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住宅ローンの審査基準や通過するポイント、落ちるケースを解説

家づくりの予算・費用

2024/11/25

2024/11/25

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

住宅ローンの審査基準や通過するポイント、落ちるケースを解説

住宅ローンを組む際に避けて通れない仮審査と本審査。マイホーム購入の大きな関門となるこれらの審査について、基準や通過のポイント、また注意点などを詳しく解説していきます。

なお、当社が提供している「housemarriage」では、住宅コンシェルジュが住宅ローンの相談から審査対策まで、マイホーム購入に関する幅広いサポートをさせていただきます。

目次

住宅ローンの審査から借り入れまでの流れ

住宅ローンの審査から借り入れまでの流れは大きく分けて6つのステップがあります。ここでは、各段階でどのような手続きが行われるのか、具体的に解説していきます。

事前相談・情報収集

まずは金融機関で事前相談を行います。この段階では、年収や希望の借入額をもとに、どの程度の融資を受けられる可能性があるのかを確認します。複数の金融機関に相談し、金利や返済条件を比較検討することをおすすめします。

仮審査の申し込み

金融機関が決まったら、仮審査の申し込みを行います。必要書類としては、本人確認書類、収入証明書(源泉徴収票など)、他の借入状況が分かる書類などを提出します。この段階では、基本的な借入条件について審査が行われます。

仮審査の結果通知

仮審査の結果は通常1週間程度で通知されます。承認された場合は、融資の上限額や金利などの条件が提示されます。ただし、この段階での承認はあくまで仮のものであり、本審査でさらに詳しい審査が行われます。

本審査の申し込み

仮審査通過後、いよいよ本審査の申し込みを行います。この段階では、物件の詳細な資料や、より詳しい収入証明書類、住民票、税証明書などの提出が求められます。また、団体信用生命保険の加入手続きも併せて行われます。

本審査の結果通知

本審査の結果が出るまでには2〜3週間程度かかります。この間、金融機関は提出された書類の確認や、勤務先への在籍確認、物件価値の評価などを行います。承認された場合は、正式な融資条件が提示されます。

契約締結と融資実行

本審査通過後、金銭消費貸借契約の締結を行います。契約時には印紙代や手数料などの諸費用が必要となります。その後、売主への代金支払いのタイミングに合わせて融資が実行されます。

審査期間中の注意点

審査期間中は、新たな借入を行わないことや、勤務先の変更を避けることが重要です。また、提出書類に不備があると審査が遅れる原因となりますので、書類は正確に記入し、期限内に提出するよう心がけましょう。

スムーズな審査のために

住宅ローンの審査をスムーズに進めるためには、必要書類を事前に準備しておくことが大切です。特に確定申告をしている場合は、税務署での書類取得に時間がかかる場合がありますので、余裕をもって準備を始めることをおすすめします。

なお、住宅ローンの審査は金融機関によって基準や必要書類が異なることがあります。事前相談の段階で、具体的にどのような書類が必要になるのか、しっかりと確認しておきましょう。

住宅ローンの仮審査や本審査にかかる期間

住宅ローンの審査期間は金融機関によって異なりますが、一般的な目安と、期間に影響を与える要因について詳しく解説していきます。また、審査をスムーズに進めるためのポイントもご紹介します。

仮審査にかかる期間

仮審査は通常1週間程度で結果が出ます。ただし、金融機関の混雑状況や提出書類の内容によって、さらに時間がかかる場合があります。

本審査にかかる期間

本審査は申し込みから結果が出るまでに、一般的に2〜3週間程度必要です。ただし、以下の要因により、さらに期間が延びる可能性があります。

審査期間に影響を与える要因

以下のような場合は、通常よりも審査期間が長くなる傾向にあります。

・繁忙期(3月や4月)の申し込み

・提出書類の不備や追加書類の要求

・確定申告をしている場合の収入確認

・勤務先への在籍確認が難しい場合

・物件価値の評価に時間がかかる場合

・連帯保証人や収入合算がある場合

仮審査から融資実行までの標準的なスケジュール

住宅ローンの申し込みから融資実行までの一般的な期間は以下の通りです。

・仮審査申し込み:申込日

・仮審査結果:1週間程度

・本審査申し込み:仮審査通過後

・本審査結果:2〜3週間程度

・契約締結:本審査通過後1週間程度

・融資実行:契約締結後、物件引き渡しに合わせて

審査期間を短縮するためのポイント

審査をスムーズに進めるために、以下のポイントに気をつけましょう。

・必要書類は事前に準備しておく

・書類の記入は正確に漏れなく行う

・在籍確認のため、上司に事前に伝えておく

・追加書類の要求には迅速に対応する

・金融機関からの問い合わせにはすぐに回答する

金融機関ごとの審査期間の違い

審査期間は金融機関によって異なります。一般的に以下のような傾向があります。

・都市銀行:比較的スピーディー(標準的な期間)

