ろうきん住宅ローン(労金)の特徴や利用条件、金利、注意点を解説
家づくりの予算・費用
2024/12/26
2024/12/26
労働金庫(ろうきん)の住宅ローンは、一般の金融機関と比べて低金利で借りられることで知られています。会員向けの様々な優遇制度があり、特に共済会や労働組合に加入している方にとってはメリットの多い住宅ローンです。本記事では、ろうきん住宅ローンの特徴や利用条件、申込方法について詳しく解説します。
目次
ろうきん(労金)とは
労働金庫(通称:ろうきん)は、1950年に制定された「労働金庫法」に基づいて設立された、働く人のための非営利の福祉金融機関です。一般の銀行とは異なり、労働組合や生活協同組合が主体となって運営されています。
ろうきんの基本理念と特徴
ろうきんは「働く人の助け合いの金融機関」として、営利を目的とせず、会員である労働者の経済的地位の向上を目指しています。株式会社である一般の銀行とは異なり、協同組織の金融機関として運営されているため、利益は全て会員への還元や、サービスの向上に活用されます。
全国のろうきんネットワーク
現在、全国に13の地区労働金庫があり、それぞれの地域特性に合わせたサービスを提供しています。各地区労働金庫は独立した運営を行っていますが、全国労働金庫協会を通じて相互に連携し、全国規模のネットワークを形成しています。
ろうきんの会員制度
ろうきんの会員には、労働組合や共済会などの団体会員と、その構成員である個人会員があります。会員になることで、住宅ローンをはじめとする各種金融サービスで優遇を受けることができます。また、一般の勤労者でも、勤務先企業がろうきんに加盟していれば、そのサービスを利用することが可能です。
ろうきんが提供する主なサービス
ろうきんでは、住宅ローンの他にも、給与振込、財形貯蓄、マイカーローン、教育ローンなど、働く人の生活に密着した様々な金融サービスを提供しています。特に住宅取得支援には力を入れており、低金利の住宅ローンや充実した返済支援制度を用意しています。
ろうきんの安全性
ろうきんは、預金保険制度に加入しており、万が一の場合でも預金者保護の対象となります。また、営利を追求しない経営方針により、リスクの高い投資や融資を行わないことでも知られており、安定した経営を維持しています。金融庁による監督も受けており、一般の銀行と同様の厳格な管理体制が整えられています。
ろうきんの社会貢献活動
ろうきんは、金融サービスの提供だけでなく、勤労者の生活向上や地域社会の発展にも貢献しています。金融教育の実施や、環境保護活動への支援、福祉事業への助成など、様々な社会貢献活動を展開しています。これらの活動は、非営利組織としてのろうきんの理念を体現するものとなっています。
ろうきん住宅ローンと一般の住宅ローンとの違い
一般の住宅ローンと比較した際のろうきんローンの主な違いについて、以下の観点から詳しく解説します。
金利の特徴
ろうきんの住宅ローンは、非営利の金融機関という性質から、一般の金融機関と比べて金利が低く設定されています。会員向けの金利優遇制度があり、一般銀行の住宅ローンと比べて0.1%から0.5%程度低い金利での借入れが可能です。また、団体信用生命保険料が金利に含まれているため、実質的な負担はさらに軽減されます。
融資条件の違い
融資額は最高1億円まで、返済期間は最長35年と設定されており、一般の金融機関と同等以上の条件となっています。また、頭金なしでの100%融資も可能な場合があり、より柔軟な資金計画を立てることができます。
審査基準の特徴
一般の金融機関と比べて、審査基準がやや緩やかになっています。特に勤続年数については、一般の金融機関が3年以上を求めることが多いのに対し、ろうきんは1年以上から申込が可能です。年収基準も比較的低く設定されており、より多くの勤労者が利用しやすい仕組みとなっています。
各種手数料の違い
一般の住宅ローンでは有料となることが多い繰上返済手数料が、ろうきんでは無料です。また、融資手数料も一般の金融機関と比べて低く抑えられています。ただし、エリアによって手数料体系が異なる場合があります。
保証制度の違い
ろうきんでは、原則として保証人は不要です。代わりに保証機関(協同住宅ローン等)による保証を利用します。一般の金融機関でも保証会社を利用することが多いですが、ろうきんの場合は保証料が比較的低く設定されています。
返済支援制度の充実度
失業や収入減少時の返済条件の変更など、返済が困難になった際のサポート体制が充実しています。一般の金融機関と比べて、より柔軟な対応が可能です。また、会員向けの様々な支援制度も用意されています。
