housemarriage

借金がある状況で住宅ローンの審査に通りやすくためのポイント

家づくりの予算・費用

2024/12/26

2024/12/26

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

借金がある状況で住宅ローンの審査に通りやすくためのポイント

借金があっても住宅ローンの審査に通る可能性は十分にあります。本記事では、借金がある状態で住宅ローンの審査を通過するためのポイントを詳しく解説します。適切な準備と対策を行うことで、マイホーム購入の夢を実現させましょう。

ローンと借金の違い

ローンと借金は一般的に混同されがちですが、その性質や目的、金融機関からの評価において大きな違いがあります。以下で詳しく解説していきます。

ローンの特徴

ローンは計画的な借入を特徴とし、主に以下のような性質を持ちます。返済計画が明確で、資産形成や生活向上など、将来的な価値を生み出すための借入として位置づけられています。住宅ローンや自動車ローン、教育ローンなどが代表的な例です。

特に住宅ローンの場合、不動産という担保があるため、金融機関にとってもリスクが比較的低い融資となります。そのため、金利も他の借入と比べて低く設定されており、長期の返済計画を立てやすいという特徴があります。

借金の特徴

一方、借金は返済計画が不明確な借入を指すことが多く、主に緊急の出費や生活費の補填など、消費的な用途に使われることが特徴です。カードローンやキャッシング、消費者金融からの借入などが該当します。これらは無担保での借入が一般的で、金利も比較的高めに設定されています。

金融機関からの評価の違い

金融機関は、ローンと借金を異なる観点で評価します。ローンは将来的な資産形成や生活の質の向上につながる前向きな借入として評価される一方、借金は返済能力や信用力の判断において慎重な審査対象となります。

返済における違い

ローンは通常、毎月の返済額が一定で、返済期間も明確に設定されています。対して、借金(特にカードローン等)は、利用限度額の範囲内で借入と返済を繰り返すリボルビング方式が多く、返済期間が不定期になりやすい特徴があります。

金利設定の違い

ローンは一般的に低金利で、特に住宅ローンは年利1〜3%程度に設定されています。一方、借金(消費者金融等)は、貸金業法の上限金利である年利15〜20%程度の設定が一般的です。この金利の違いは、担保の有無やリスク評価の違いによるものです。

使途の違い

ローンは使途が明確で、その目的に沿った借入額が設定されます。例えば住宅ローンなら物件価格、教育ローンなら学費に応じた金額となります。これに対し借金は、使途が不特定であることが多く、必要額を上限の範囲内で自由に設定できる傾向にあります。

このように、ローンと借金には明確な違いがあり、特に住宅ローンの審査においては、これらの違いを理解した上で、計画的な資金計画を立てることが重要となります。

借金が住宅ローンの審査に与える影響

借金の存在は住宅ローンの審査において重要な判断材料となります。金融機関は様々な観点から借入申込者の返済能力と信用力を総合的に評価します。以下で具体的な影響について解説していきます。

総借入比率による影響

最も重要視されるのが、年収に対する借入総額の割合(総借入比率)です。一般的に総借入比率が35%を超えると、住宅ローンの審査に通りにくくなります。例えば、年収500万円の場合、既存の借金と新規の住宅ローンを合わせて月々の返済額が14.5万円(年収の35%)を超えると、審査が厳しくなる可能性が高くなります。

借入履歴による影響

過去の借入や返済の履歴も重要な審査項目となります。特に注目されるのは以下の点です。返済の延滞歴がある場合、複数の金融機関から頻繁に借入を行っている場合、または短期間での借入と返済を繰り返している場合は、信用力の面で大きなマイナス評価となります。

借入の種類による影響

借入の種類によって審査への影響度が異なります。例えば、教育ローンや自動車ローンなどの目的が明確な借入は、比較的評価が良好です。一方、消費者金融やカードローンなどの無担保借入が多い場合は、資金計画性の面で懸念材料となり、審査に悪影響を与える可能性が高くなります。

キャッシング利用による影響

クレジットカードのキャッシング機能の利用は、特に注意が必要です。頻繁なキャッシング利用は、資金繰りが悪化している可能性を示唆するものとして、金融機関から厳しい評価を受ける可能性が高くなります。審査直前の利用は特に避けるべきです。