・地方銀行:都市銀行と同程度

・信用金庫:やや時間がかかる場合がある

・ネット銀行:システム審査が中心で比較的早い

・住宅金融支援機構:審査に時間がかかる傾向

審査期間と物件購入のタイミング

物件購入のスケジュールを立てる際は、審査期間を考慮に入れる必要があります。特に新築物件の場合、建築工期との調整が重要になってきます。

審査期間中の注意点

審査期間中は、新たな借入を避け、勤務先や収入状況に大きな変更がないようにすることが重要です。変更が必要な場合は、必ず事前に金融機関に相談しましょう。

また、複数の金融機関に同時に申し込む場合は、それぞれの審査状況を適切に管理し、スケジュールに支障が出ないよう注意が必要です。

余裕を持った審査申し込みの重要性

審査期間は想定以上にかかることもあるため、物件の引き渡し時期から逆算して、十分な余裕を持って申し込みを行うことをおすすめします。特に年度末や連休前は混雑が予想されるため、さらに余裕を持った計画を立てましょう。

住宅ローンの仮審査の審査基準

住宅ローンの仮審査では、借入れの可能性を判断するための基本的な審査が行われます。ここでは、金融機関が重視する審査基準について詳しく解説していきます。

年収に関する基準

年収は仮審査において最も重視される項目の一つです。一般的に以下のような基準があります。

・安定した収入があること(正社員としての給与所得が望ましい)

・年収に対する返済額の割合が35%以内であること

・ボーナス返済を含める場合は、直近のボーナス実績が基準となる

・前年度の年収が審査の基準となる

・複数年に渡る収入実績があることが望ましい

年齢に関する基準

年齢による制限は以下のような基準が一般的です。

・申込時の年齢が20歳以上であること

・完済時の年齢が65歳〜75歳以下であること

・団体信用生命保険に加入できる年齢であること

・年齢が若いほど借入可能額が増える傾向にある

勤続年数に関する基準

安定した収入を判断する上で、勤続年数は重要な要素となります。

・正社員の場合:原則として1年以上の勤続年数が必要

・契約社員の場合:通常2年以上の勤続が求められる

・自営業の場合:2〜3年以上の営業実績が必要

・転職後の場合:新しい職場での勤続期間が考慮される

借入金額に関する基準

借入金額については以下のような基準があります。

・物件価格の100%までが上限となることが多い

・年収の7〜8倍程度が目安

・頭金の準備状況も考慮される

・諸費用の支払い能力も確認される

他の借入状況に関する基準

既存の借入れも重要な審査項目となります。

・カードローンやクレジットカードの利用状況

・自動車ローンなどの他のローン返済額

・総返済比率が40%以内であること

・過去の返済延滞がないこと

職業に関する基準

職業によって審査基準が異なる場合があります。

・正社員:最も審査が通りやすい

・契約社員:契約期間や更新実績が重視される

・パート・アルバイト:勤続年数と収入の安定性が重要

・自営業:確定申告書の内容が重視される

物件に関する基準

購入予定の物件についても審査の対象となります。

・物件の担保価値が適切であること

・建物の築年数が基準内であること

・立地条件が良好であること

・適正な売買価格であること

家族構成による考慮

家族構成によって審査基準が変わることもあります。

・配偶者の収入合算が可能か

・扶養家族の人数

・連帯保証人の有無

・同居家族の状況

その他の審査項目

金融機関によって、以下のような項目も審査の対象となることがあります。

・預金取引の有無や状況

・クレジットカードの使用履歴

・居住地域

・健康状態(団体信用生命保険の加入に関連)

なお、これらの基準は金融機関によって異なり、また案件ごとに総合的に判断されます。一つの基準を満たさない場合でも、他の条件が良好であれば承認される可能性もあります。