申込手続きの特徴
一般の金融機関では、インターネットでの申込みが一般的になっていますが、ろうきんでは対面での相談を重視しています。きめ細かな対応が可能である一方、手続きに時間がかかる場合があります。
団体信用生命保険の取り扱い
多くの一般金融機関では団体信用生命保険料を別途徴収しますが、ろうきんでは金利に含まれています。これにより、毎月の返済額を抑えることができます。また、一般的な死亡・高度障害保障に加えて、3大疾病保障や8大疾病保障などの特約も充実しています。
金利タイプの選択肢
変動金利型、固定金利型、固定金利特約型など、一般の金融機関と同様の選択肢があります。ただし、全期間固定金利型の【フラット35】については、一部のろうきんでは取り扱いがない場合があります。
対象となる物件の範囲
一般の住宅ローンと同様に、新築・中古住宅、マンション、一戸建てなど幅広い物件が対象となります。ただし、投資用物件や店舗併用住宅については、一般の金融機関と比べて融資条件が厳しくなる場合があります。
ろうきん住宅ローンの利用条件
ろうきん住宅ローンには、利用者の属性や借入条件に関する様々な基準が設けられています。以下に詳しく解説します。
利用対象者の条件
ろうきん住宅ローンを利用できる方は、主に以下の条件のいずれかに該当する必要があります。
1. 労働組合の組合員とその家族
2. 共済会や互助会の会員とその家族
3. 労金に事業主が掛金を払っている財形貯蓄の利用者
4. 勤務先企業がろうきんに加盟している一般勤労者
5. 公務員や教職員
年齢条件
申込時の年齢は原則として満20歳以上で、完済時の年齢が満80歳以下である必要があります。ただし、地域によって完済時年齢の上限が異なる場合があります。
収入・勤続条件
給与所得者の場合:
1. 安定した収入があり、原則として前年度税込年収が150万円以上
2. 勤続年数が1年以上(正社員の場合)
3. 派遣社員や契約社員の場合は、より詳細な条件確認が必要
自営業者の場合:
1. 原則として営業年数が3年以上
2. 安定した収入が見込める事業を営んでいること
借入金額と返済期間
借入金額:最高1億円まで(地域により異なる場合あり)
返済期間:35年以内(借入時の年齢により制限あり)
頭金:0円から可能(物件価格の100%融資も検討可)
返済負担率:年収に対して35%以内が目安
対象となる物件条件
1. 本人またはその家族が居住するための住宅であること
2. 新築・中古を問わず、一戸建て・マンションいずれも可
3. 土地付き建物、建物のみ、土地のみの購入も対象
4. 投資用物件は原則として対象外
5. 店舗併用住宅は居住部分が50%以上であることが条件
保証条件
1. 原則として保証人は不要
2. 協同住宅ローンなどの保証機関による保証が必要
3. 配偶者が連帯債務者となることが求められる場合あり
4. 年収合算は配偶者のみ可能(両親等との合算は不可)
必要な保険加入
1. 団体信用生命保険への加入が必須(保険料は金利に含まれる)
2. 火災保険への加入が必須(保険会社は自由に選択可能)
3. 債務返済支援保険は任意加入
その他の条件
1. 日本国籍を有する方、または永住許可を受けている外国籍の方
2. 安定的な収入が見込める職業に就いていること
3. 過去に破産歴がないこと
4. 反社会的勢力との関係がないこと
5. 健康保険・雇用保険に加入していること(給与所得者の場合)
地域による条件の違い
全国13の労働金庫それぞれで、以下の条件が異なる場合があります。
1. 金利の設定
2. 融資手数料の金額
3. 各種キャンペーンの内容
4. 返済期間の上限
5. 年齢制限
6. 収入基準
ろうきん住宅ローンのメリットや注意点
ろうきん住宅ローンには様々なメリットがある一方で、いくつかの注意点もあります。以下で詳しく解説します。
主なメリット
1. 低金利での借入れが可能: 営利を目的としない金融機関であるため、一般の金融機関と比べて金利が0.1%~0.5%程度低く設定されています。会員であれば、さらなる金利優遇も受けられます。
2. 団体信用生命保険料が金利に含まれる: 多くの金融機関では別途保険料を徴収しますが、ろうきんでは金利に含まれているため、実質的な負担が軽減されます。
3. 手数料面での優遇: 繰上返済手数料が無料で、融資手数料も一般の金融機関と比べて低く抑えられています。
4. 柔軟な審査基準: 勤続年数や年収条件が比較的緩やかで、より多くの方が利用しやすい設計となっています。