借入件数による影響

借入の件数も重要な判断要素となります。複数の金融機関からの借入がある場合、たとえ総借入比率が基準内であっても、リスク管理の観点から審査が厳しくなる可能性があります。できるだけ借入先を整理・統合することが望ましいとされています。

返済状況による影響

現在の借入に対する返済状況は、将来の返済能力を判断する重要な指標となります。毎月の返済を遅滞なく行っているか、計画的な返済が継続できているかが評価されます。特に、直近1年間の返済状況が重視される傾向にあります。

債務整理歴による影響

過去に自己破産や個人再生などの債務整理を行った経験がある場合、その後の経過年数や現在の返済状況によって評価が大きく変わります。一般的に、債務整理から7年以上経過していることが望ましいとされています。

審査時期に関する影響

既存の借金を完済してからすぐに住宅ローンを申し込むのは避けるべきです。金融機関は、少なくとも半年から1年程度の期間をおいて、安定した返済能力があることを確認したいと考えています。この期間中は新たな借入を避け、着実な資金計画を示すことが重要です。

このように、借金が住宅ローンの審査に与える影響は多岐にわたります。審査を通過するためには、これらの要素を理解した上で、計画的な返済と適切な借入管理を心がけることが重要となります。

住宅ローンの審査に通るためにできること

借金がある状態でも住宅ローンの審査に通過するためには、具体的な対策と準備が重要です。以下で、実行可能な方法を詳しく解説していきます。

既存の借金の整理と返済

まず優先すべきは、既存の借金の整理です。総借入比率を35%以下に抑えることが重要で、特に金利の高い消費者金融やカードローンは可能な限り返済を進めることが望ましいです。具体的には、残高を一本化して金利を下げる借り換えの検討や、返済計画の見直しを行います。

収入面の強化

審査での重要な判断材料となる返済能力を高めるため、収入面の強化が効果的です。本業での昇給・昇格を目指すことはもちろん、副業による収入増加も検討に値します。ただし、副業を始める場合は、住宅ローン申込の最低6ヶ月前には開始し、安定した収入として計上できる状態にしておく必要があります。

頭金の確保

借入額を抑えるために、可能な限り頭金を用意することが重要です。頭金が多いほど借入額が減り、総借入比率の改善につながります。具体的には、物件価格の20%以上の頭金があると、審査での評価が大きく改善される傾向にあります。

職歴・勤続年数の考慮

安定した収入基盤を示すため、現在の職場での勤続年数を伸ばすことが有効です。一般的に、正社員として2年以上の勤続年数があることが望ましく、転職を考えている場合は、住宅ローン審査の後に行うことをお勧めします。

配偶者の収入活用

返済能力を高めるため、配偶者の収入を合算することも検討に値します。特にパートタイム収入でも、勤続年数が2年以上あり、今後も継続して働く意思がある場合は、収入として認められる可能性が高くなります。

新規借入の抑制

住宅ローンの審査を控えている場合、新たな借入は避けるべきです。特に審査の6ヶ月から1年前からは、クレジットカードの利用も必要最小限に抑え、キャッシング利用は絶対に避けることが重要です。

保証人・担保の検討

審査基準を満たすことが難しい場合、保証人を立てることで審査が通りやすくなる可能性があります。特に両親などの収入が安定している保証人がいる場合、金融機関からの評価が改善される傾向にあります。

金融機関の選択

金融機関によって審査基準は異なります。メガバンクだけでなく、地方銀行や信用金庫なども検討し、自身の状況に合った金融機関を選ぶことが重要です。特に、取引実績のある金融機関は、より詳しい情報を基に審査してもらえる可能性があります。

適切な物件選び

返済計画に無理のない物件を選ぶことも重要です。価格の上限を年収の5倍程度に抑えることで、返済負担を適正に保ち、審査での評価も改善されます。また、将来の金利上昇も考慮に入れた購入価格の設定が望ましいです。

事前審査の活用

本審査の前に事前審査を利用することで、審査の可能性を確認できます。事前審査で否決された場合でも、その理由を確認し、改善点を把握することで、本審査までに対策を講じることができます。

これらの対策を総合的に実施することで、借金がある状態でも住宅ローンの審査に通る可能性は大きく向上します。ただし、これらの準備には時間がかかるため、住宅購入の1年前程度から計画的に取り組むことをお勧めします。

よくある質問(Q&A)

住宅ローンの審査に関して、特に借金がある方からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。実践的な対応方法と共に解説していきます。

借金の有無と審査について

Q:借金があると必ず住宅ローンは通らないのですか?