住宅ローンの仮審査に落ちるケース

住宅ローンの仮審査に落ちる主な理由と、それを防ぐための対策について詳しく解説していきます。事前に確認することで、審査落ちのリスクを軽減することができます。

年収に関する問題

年収に関連して、以下のようなケースで仮審査に落ちる可能性が高くなります。

・年収に対して借入希望額が多すぎる

・年収が低い、または不安定

・前年度と比べて収入が大幅に減少している

・収入の多くが残業代やアルバイト収入

・確定申告の内容に不明確な点がある

勤務状況に関する問題

勤務状況について、以下のような場合は審査が通りにくい傾向にあります。

・勤続年数が1年未満

・契約社員やパート、アルバイトでの勤務

・転職を繰り返している

・会社の業績が悪化している

・会社が設立間もない、または規模が小さい

他の借入に関する問題

既存の借入れについて、以下のような状況は審査に悪影響を与えます。

・カードローンの利用額が多い

・複数のクレジットカードでリボ払いを利用している

・自動車ローンなど他の借入れが多い

・過去に返済の延滞歴がある

・総返済比率が基準を超えている

物件に関する問題

購入予定の物件について、以下のような場合は審査が通りにくくなります。

・物件価格が市場価格と比べて高すぎる

・築年数が古すぎる

・立地条件が悪い

・担保評価額が低い

・物件に法的な問題がある

年齢に関する問題

年齢に関して、以下のようなケースは審査が厳しくなります。

・完済時の年齢が75歳を超える

・若すぎて収入や職歴が不安定

・団体信用生命保険に加入できない年齢

・定年退職が近い

・年金受給年齢との兼ね合い

書類に関する問題

提出書類について、以下のような不備があると審査に落ちる可能性があります。

・必要書類の不足や記入漏れ

・収入証明書の内容が不正確

・申告内容に虚偽がある

・書類の有効期限切れ

・提出書類間で内容に矛盾がある

生活設計に関する問題

将来の返済計画について、以下のような懸念がある場合は審査が通りにくくなります。

・収支バランスが悪い

・貯蓄が少ない

・教育費など将来の支出が多い

・扶養家族が多い

・病気や介護などの特別な支出が予想される

金融機関との取引履歴の問題

金融機関との関係について、以下のような場合は審査に影響します。

・取引履歴が短い

・預金残高が少ない

・口座の出入金が不安定

・過去にトラブルがある

・他の金融商品の取引状況が悪い

その他の問題

上記以外にも、以下のような要因で審査に落ちる可能性があります。

・頭金の準備が不十分

・連帯保証人の信用力が低い

・健康上の問題がある

・自己破産や債務整理の履歴がある

・反社会的勢力との関係が疑われる

これらの問題点に該当する場合は、仮審査の申し込み前に改善できる点は改善し、必要に応じて金融機関に相談することをおすすめします。特に、年収と借入額のバランス、他の借入れの整理、勤務状況の安定性については、優先的に対策を講じる必要があります。

住宅ローンの仮審査に備えておきたいこと

住宅ローンの仮審査を円滑に進めるためには、事前の準備と対策が重要です。ここでは、仮審査に向けた具体的な準備事項について詳しく解説していきます。

必要書類の準備

仮審査に必要な書類を漏れなく準備することが重要です。本人確認書類として運転免許証やパスポート、収入を証明する源泉徴収票や給与明細、そして住民票や課税証明書などが必要となります。また、預金通帳のコピーや健康保険証、既存のローンがある場合は返済予定表なども用意しましょう。これらの書類は有効期限や記載内容を十分確認し、不備のないよう準備することが大切です。

収入状況の把握と整理

収入に関する準備として、まずは年収の正確な金額を把握することが重要です。定期的に支給されるボーナスの実績や、残業代などの変動収入の状況も整理しておく必要があります。また、近い将来の昇給や昇進の予定がある場合は、その情報も重要となります。自営業の方の場合は、確定申告の内容を十分に確認し、収入の安定性を示せるよう準備しましょう。

借入れ状況の確認と整理

既存の借入れについて、現在の状況を詳しく把握することが必要です。カードローンの利用残高やクレジットカードの利用状況、自動車ローンなどの返済状況を確認し、可能な限り他の借入れは返済しておくことをおすすめします。また、過去の返済履歴にトラブルがないかも確認しておきましょう。