5. 充実した返済支援制度: 収入減少時や失業時などの返済困難時に、返済条件の変更などの支援制度が充実しています。
重要な注意点
1. エリアによる条件の違い: 全国13の労働金庫で金利や諸条件が異なります。地域によって受けられるサービスや優遇制度に差があるため、事前の確認が必要です。
2. 会員資格による制限: 非会員の場合、金利優遇などのメリットを十分に受けられない場合があります。会員になるための条件確認が重要です。
3. 申込手続きの時間: インターネット完結型の申込みに対応していない場合が多く、対面での手続きが必要となるため、時間がかかる場合があります。
4. 店舗数の制限: 一般の銀行と比べて店舗数が少なく、相談や手続きの際に不便を感じる可能性があります。
利用に適している人の特徴
1. 労働組合や共済会の会員: 会員向けの優遇制度を最大限活用できます。
2. 長期の安定した返済を希望する人: 低金利と充実した返済支援制度により、長期的な返済計画が立てやすくなっています。
3. 諸経費を抑えたい人: 各種手数料の優遇や保険料込みの金利設定により、総コストを抑えることができます。
検討時の重要ポイント
1. 現在の会員資格の確認: 所属する労働組合や勤務先企業がろうきんに加盟しているかの確認が重要です。
2. 地域による違いの確認: 居住地域の労働金庫の具体的な条件やサービス内容を確認する必要があります。
3. 総コストの比較: 金利だけでなく、手数料や保険料を含めた総コストで他の金融機関と比較することが重要です。
4. 手続き時間の考慮: 融資実行までに必要な時間を考慮し、物件購入のスケジュールを立てる必要があります。
将来的な検討事項
1. 転職時の影響: 会員資格が失われる可能性がある場合、借入条件への影響を確認する必要があります。
2. 返済計画の柔軟性: 将来的な繰上返済や借り換えの可能性を考慮し、それらに対する手数料や条件を確認しておくことが重要です。
ろうきんの住宅ローンに必要な費用
ろうきん住宅ローンを利用する際に必要な費用について、項目ごとに詳しく解説します。一般の金融機関と比べて費用面での優遇がある一方で、必ず発生する費用もあります。
融資関連手数料
融資手数料は借入額に応じて発生し、以下のような費用が必要となります。
1. 融資事務手数料:借入金額の2%程度(上限あり)
2. 収入印紙代:契約書作成時に必要(借入金額により異なる)
3. 事務取扱手数料:金融機関により異なるが、一般的に数万円程度
保証料関連
ろうきん住宅ローンでは保証機関による保証が必要です。
1. 保証料:一括払いの場合は借入金額の0.2%~1%程度
2. 分割払いの場合は金利に上乗せされる形で支払い
3. 保証機関への事務手数料:数万円程度
保険関連費用
1. 団体信用生命保険:金利に含まれているため追加費用なし
2. 火災保険料:物件の種類や保障内容により異なる(年間2~4万円程度)
3. 地震保険料:加入する場合は火災保険料の30~50%程度
4. 債務返済支援保険:任意加入(希望する場合は追加費用必要)
登記関連費用
1. 抵当権設定登記費用:司法書士報酬と登録免許税
2. 登録免許税:借入金額の0.4%
3. 司法書士報酬:10万円前後
4. 登記簿謄本取得費用:数千円程度
諸費用の概算例
借入金額3,000万円の場合の一般的な諸費用例:
1. 融資手数料:60万円程度
2. 保証料:30万円程度(一括払いの場合)
3. 登記費用:25万円程度
4. 火災保険料:3万円程度(年間)
合計:120万円前後(火災保険料は年間費用)
費用節約のポイント
1. 会員向け優遇制度の活用
2. キャンペーン期間中の申込による手数料割引の利用
3. 保証料の支払い方法(一括か分割か)の検討
4. 火災保険の複数社比較検討
地域による違い
各地域のろうきんによって以下の費用が異なる場合があります。
1. 融資手数料の料率
2. 事務取扱手数料の金額
3. 保証料の料率
4. 各種キャンペーン内容
事前に確認すべき事項
1. 諸費用の具体的な金額
2. 支払時期と支払方法
3. 金利優遇条件と適用可能な割引
4. 必要書類の準備費用
5. 各種手数料の減免制度の有無
返済開始後の費用
1. 繰上返済手数料:原則無料
2. 返済条件変更手数料:状況により異なる
3. 固定金利特約切替手数料:必要に応じて発生
4. 残高証明書発行手数料:必要な場合のみ
予備費として準備すべき金額
1. 予想される諸費用の合計額の10%程度
2. 引越し費用や新生活の準備費用
