住宅ローンの申し込みから融資実行までのフローと諸費用を解説
家づくりの予算・費用
2024/12/18
2024/12/18
住宅ローンの申し込みから実際の融資実行まで、初めての方にとっては複雑で分かりにくい部分も多いものです。この記事では、住宅ローンの借り入れまでの流れと必要な諸費用について、実務経験をもとに詳しく解説していきます。
目次
住宅ローン借り入れまでの全体の流れ
住宅ローンの借り入れは、多くの方にとって人生で最も大きな借り入れとなります。ここでは、借り入れまでの流れを具体的に解説していきます。
借りたい住宅ローンを探す
はじめに自分に合った住宅ローンを探すことから始まります。この段階では、以下のような基本的な条件を決めていきましょう。
まず、借入額と返済期間を決定します。返済期間は一般的に35年以内で設定され、年齢による制限もあります。住宅の購入価格から頭金を差し引いた金額が、おおよその借入額の目安となります。
次に金利タイプを選びます。変動金利型は金利が変動するため返済額が変わる可能性がありますが、固定金利型と比べて当初の金利が低めに設定されています。一方、固定金利型は返済額が一定ですが、金利が高めに設定される傾向にあります。
金融機関に仮審査(事前審査)を申し込む
金融機関が決まったら、仮審査を申し込みます。この段階で必要な書類は、本人確認書類、収入証明書類(源泉徴収票など)、物件概要書などです。仮審査では、年収や他の借入状況などから、おおよその借入可能額を確認します。
一般的に仮審査の結果は1週間程度で分かります。複数の金融機関に同時に申し込むことも可能です。
仮審査に通ったら本審査を申し込む
仮審査に通過したら、本審査の申し込みを行います。本審査では、より詳細な審査が行われ、勤務先への在籍確認や物件価値の評価なども実施されます。この段階で、住宅ローンの借入額や返済期間が正式に決定します。
本審査で必要な書類を用意する
本審査では多くの書類が必要となります。主な必要書類は以下の通りです。
・収入証明書(源泉徴収票、確定申告書など)
・住民票
・印鑑証明書
・勤務先の在職証明書
・資金計画書
・物件関係書類(売買契約書、建築確認申請書など)
・健康保険証のコピー
・預金通帳のコピー
住宅ローン契約を結ぶ
本審査に通過すると、ローン契約の締結となります。この際、以下の手続きが同時に行われます。
・団体信用生命保険の加入手続き
・保証会社との保証委託契約
・金銭消費貸借契約書の締結
・抵当権設定契約の締結
住宅ローンが実行される
すべての契約手続きが完了すると、いよいよ融資が実行されます。一般的に中古住宅の場合は物件の引き渡し時に一括で融資が実行されます。新築の場合は、建築の進捗状況に応じて分割での融資実行となることもあります。
融資実行時には、諸費用の支払いも同時に行われます。事前に必要な費用を準備しておく必要があります。
住宅ローンの借り入れは複雑な手続きが必要ですが、一つ一つの段階を確実に進めていくことが重要です。分からないことがあれば、金融機関の担当者に積極的に質問するようにしましょう。
住宅ローン借り入れに必要な諸費用
住宅ローンを借り入れる際には、借入額以外にもさまざまな諸費用が必要となります。ここでは、必要となる諸費用について詳しく解説していきます。
保証料
住宅ローンを借り入れる際には、保証会社による保証が必要となります。保証料は借入額や返済期間によって異なりますが、一般的に借入額の1~2%程度となります。保証料の支払い方法には、一括払いと分割払いがあります。
一括払いの場合は初期費用として一括で支払う必要がありますが、金利が優遇されることがあります。分割払いの場合は毎月の返済額に上乗せされる形で支払いますが、総支払額は一括払いより高くなる傾向にあります。
事務手数料
金融機関によって金額は異なりますが、一般的に数万円から10万円程度の事務手数料が必要です。この手数料には、審査費用や契約書作成費用などが含まれています。
金融機関によっては、キャンペーン期間中に事務手数料が割引されたり、無料になったりすることもあります。
団体信用生命保険料
住宅ローンを組む際には、団体信用生命保険への加入が必須となります。これは、借入者が死亡や重度障害となった場合に、残りの借入金の返済が免除される保険です。
保険料は通常、住宅ローンの金利に含まれていますが、保障内容を充実させる場合は追加で保険料が必要となることがあります。
火災保険料
住宅ローンを借り入れる場合、担保となる建物に対して火災保険の加入が必要です。保険料は建物の構造や保険期間によって異なりますが、一般的に年間数万円程度となります。
長期の火災保険に加入する場合は、まとまった保険料を一括で支払う必要があります。
登記費用