物件情報の整理

購入予定の物件について、価格の妥当性や築年数、構造などの基本情報を整理することが重要です。立地条件や周辺環境、今後の修繕計画なども含めて、物件に関する情報を総合的に把握しておく必要があります。また、固定資産税などの諸費用についても事前に確認しておきましょう。

返済計画の立案

具体的な返済計画を立てる際は、まず毎月の返済可能額を慎重に算出することが重要です。ボーナス返済の活用を検討したり、将来の収入見込みを考慮したりしながら、無理のない返済計画を立てましょう。特に、教育費など将来の支出増加も見込んだ上で、余裕を持った計画を立てることが大切です。

頭金の準備

頭金については、現在の貯蓄額を確認するとともに、親からの援助の可能性なども検討しましょう。その際、贈与税の確認も忘れずに行う必要があります。また、住宅財形や財形融資の活用も検討し、諸費用も含めた必要額を準備することが重要です。

勤務先への確認

勤務先に関しては、正確な勤続年数や雇用形態を確認しておく必要があります。会社の規模や業績、今後の昇給や昇進の可能性なども重要な情報となります。また、金融機関からの在籍確認に備えて、上司や人事部門への事前の協力依頼も検討しましょう。

住宅ローンの仮審査に向けた準備は、書類の準備から返済計画の立案まで、多岐にわたります。特に重要なのは、収入状況の把握と借入れ状況の整理です。これらの準備を入念に行うことで、仮審査をスムーズに進めることができます。また、不安な点がある場合は、金融機関に事前相談することをおすすめします。相談を通じて、自身の状況に合った対策を立てることができます。

住宅ローンの本審査の審査基準

住宅ローンの本審査では、仮審査よりもさらに詳細な審査基準が設けられています。ここでは、金融機関が重視する本審査の具体的な審査基準について詳しく解説していきます。

収入に関する審査基準

本審査では、収入の詳細な内容が審査されます。基本給だけでなく、残業代やボーナスなどの変動収入についても、その安定性や継続性が細かくチェックされます。前年度の収入実績だけでなく、過去数年間の収入推移も確認され、将来的な収入見通しも考慮されます。一般的に、年収に対する返済額の比率は35%以内が目安とされ、これを超える場合は厳格な審査が行われます。

物件価値の審査基準

購入予定の物件については、金融機関による独自の担保評価が行われます。物件の立地条件、築年数、構造、設備の状態、周辺環境などが詳細に評価され、物件価格の妥当性が判断されます。特に中古物件の場合は、リフォーム履歴や今後の修繕計画なども審査の対象となります。また、将来的な資産価値の維持についても慎重に評価されます。

職歴・雇用形態の審査基準

勤務先での雇用状況について、より詳細な確認が行われます。正社員としての勤続年数や、会社の規模、業界での位置づけなどが重視されます。契約社員やパート社員の場合は、雇用契約の更新実績や、収入の安定性がより厳しく審査されます。また、会社の経営状態や将来性も考慮され、在籍確認時には具体的な勤務状況も確認されます。

返済能力の審査基準

返済能力については、現在の収入だけでなく、将来的な支出も含めた総合的な判断が行われます。教育費や老後の生活費なども考慮に入れた上で、無理のない返済計画であるかが審査されます。他の借入れがある場合は、その返済状況や、総返済比率(年収に対する全てのローンの返済額の割合)も重要な判断材料となります。

信用情報の審査基準

金融機関は、信用情報機関に登録されている個人信用情報を詳細にチェックします。過去の借入れ履歴や返済状況、クレジットカードの利用履歴などが確認され、延滞や督促の記録がないかが審査されます。特に、過去の返済トラブルは重大な審査項目となり、たとえ小額の延滞でも、その理由や対応状況が詳しく確認されます。

資金計画の審査基準

頭金や諸費用の支払い計画について、具体的な資金の裏付けが求められます。預貯金の残高証明や、親族からの援助がある場合は贈与証明書など、資金の出所を明確に示す必要があります。また、諸費用の支払い能力も重要な審査項目となり、物件購入後の修繕費用や住宅保険料なども考慮されます。