3. 当面の返済資金として3ヶ月分程度
4. 予期せぬ修繕等の緊急時対応資金
ろうきんの住宅ローンの審査基準
ろうきんの住宅ローンは、一般の金融機関と比べて比較的審査基準が緩やかですが、安定した返済を確保するためのいくつかの重要な基準が設けられています。
基本的な審査基準
申込時の年齢は満20歳以上で、完済時の年齢が満80歳以下という条件があります。ただし、完済時年齢の上限は地域によって異なる場合があります。国籍については、日本国籍を持つ方または永住許可を受けている外国籍の方が対象となります。
収入と返済能力に関する基準
給与所得者の場合、前年度の税込年収が150万円以上であることが基本条件となります。安定した収入が見込めることも重要な判断基準です。返済負担率は年収の35%以内に収めることが求められます。一方、自営業者の場合は、3年以上の営業実績があり、確定申告書などで安定した収入を証明できることが必要です。
勤務条件と雇用形態
正社員の場合は1年以上の勤続年数が求められます。契約社員や派遣社員の場合は、現在の職場での勤務実績や契約更新の実績、今後の継続性が重視されます。パートタイムやアルバイトの方は、原則として2年以上の勤務実績があり、今後も継続して勤務できる見込みがあることが求められます。
保証審査について
ろうきん住宅ローンでは、協同住宅ローンなどの保証機関による保証が必要となります。この際、信用情報機関への照会や過去の借入れ返済履歴のチェックが行われます。また、反社会的勢力との関係がないことの確認も行われます。
物件に関する審査
対象となる物件は、本人または家族が居住する住宅であることが基本条件です。投資用物件は原則として対象外となります。物件の立地条件や価値についても審査が行われ、適正な評価額であることや、担保価値として十分であることが確認されます。
健康状態の確認
団体信用生命保険の加入が必要となるため、健康状態についての審査も行われます。持病がある場合は正確な告知が必要です。健康状態により保険加入が難しい場合は、代替案を検討することになります。
審査のポイントと有利な要素
審査では、収入の安定性や他の借入金の返済状況、資金計画の妥当性などが総合的に判断されます。労働組合員や共済会会員であること、長期勤続の実績があること、安定した収入履歴があることなどは、審査上有利な要素となります。また、十分な頭金を準備していることや、配偶者の収入がある場合も、審査にプラスの影響を与えます。
審査期間と手続きの流れ
審査は仮審査と本審査の2段階で行われ、通常1ヶ月程度の期間を要します。仮審査では約1週間、本審査では2~3週間、保証審査では1~2週間程度の時間がかかります。この期間は申込状況や提出書類の準備状況によって変動する可能性があります。
これらの審査基準は、借入れを希望する方の返済能力を適切に評価し、無理のない返済計画を立てるために設けられています。審査基準を満たすことで、より安定した住宅ローンの利用が可能となります。
ろうきんの住宅ローンを借りるまでの流れや必要書類
ろうきんの住宅ローンを借りるまでの流れは、相談から融資実行まで複数のステップがあります。各段階で必要な手続きと書類について詳しく解説します。
事前相談と仮審査の段階
最初のステップは、ろうきんの窓口での事前相談です。この段階では、住宅取得の計画や資金計画について相談し、借入れの概要を固めていきます。事前相談の際には、本人確認書類(運転免許証等)と収入証明書(源泉徴収票等)があれば、おおよその借入可能額を確認することができます。
仮審査申込時の必要書類
仮審査の申込みでは、基本的な本人情報と収入状況を確認するための書類が必要となります。具体的には、本人確認書類、収入証明書、労働組合員証や共済会会員証(会員の場合)、住民票などが求められます。この段階で、おおよその借入れ条件が判断されます。
物件選びと売買契約
仮審査の承認後、具体的な物件選びに入ります。物件が決まったら、不動産業者との売買契約を締結します。この際、物件の登記簿謄本、売買契約書、建物の図面などの書類が必要となります。これらは本審査の際にも使用される重要な書類となります。
本審査申込時の必要書類
本審査では、より詳細な審査が行われるため、追加の書類が必要となります。給与所得者の場合は、直近の給与明細書、勤務先の在職証明書、過去2年分の源泉徴収票が必要です。自営業者の場合は、確定申告書と所得証明書の提出が求められます。また、物件関連書類として、不動産売買契約書、建物の図面、土地・建物の登記簿謄本なども必要となります。
