、保証している住宅ローンの残高が自身の借入れ審査に影響する可能性があります。金融機関は年収に対する借入れ総額を重視するため、連帯保証している金額も考慮されます。
Q4:保証会社を利用する場合の保証料はいくらくらいかかりますか?
A4:保証料は一般的に借入額の1~2%程度です。例えば、3,000万円の住宅ローンの場合、30~60万円程度の保証料が必要となります。ただし、金融機関によっては保証料を金利に上乗せする形で分割払いができる場合もあります。
Q5:連帯保証人の年齢制限はありますか?
A5:一般的に、連帯保証人の年齢は20歳以上75歳未満とされています。ただし、これは住宅ローンの返済終了時の年齢を考慮したものです。例えば35年返済の住宅ローンの場合、保証人の年齢が40歳であれば返済終了時に75歳となるため、保証人として認められる可能性が高くなります。
Q6:一度引き受けた連帯保証人を途中で解消することはできますか?
A6:連帯保証人の解消は原則として難しいですが、借入れ本人の収入が増加したり、返済が進んで借入残高が減少したりした場合には、金融機関と相談の上で保証人の変更や解除が認められることもあります。ただし、これには金融機関の承認が必要となります。
Q7:連帯保証人の責任は、借入れ本人が死亡した場合でも継続しますか?
A7:はい、借入れ本人が死亡した場合でも、連帯保証人としての責任は継続します。ただし、団体信用生命保険に加入している場合は、借入れ本人の死亡時に保険金でローンが返済されるため、連帯保証人の負担は軽減されます。
Q8:連帯保証人になることで、自身のクレジットカードの審査などにも影響がありますか?
A8:連帯保証人になることは、信用情報として記録されます。そのため、クレジットカードの審査や他の借入れの際に、考慮される要素の一つとなります。ただし、保証している住宅ローンの返済が順調であれば、大きな問題にはならないケースが多いです。
Q9:すでに住宅ローンを組んでいる場合、他の人の連帯保証人になることはできますか?
A9:可能です。ただし、すでに住宅ローンを組んでいる場合、年収に対する総借入額の割合が考慮されるため、保証できる金額に制限が設けられる可能性があります。また、金融機関の審査基準も通常より厳格になることが予想されます。
Q10:親の住宅ローンの連帯保証人になった場合、将来の相続にはどのような影響がありますか?
A10:親の住宅ローンの連帯保証人となっている場合、相続時にはローンの残債務も相続の対象となります。ただし、他の相続人との関係で、負担の分配方法などを事前に検討しておくことが望ましいでしょう。また、相続対策として、親の加入する生命保険の受取人を検討するなどの対応も考えられます。
まとめ
住宅ローンの連帯保証人については、近年は保証会社による機関保証が主流となっており、必ずしも個人の保証人は必要ありません。ただし、収入合算やペアローンなど、特定のケースでは連帯保証人が必要となることがあります。 保証人を立てる場合は、そのメリットとデメリットを十分に理解し、慎重に判断することが大切です。また、保証会社の利用も選択肢の一つとして検討してみましょう。
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