保証人の審査基準

連帯保証人を立てる場合は、保証人自身の信用力も厳格に審査されます。保証人の年収や資産状況、他の保証件数なども確認され、保証能力が判断されます。特に、親族以外の保証人の場合は、より詳細な審査が行われ、保証人としての適格性が慎重に判断されます。

団体信用生命保険の審査基準

本審査では、団体信用生命保険の加入審査も重要な要素となります。年齢や健康状態、既往歴などについて詳細な確認が行われ、必要に応じて健康診断書の提出が求められます。保険の引受基準を満たさない場合は、住宅ローン自体の承認にも影響を与える可能性があります。

その他の審査基準

これらの主要な審査基準に加えて、申込者の年齢や家族構成、生活状況なども総合的に判断されます。また、金融機関との取引実績や、預金口座の利用状況なども審査の対象となります。さらに、物件の権利関係や法的な問題がないかも確認され、安全な融資が可能かどうかが判断されます。

これらの審査基準は金融機関によって若干の違いがありますが、基本的な考え方は共通しています。本審査を通過するためには、これらの基準を十分に理解し、必要な準備を整えることが重要です。

住宅ローンの本審査を通過するポイント

住宅ローンの本審査は、仮審査よりもさらに詳細な審査が行われます。ここでは、本審査を確実に通過するための重要なポイントについて詳しく解説していきます。

提出書類の完璧な準備

本審査では、提出書類の正確性と完璧な準備が求められます。源泉徴収票や住民票、納税証明書など、すべての書類が最新のものであり、記載内容に誤りがないことを確認する必要があります。特に収入証明書類は、審査の要となる重要書類ですので、記載内容を入念にチェックしましょう。また、書類の有効期限にも注意を払い、期限切れの書類を提出することのないよう気をつける必要があります。

物件価値の適正性

本審査では、購入予定の物件価値が特に重視されます。物件価格が市場相場から大きく外れていないこと、立地条件が良好であること、建物の品質や管理状態が適切であることなどが重要です。また、将来的な資産価値の維持も考慮されますので、築年数や周辺の開発計画なども確認しておく必要があります。

勤務先への在籍確認

本審査では必ず勤務先への在籍確認が行われます。スムーズな確認のために、事前に上司や人事部門に住宅ローンの申し込みを行うことを伝えておきましょう。特に、在籍確認の電話がかかってきた際の対応方法について、会社の担当者と打ち合わせをしておくことが重要です。また、自身の役職や勤続年数、雇用形態などの情報が正確に伝わるよう準備しておきましょう。

返済計画の具体性

本審査では、より具体的な返済計画の提示が求められます。月々の収支バランスを詳細に示し、住宅ローンの返済に支障がないことを証明する必要があります。将来的な収入の見通しや、教育費などの支出増加も考慮に入れ、長期的な視点での返済計画を立てることが重要です。また、ボーナス返済を設定する場合は、ボーナスの支給実績や安定性も示せるよう準備しましょう。

保証人の信用力

連帯保証人を立てる場合は、保証人の信用力も重要な審査項目となります。保証人の年収や資産状況、返済能力などが審査されますので、保証人となる方の状況も事前に確認しておく必要があります。特に、親族が保証人となる場合は、収入証明書などの必要書類を早めに準備してもらうことをおすすめします。

資金計画の妥当性

頭金の出所や諸費用の支払い計画など、資金計画全体の妥当性も重要な審査項目です。自己資金がある場合は、預金通帳などでその裏付けを示せるようにしておきましょう。親からの援助がある場合は、贈与契約書や資金の移動履歴なども準備が必要です。また、諸費用の支払いについても具体的な計画を立てておく必要があります。

既存取引の状況

金融機関との既存の取引状況も、本審査では重要視されます。普段から計画的な資金管理を行い、安定した取引履歴を築いておくことが大切です。特に、預金口座の入出金状況や、クレジットカードの利用履歴などが審査の対象となりますので、日頃から適切な金融取引を心がけましょう。

団体信用生命保険の加入

本審査の過程で、団体信用生命保険の加入審査も行われます。健康状態や既往歴などについて正確に申告し、必要に応じて健康診断書なども準備する必要があります。加入に不安がある場合は、事前に保険会社に相談することをおすすめします。

