中古住宅購入+リフォームの住宅ローン【フラット35】リノベを解説
家づくりの予算・費用
2024/12/18
2024/12/18
マイホーム購入を検討する中で、新築住宅だけでなく中古住宅も視野に入れている方も多いのではないでしょうか。中古住宅はリフォームを行うことで理想の住まいに近づけることができますが、購入費用に加えてリフォーム費用も必要となります。そこで注目したいのが、【フラット35】リノベです。この記事では、中古住宅の購入とリフォームをセットで借りられる【フラット35】リノベについて、詳しく解説していきます。
購入価格とリフォーム代を借りられる「【フラット35】リノベ」
【フラット35】リノベは、中古住宅の購入費用とリフォーム工事費用を一体として借り入れできる住宅ローンです。住宅金融支援機構が提供する商品で、最長35年の長期固定金利という特徴があります。
【フラット35】リノベの基本的な仕組み
このローンは、中古住宅購入時に必要となる諸費用に加え、性能向上リフォーム工事費用までをまとめて借りることができます。住宅ローンとリフォームローンを別々に組む必要がないため、手続きの手間を省くことができます。
対象となるリフォーム工事
【フラット35】リノベで借り入れ可能なリフォーム工事は、以下の5つの性能のいずれかが向上する工事である必要があります。単なる美装工事や設備の取り替えだけでは対象となりません。
1. 耐震性の向上:耐震補強工事、基礎の補強工事など
2. 省エネルギー性の向上:断熱材の施工、二重サッシの設置など
3. バリアフリー性の向上:手すりの設置、段差の解消など
4. 耐久性の向上:外壁の防水工事、屋根の葺き替えなど
5. 可変性の向上:間取りの変更、壁の移動など
借入限度額と借入期間
借入限度額は、中古住宅の購入費用とリフォーム工事費用を合わせた金額となりますが、物件の評価額の範囲内となります。具体的な借入可能額は、年収や他の借入金の状況などを考慮して決定されます。
借入期間は15年以上35年以内で選択可能です。返済期間が長いため、月々の返済負担を抑えることができます。
金利の特徴
【フラット35】リノベの金利は、借入時に決定した金利が返済終了まで変わらない固定金利型です。そのため、将来の金利上昇リスクを考える必要がなく、返済計画が立てやすいというメリットがあります。
申込から融資実行までの流れ
1. 事前審査の申込:必要書類を準備し、取扱金融機関に申し込みを行います。
2. リフォーム計画の確認:性能向上リフォーム工事の内容について、住宅金融支援機構の審査を受けます。
3. 本審査:収入証明書などの必要書類をもとに、借入れの可否が判断されます。
4. 物件検査:リフォーム工事の内容が基準に適合しているか検査を受けます。
5. 融資実行:審査と検査に合格すると、融資が実行されます。
利用にあたっての注意点
【フラット35】リノベを利用する場合は、リフォーム工事の内容が住宅金融支援機構の定める基準に適合している必要があります。また、工事は融資実行後1年以内に完了することが求められます。
さらに、中古住宅自体も築年数や耐震性などの条件を満たしている必要があります。築年数が古い物件や耐震基準を満たさない物件は、対象とならない場合があります。
リフォーム代まで借りられる民間ローン
民間金融機関でも、中古住宅の購入費用とリフォーム費用をまとめて借りられる住宅ローンを提供しています。【フラット35】リノベとは異なる特徴や利点があり、選択肢の一つとして検討する価値があります。
民間ローンの基本的な特徴
民間金融機関が提供する住宅ローンは、金融機関ごとに商品内容が異なります。一般的に審査基準が【フラット35】リノベより緩やかで、借入れまでの手続きもスムーズに進む傾向にあります。ただし、変動金利が主流となっており、将来の金利変動リスクについては注意が必要です。
主なメリット
民間ローンの大きな利点は、リフォーム内容の自由度が高いことです。【フラット35】リノベのように性能向上にこだわる必要がなく、キッチンやお風呂の入れ替えといった設備の更新や、内装の変更なども融資対象となります。
また、金利優遇制度が充実している点も特徴です。給与振込口座の指定や、クレジットカードの作成など、取引条件に応じて金利が優遇される仕組みを設けている金融機関が多くあります。
借入限度額と返済期間
借入限度額は、一般的に購入費用とリフォーム費用の合計額の9割程度まで融資を受けられます。ただし、年収や他の借入金の状況によって上限額は変動します。返済期間は最長35年程度で設定可能な金融機関が多いですが、機関によって異なります。
金利タイプの種類
民間ローンでは、変動金利型、固定金利期間選択型、全期間固定金利型など、複数の金利タイプから選択できます。変動金利型は当初の金利が低めに設定されているものの、市場金利の変動に応じて金利が変わる可能性があります。
申込から融資実行までの流れ
1. 事前相談:希望の借入額や返済期間について、金融機関に相談します。
2. 仮審査申込:基本的な情報をもとに、借入れの可能性を確認します。
3. 本審査申込:収入証明書などの必要書類を提出します。
4. 物件調査:購入予定の物件について、金融機関が評価を行います。
5. リフォーム見積もりの提出:実施予定のリフォーム工事の見積もりを提出します。
6. 融資実行:審査に通過すると、融資が実行されます。
利用にあたっての注意点
金融機関によって融資条件や金利が大きく異なるため、複数の金融機関で商品内容を比較検討することが重要です。また、変動金利を選択する場合は、金利上昇時の返済額増加に備えて、余裕をもった返済計画を立てる必要があります。
審査のポイント
民間ローンの審査では、年収や勤続年数、他の借入金の返済状況などが重視されます。また、購入予定の物件の資産価値や、リフォーム後の価値なども審査の対象となります。安定した収入があり、健全な資産状況であれば、審査に通りやすい傾向にあります。
よくある質問(Q&A)
【フラット35】リノベや民間ローンについて、お客様からよく寄せられる質問をQ&A形式でまとめました。住宅ローン選びの参考にしてください。
Q1.【フラット35】リノベと民間ローン、どちらを選ぶべき?