A:必ずしもそうではありません。総借入比率が35%以下であれば、審査に通る可能性は十分にあります。重要なのは、返済が滞りなく行われていることと、収入に対して適切な借入額であることです。

Q:住宅ローン審査前に、借金は完済する必要がありますか?

A:完済は必須ではありません。ただし、総借入比率を35%以下に抑えることが重要です。特に金利の高いカードローンや消費者金融からの借入は、可能な限り返済を進めることをお勧めします。

収入と借入について

Q:年収の何倍まで借りられますか?

A:一般的に年収の5〜6倍が目安となります。ただし、既存の借金がある場合は、総借入比率を考慮して、それより少なめに設定することが望ましいです。

Q:パートの収入は審査に含められますか?

A:条件を満たせば含めることができます。通常、2年以上の継続した勤務実績があり、今後も継続して働く意思がある場合は、収入として認められる可能性が高くなります。

審査のタイミングについて

Q:借金を完済してからどのくらい期間を空ければよいですか?

A:一般的に6ヶ月から1年程度の期間を空けることが望ましいとされています。この期間中は新たな借入を避け、安定した返済能力があることを示すことが重要です。

Q:事前審査と本審査の違いは何ですか?

A:事前審査は概算での審査で、本審査より基準が緩やかです。本審査では、より詳細な収入証明や借入状況の確認が行われます。事前審査に通過しても本審査で否決される可能性もあります。

特殊なケースについて

Q:過去に債務整理をしたことがありますが、住宅ローンは組めますか?

A:債務整理から一定期間(通常7年以上)が経過し、その後の返済履歴が良好であれば可能性はあります。ただし、金融機関によって基準は異なります。

Q:投資用マンションのローンがありますが、住宅ローンは通りますか?

A:投資用物件からの家賃収入が安定している場合、それも収入として計上できる可能性があります。ただし、総借入比率の基準は厳格に適用されます。

保証人と担保について

Q:保証人を立てると審査は通りやすくなりますか?

A:収入が安定している保証人がいる場合、審査での評価は改善される傾向にあります。特に、両親を保証人にする場合は、金融機関から好意的に評価されることが多いです。

Q:持っている不動産を担保にすることはできますか?

A:可能です。ただし、その不動産に既存の抵当権が設定されている場合は、その扱いについて金融機関と相談が必要になります。

金融機関の選択について

Q:審査が通りやすい金融機関はありますか?

A:金融機関によって審査基準は異なります。一般的に、取引実績のある金融機関や、地方銀行・信用金庫は、個々の事情を考慮した柔軟な審査を行う傾向があります。

Q:複数の金融機関に同時に申し込んでもよいですか?

A:可能ですが、同時期に多数の申し込みをすると、それ自体が審査に悪影響を与える可能性があります。2〜3社程度に絞ることをお勧めします。

まとめ

借金があっても、適切な対策を講じることで住宅ローンの審査に通る可能性は十分にあります。重要なのは、総借入比率を適切な水準に保ち、計画的な返済を継続することです。また、安定した収入基盤を確保し、新規借入を控えめにすることで、審査への好印象を与えることができます。マイホーム購入という夢の実現に向けて、計画的な資金計画を立てていきましょう。

なお、当社が提供している「housemarriage」では、住宅コンシェルジュが理想の家づくりのサポートとして、住まいを探す上で重要なハウスメーカーや工務店の営業担当者とのマッチングサポートをさせていただきます。住宅購入の資金計画の相談・作成や、相性良く親身になってくれる「営業担当者」をご紹介します。家づくりに関して少しでも不安を感じるようであれば、お問い合わせください。

サービスについて
詳しく知りたい方はこちら

この記事のタグ

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

運営会社情報

  • 会社名

    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

  • 代表者

    :渡辺知光

  • 本社
    所在地

    :〒104-0045 東京都中央区築地2-15-15 セントラル東銀座1002

  • アクセス

    :地下鉄日比谷線築地駅より徒歩3分

    :地下鉄日比谷線都営浅草線東銀座駅より徒歩3分

housemarriage(住宅営業担当者とのマッチングサービス)についてご紹介します