住宅ローンの本審査を通過するためには、提出書類の完璧な準備はもちろん、物件価値の適正性、勤務先での在籍確認、具体的な返済計画など、多岐にわたる要素を整えることが重要です。特に、書類の準備と確認には十分な時間をかけ、不備のないよう注意を払いましょう。また、不明な点がある場合は、積極的に金融機関に相談し、アドバイスを求めることをおすすめします。

住宅ローンの本審査で落ちるケース

住宅ローンの本審査は、仮審査よりもさらに厳格な審査が行われます。ここでは、本審査で落ちる可能性が高いケースについて、具体的に解説していきます。

収入に関する問題

本審査では収入の実態が詳しく確認され、以下のような場合に審査に通らないことがあります。まず、源泉徴収票や給与明細書の内容に疑問点や不明確な点がある場合です。特に、残業代やアルバイト収入が収入の大部分を占めている場合は、その安定性が疑問視されます。また、前年度と比較して収入が大幅に減少している場合や、ボーナスの支給実績が不安定な場合も、審査に悪影響を与えます。

勤務先に関する問題

勤務先への在籍確認で問題が発生すると、審査に落ちる可能性が高くなります。例えば、会社の業績が悪化している場合や、申込者の雇用形態が不安定な場合です。また、在籍確認の際に上司や人事部門との連絡が取れない場合や、申告内容と実態が異なることが判明した場合も、重大な問題となります。さらに、会社が設立間もない場合や、経営状態が不安定な場合も、審査は厳しくなります。

物件に関する問題

購入予定の物件に問題がある場合も、本審査で不通過となる可能性があります。具体的には、物件価格が市場価格と比べて著しく高額である場合や、築年数が金融機関の基準を超えている場合です。また、立地条件が悪い場合や、物件に法的な問題(権利関係の不明確さなど)がある場合も、審査に通らない可能性が高くなります。修繕履歴が不明確な中古物件や、将来的な資産価値の低下が懸念される物件も、慎重な審査の対象となります。

信用情報の問題

信用情報機関の記録に問題がある場合は、本審査で落ちる可能性が非常に高くなります。過去の延滞歴や、複数の金融機関からの借入れが多い場合は特に注意が必要です。また、クレジットカードの利用状況が過大である場合や、リボ払いを多用している場合も、返済能力に疑問が持たれる原因となります。さらに、過去に債務整理や自己破産の経験がある場合は、審査通過が極めて困難となります。

資金計画の問題

資金計画に不明確な点がある場合も、本審査で問題となります。頭金の出所が不明確な場合や、諸費用の支払い計画が不十分な場合は、審査に悪影響を与えます。また、親族からの援助を予定している場合でも、その具体的な証明ができない場合は問題となります。将来の修繕費用や固定資産税などの費用計画が不十分な場合も、審査は厳しくなります。

提出書類の問題

提出書類に不備や矛盾がある場合は、即座に審査に影響を与えます。書類の記載内容に誤りがある場合や、必要書類が揃っていない場合は、審査の進行自体が止まってしまう可能性があります。また、提出された書類の内容に疑問点がある場合や、追加で要求された書類の提出が遅れる場合も、審査に悪影響を与えます。

保険加入の問題

団体信用生命保険の加入審査に通らない場合も、住宅ローンの本審査で不通過となる可能性が高くなります。健康状態に問題がある場合や、年齢が保険の引受基準を超えている場合は、保険加入が認められず、結果として住宅ローン自体が承認されない可能性があります。

本審査で落ちるケースの多くは、事前の準備や確認で防ぐことができます。特に重要なのは、収入や勤務状況の安定性、物件価値の適正さ、信用情報の良好さです。問題が発生しそうな項目がある場合は、事前に金融機関に相談し、対策を講じることが重要です。また、提出書類の準備と確認には特に注意を払い、不備のないよう心がける必要があります。

重要なのは、これらの問題点を早期に発見し、対策を講じることです。本審査の申し込み前に、自身の状況を客観的に見直し、必要な改善を行うことで、審査通過の可能性を高めることができます。

よくある質問

住宅ローンの審査に関して、多くの方が疑問や不安を抱えています。ここでは、特によく寄せられる質問とその回答について詳しく解説していきます。

仮審査と本審査の違いについて

Q:仮審査に通過しても、本審査で落ちることはありますか?