それぞれの特徴を踏まえて、ご自身の状況に合わせて選択することをおすすめします。【フラット35】リノベは長期固定金利で将来の返済額が確定できる反面、リフォーム工事に制限があります。一方、民間ローンは工事内容の自由度が高く、金利優遇制度も充実していますが、変動金利が主流となっています。
Q2.リフォーム工事は必ず購入時に行う必要がある?
【フラット35】リノベの場合、融資実行後1年以内に工事を完了する必要があります。民間ローンでは金融機関によって期限が異なりますが、一般的に半年から1年以内の工事完了が求められます。将来のリフォームを見据えて余分に借り入れることはできません。
Q3.借入可能額はどのように決まる?
年収や他の借入金の返済状況、物件の評価額などを総合的に判断して決定されます。一般的な目安として、年収の5〜6倍程度が上限となることが多いですが、金融機関によって基準は異なります。また、リフォーム費用も含めた総額が物件の評価額を超えることはできません。
Q4.金利は途中で変更できる?
【フラット35】リノベは全期間固定金利のため、途中での金利変更はできません。民間ローンの場合、変動金利から固定金利への切り替えや、固定金利期間が終了した時点での金利タイプの選択が可能な商品もあります。
Q5.審査に通りやすい条件は?
安定した収入があり、他の借入金の返済に問題がないことが重要です。具体的には、年収に対する返済額の割合(返済負担率)が35%以内に収まることや、継続的な勤務実績があることなどが審査のポイントとなります。
Q6.頭金は必要?
一般的に、購入価格とリフォーム費用の合計額の1割程度は頭金として用意することが推奨されます。頭金が多いほど借入額を抑えられ、審査も通りやすくなる傾向にあります。
Q7.団体信用生命保険への加入は必須?
ほとんどの場合、団体信用生命保険への加入が必須となります。これは、借入れ人が死亡した場合や重度障害になった場合に、残りの借入金が保険金で返済される仕組みです。保険料は金利に含まれている場合と、別途支払いが必要な場合があります。
Q8.夫婦での連帯債務は可能?
可能です。夫婦で連帯債務とすることで、両者の収入を合算して審査を受けることができ、より多額の借入れが可能となる場合があります。ただし、両者とも団体信用生命保険に加入する必要があり、その分金利が上乗せされることがあります。
Q9.中古住宅の築年数に制限はある?
【フラット35】リノベの場合、木造(防火木造を含む)で築25年以内、鉄骨造・鉄筋コンクリート造で築35年以内が目安となります。民間ローンでは金融機関によって基準が異なりますが、築年数が古い物件は融資を受けにくい傾向にあります。
Q10.事前審査は必要?
正式な審査の前に事前審査を受けることをおすすめします。事前審査で借入れの可能性を確認できるため、物件探しやリフォーム計画を立てる際の参考になります。また、複数の金融機関で事前審査を受けることで、条件の比較検討も可能です。
まとめ
【フラット35】リノベは、中古住宅の購入とリフォーム工事費用を一体として借り入れできる便利な住宅ローンです。長期固定金利で将来の返済額が確定できる点は大きなメリットといえるでしょう。ただし、リフォーム工事には一定の制限があり、住宅の性能向上に寄与する工事である必要があります。民間ローンと比較検討しながら、自身の状況に合った住宅ローンを選択することをおすすめします。
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