保証審査の手続き
ろうきん住宅ローンでは、保証機関による保証が必要となります。保証審査のために、保証会社所定の申込書類や収入証明書などの提出が求められます。この際、配偶者がいる場合は配偶者の収入証明書なども必要となる場合があります。
融資決定後の手続き
融資が決定すると、ローン契約の締結に向けた手続きが始まります。この段階では、火災保険の加入証書、団体信用生命保険の申込書、印鑑証明書、実印などが必要となります。また、融資実行時には、各種手数料や保証料の支払いも発生します。
住宅取得に関する追加書類
新築住宅の場合は、建築確認済証、工事請負契約書、建築図面などが必要です。中古住宅の場合は、建物状況調査報告書(インスペクション報告書)や耐震診断結果などが求められる場合があります。マンションの場合は、管理規約や修繕積立金の証明書なども必要となります。
融資実行までの期間
事前相談から融資実行まで、通常1~2ヶ月程度の期間が必要です。ただし、物件の引き渡し時期や書類の準備状況によって、この期間は変動する可能性があります。特に建築中の物件の場合は、工事の進捗状況に応じて融資実行の時期が調整されます。
注意点とアドバイス
書類の準備には時間がかかることがあるため、早めの準備が推奨されます。特に在職証明書や住民票などは発行に時間を要する場合があります。また、書類の有効期限にも注意が必要で、概ね発行から3ヶ月以内の書類が求められます。不明な点があれば、担当者に確認することで、スムーズな手続きを進めることができます。
協同住宅ローンとは
協同住宅ローンは、労働金庫(ろうきん)と密接な関係を持つ住宅ローン専門の保証機関です。働く人々の住宅取得をサポートする重要な役割を担っています。以下、その特徴と仕組みについて詳しく解説します。
協同住宅ローンの基本的な役割
協同住宅ローンの主な役割は、ろうきん住宅ローンの保証人となることです。借り手が返済不能となった場合に、協同住宅ローンが代わって返済を行う保証を提供します。これにより、借り手は個人の保証人を立てる必要がなく、より柔軟な住宅ローンの利用が可能となります。
協同住宅ローンを利用するメリット
協同住宅ローンを利用することで、借り手は以下のようなメリットを受けることができます。一般の保証会社と比べて保証料が低めに設定されていること、勤労者の実情に合わせた柔軟な審査基準が適用されること、返済困難時のサポート体制が充実していることなどが特徴です。また、ろうきんとの連携により、スムーズな融資手続きが可能となります。
保証の仕組みと保証料
保証料の支払い方法には、一括払いと分割払いの2種類があります。一括払いの場合は融資時に借入金額の0.2%~1%程度を支払い、分割払いの場合は金利に上乗せされる形で毎月の返済に含まれます。保証料率は借入金額や返済期間によって異なり、会員資格の有無によっても変動することがあります。
審査の特徴
協同住宅ローンの審査は、勤労者の実情を考慮した基準で行われます。正社員だけでなく、契約社員やパートタイム労働者なども、一定の条件を満たせば利用可能です。また、年収基準や勤続年数についても、一般の保証会社と比べて柔軟な対応が特徴です。
返済困難時のサポート
失業や収入減少などにより返済が困難になった場合、協同住宅ローンは借り手の状況に応じた返済計画の見直しをサポートします。返済条件の変更や一時的な返済猶予など、様々な支援策を提供することで、住宅ローンの完済までをバックアップします。
利用可能な対象者
協同住宅ローンのサービスは、主にろうきん住宅ローンの利用者が対象となります。労働組合員や共済会会員はもちろん、一般の勤労者でも、勤務先企業がろうきんに加盟している場合は利用可能です。
独自の住宅ローン商品
協同住宅ローンは、保証業務だけでなく、独自の住宅ローン商品も提供しています。これらの商品は、ろうきん住宅ローンを補完する形で、より幅広い借入ニーズに対応することを目的としています。
今後の展望
協同住宅ローンは、働き方の多様化や住宅取得環境の変化に対応し、サービスの拡充を進めています。デジタル化への対応や審査基準の見直しなど、時代のニーズに合わせた取り組みを行っています。これからも勤労者の住宅取得を支援する重要な役割を担っていくことが期待されています。
よくある質問(Q&A)
ろうきん住宅ローンについて、お客様からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
申込資格・条件について
Q:労働組合に入っていませんが、ろうきんの住宅ローンは利用できますか?