抵当権設定登記の費用として、登録免許税と司法書士報酬が必要となります。登録免許税は借入額の0.4%で、司法書士報酬は通常5~10万円程度です。
印紙代
金銭消費貸借契約書や抵当権設定契約書には印紙を貼付する必要があります。印紙代は借入額によって異なり、数千円から数万円程度となります。
諸費用の具体的な例
例えば、3,000万円を借り入れる場合の諸費用の目安は以下のようになります。
・保証料:30~60万円(一括払いの場合)
・事務手数料:5~10万円
・火災保険料:15~20万円(10年分)
・登記費用:15~20万円
・印紙代:2~4万円
諸費用を抑えるためのポイント
諸費用を少しでも抑えるために、以下のような工夫が考えられます。
・複数の金融機関で諸費用を比較検討する
・キャンペーン期間を利用する
・保証料の支払い方法(一括か分割か)を検討する
・火災保険の保険期間や補償内容を吟味する
・諸費用の融資が可能な金融機関を探す
住宅ローンの諸費用は決して少なくない金額となります。事前にしっかりと確認し、必要な金額を準備しておくことで、スムーズな住宅ローンの借り入れが可能となります。
よくある質問(Q&A)
住宅ローンの申し込みから融資実行まで、多くの方が疑問に感じる点について、Q&A形式で詳しく解説していきます。
申し込みから審査について
Q:仮審査から融資実行までどのくらいの期間がかかりますか?
A:一般的な流れでは、仮審査が1週間程度、本審査が2~3週間程度かかります。全体では1~2ヶ月程度を見込んでおくとよいでしょう。ただし、書類の準備状況や金融機関の混み具合によって前後する場合があります。
Q:仮審査に通っても本審査で否決されることはありますか?
A:はい、可能性はあります。仮審査はあくまで概算での審査となります。本審査では、より詳細な書類確認や在籍確認が行われるため、状況によっては否決されることもあります。特に年収の証明書類の内容や、勤続年数などが重要なポイントとなります。
必要書類について
Q:本審査に必要な書類はいつまでに用意すればよいですか?
A:本審査の申し込み時に必要となりますので、仮審査の結果が出た段階で準備を始めることをおすすめします。特に在職証明書など、会社に発行を依頼する書類は時間がかかる場合があるため、早めの準備が大切です。
Q:確定申告をしている場合、どんな書類が必要ですか?
A:確定申告書の写し(税務署の受付印のあるもの)と、所得税青色申告決算書または収支内訳書が必要です。通常は過去2年分の提出が求められます。
諸費用について
Q:どのくらいの諸費用を準備すればよいですか?
A:一般的に借入額の2~5%程度を目安に考えておくとよいでしょう。例えば3,000万円借り入れる場合、60~150万円程度の諸費用が必要となります。ただし、金融機関や借入条件によって大きく異なります。
Q:諸費用も住宅ローンで借り入れできますか?
A:金融機関によっては、諸費用の一部を住宅ローンに含めて借り入れることが可能です。ただし、すべての諸費用を借り入れできるわけではありませんので、事前に確認が必要です。
返済について
Q:返済額はいつ確定しますか?
A:金銭消費貸借契約を締結する際に、返済額が確定します。変動金利の場合は、金利の変動に応じて返済額が変更となる可能性があります。
Q:繰り上げ返済は可能ですか?
A:基本的に可能です。ただし、金融機関によって手数料が異なったり、実施できる時期に制限があったりする場合があります。契約時に確認しておくとよいでしょう。
その他の疑問点
Q:複数の金融機関に同時に申し込んでもよいですか?
A:仮審査であれば問題ありません。むしろ、条件比較のために複数の金融機関に申し込むことをおすすめします。ただし、本審査は原則として1つの金融機関のみとしましょう。
Q:住宅ローンの保証人は必要ですか?
A:通常、保証会社による保証を利用する場合は保証人は不要です。ただし、収入合算で審査を受ける場合は、配偶者などの連帯保証人が必要となることがあります。
Q:在籍確認の電話は必ず来ますか?
A:はい、本審査では必ず勤務先への在籍確認が行われます。一般的に人事部門へ照会が行われますので、事前に会社に住宅ローンの申し込みを行うことを伝えておくとよいでしょう。
まとめ
住宅ローンの申し込みから融資実行までには、いくつもの重要なステップがあります。それぞれの段階で必要な準備を怠らず、計画的に進めることが大切です。また、諸費用についても事前に把握し、十分な資金計画を立てておくことをおすすめします。この記事を参考に、スムーズな住宅ローン借り入れの実現に向けて準備を進めていただければ幸いです。
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