A:はい、可能性はあります。仮審査はあくまでも簡易的な審査であり、本審査ではより詳細な確認が行われます。特に、在籍確認や物件評価、提出書類の精査など、仮審査では確認されなかった項目について詳しく審査されます。そのため、仮審査を通過しても本審査で承認されないケースは珍しくありません。

審査期間について

Q:審査にはどのくらいの期間がかかりますか?また、期間を短縮することは可能ですか?

A:一般的に、仮審査は1週間程度、本審査は2〜3週間程度かかります。ただし、書類の準備状況や金融機関の混雑状況によって、さらに時間がかかることもあります。審査期間の短縮については、必要書類を事前に準備し、迅速に提出することである程度は可能です。ただし、金融機関の定める最低限の審査期間は必要となります。

収入に関する質問

Q:パートやアルバイトでも住宅ローンは組めますか?

A:可能です。ただし、正社員と比べて審査基準は厳格になります。一般的に、同じ勤務先で2年以上の勤続年数があり、安定した収入があることが求められます。また、年収に応じて借入可能額が制限される場合もあります。

他の借入れについて

Q:車のローンを組んでいますが、住宅ローンは組めますか?

A:車のローンがあっても住宅ローンを組むことは可能です。ただし、総返済比率(年収に対する全てのローンの返済額の割合)が審査の重要な基準となります。一般的に、総返済比率は40%以内に収める必要があります。可能であれば、住宅ローンの申し込み前に、他の借入れを返済しておくことをおすすめします。

頭金について

Q:頭金はどのくらい必要ですか?

A:金融機関によって異なりますが、一般的に物件価格の20%程度の頭金があることが望ましいとされています。ただし、頭金なしの住宅ローンを提供している金融機関もあります。なお、頭金を多く用意するほど、借入額が減り、審査に通りやすくなる傾向があります。

保証人について

Q:保証人は必ず必要ですか?

A:必ずしも必要ではありません。近年は、保証人不要の住宅ローン商品も多く存在します。ただし、年収や職歴などの条件によっては、保証人を求められる場合があります。保証人を立てることで、審査に通りやすくなったり、金利が優遇されたりすることもあります。

団体信用生命保険について

Q:持病があるのですが、住宅ローンは組めますか?

A:持病があっても、その症状や治療状況によっては住宅ローンを組むことは可能です。ただし、団体信用生命保険の加入審査が必要となり、場合によっては保険料が割増になったり、特約付保険への加入が必要になったりすることがあります。事前に金融機関に相談し、対応可能な商品があるか確認することをおすすめします。

年齢制限について

Q:何歳まで住宅ローンを組むことができますか?

A:金融機関によって異なりますが、一般的に完済時の年齢が65歳〜75歳までというのが基準となっています。ただし、収入や返済計画によっては、この年齢を超えても借入れが可能な場合があります。特に、定年後も継続的な収入が見込める場合は、柔軟な対応が可能な金融機関もあります。

これらの質問は、住宅ローンを検討する際の基本的な疑問点です。ただし、具体的な条件や対応は金融機関によって異なりますので、詳細については各金融機関に直接確認することをおすすめします。また、不安な点がある場合は、早めに専門家に相談することで、適切な対策を講じることができます。

まとめ

住宅ローンの審査は、仮審査と本審査の2段階で行われ、それぞれ重要なポイントがあります。早めの準備と正確な情報提供を心がけ、計画的に進めることが審査通過への近道となります。

特に、年収に見合った借入額の設定や、他の借入状況の整理、必要書類の準備など、事前に十分な準備を行うことで、スムーズな審査通過が期待できます。

なお、当社が提供している「housemarriage」では、住宅コンシェルジュが理想の家づくりのサポートとして、住まいを探す上で重要なハウスメーカーや工務店の営業担当者とのマッチングサポートをさせていただきます。住宅購入の資金計画の相談・作成や、相性良く親身になってくれる「営業担当者」をご紹介します。家づくりに関して少しでも不安を感じるようであれば、お問い合わせください。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

運営会社情報

  • 会社名

    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

  • 代表者

    :渡辺知光

  • 本社
    所在地

    :〒104-0045 東京都中央区築地2-15-15 セントラル東銀座1002

  • アクセス

    :地下鉄日比谷線築地駅より徒歩3分

    :地下鉄日比谷線都営浅草線東銀座駅より徒歩3分

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