A:勤務先企業がろうきんに加盟していれば、労働組合への加入の有無にかかわらず利用可能です。ただし、会員向けの優遇制度は適用されない場合があります。
Q:パートタイム勤務でも借りられますか?
A:はい、一定の条件を満たせば借入れが可能です。具体的には、2年以上の勤務実績があり、今後も継続的な雇用が見込める場合などが条件となります。
Q:年収の条件はありますか?
A:給与所得者の場合、原則として前年度税込年収が150万円以上必要です。ただし、地域によって基準が異なる場合があります。
金利・費用について
Q:金利は全国一律ですか?
A:いいえ、各地域のろうきんによって金利は異なります。また、キャンペーンや優遇制度の内容も地域によって違いがあります。
Q:団体信用生命保険の保険料は別途必要ですか?
A:いいえ、団体信用生命保険料は金利に含まれているため、別途支払いは不要です。
Q:繰上返済の手数料はかかりますか?
A:原則として繰上返済手数料は無料です。ただし、返済方法や時期によって条件が異なる場合があります。
審査・手続きについて
Q:保証人は必要ですか?
A:原則として保証人は不要です。ただし、協同住宅ローンなどの保証機関による保証が必要となります。
Q:審査期間はどのくらいかかりますか?
A:仮審査で約1週間、本審査で2~3週間程度かかります。全体として1ヶ月程度を見込んでください。
Q:インターネットで申し込めますか?
A:多くの場合、インターネットでの完結型申込みには対応していません。窓口での相談が必要となります。
返済について
Q:最長の返済期間は何年ですか?
A:最長35年までの返済期間を設定できます。ただし、完済時の年齢が80歳以下という条件があります。
Q:返済が困難になった場合のサポートはありますか?
A:はい、失業や収入減少時には返済条件の変更など、様々な支援制度があります。早めにご相談ください。
借換えについて
Q:他の金融機関からの借換えは可能ですか?
A:はい、一定の条件を満たせば借換えは可能です。借換えによって返済負担を軽減できる場合があります。
物件について
Q:中古物件も対象になりますか?
A:はい、中古物件も融資の対象となります。ただし、築年数や物件の状態によって審査基準が異なります。
Q:店舗併用住宅は対象になりますか?
A:居住部分が50%以上であれば対象となる場合があります。ただし、審査基準は一般の住宅より厳格になります。
Q:マンションの購入にも利用できますか?
A:はい、新築・中古を問わず、マンションの購入にも利用できます。管理規約や修繕積立金などの確認が必要です。
以上の質問は一例です。具体的な条件や詳細については、お近くのろうきん窓口でご確認ください。
まとめ
ろうきん住宅ローンは、労働者のための非営利金融機関ならではの特徴を活かした、利用価値の高い住宅ローン商品です。特に会員であれば、低金利や各種手数料の優遇など、多くのメリットを享受できます。ただし、エリアによって条件が異なる点には注意が必要です。マイホーム購入をお考えの方は、一般の金融機関と比較検討しながら、ご自身に最適な住宅ローンを選択することをお勧めします。
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会社名
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代表者
:渡辺知光
本社
所在地:〒104-0045 東京都中央区築地2-15-15 セントラル東銀座1002
アクセス
:地下鉄日比谷線築地駅より徒歩3分
:地下鉄日比谷線都営浅草線東銀座駅より徒歩3分