扶養者の収入を住宅ローンに合算する際の重要なポイントを解説
家づくりの予算・費用
2024/12/26
2024/12/26
住宅ローンの借入れに際して、主たる借入れ人の収入に加えて扶養者のアルバイト収入を合算することで、より多くの融資を受けられる可能性があります。しかし、その際には重要な注意点があり、すべての収入が合算対象となるわけではありません。本記事では、扶養者の収入を住宅ローンに合算する際の重要なポイントについて解説します。
目次
住宅ローンの収入合算の対象外となるケース
住宅ローンの借入れにおいて、すべての収入が合算対象となるわけではありません。金融機関は収入の安定性と継続性を重視するため、様々な対象外となるケースが存在します。以下では、主な対象外となるケースについて詳しく解説します。
勤務形態による対象外ケース
日雇い労働やスポット的な単発バイト収入は、その不安定な性質から対象外となります。また、契約期間が3ヶ月未満の短期アルバイトや、季節限定の労働も、継続性が見込めないため合算対象外となることがほとんどです。在宅ワークやクラウドソーシングによる収入も、安定性の観点から対象外となるケースが多くなっています。
収入形態による対象外ケース
贈与や相続による一時的な収入は、継続的な収入ではないため対象外です。また、株式の売買益や暗号資産による収入なども、その変動性の高さから通常は対象外となります。さらに、賞金や懸賞金などの一時的な収入も、安定収入とは見なされないため対象外です。
申告状況による対象外ケース
確定申告を行っていない収入や、申告期間が1年未満の収入は対象外となります。また、所得証明書類が適切に整っていない場合や、源泉徴収票が発行されていない収入についても、合算対象として認められません。特に個人事業主の場合、開業後2年未満の収入は対象外となることが一般的です。
年齢や健康状態による対象外ケース
定年退職後の再雇用による収入や、65歳以上の高齢者の収入は、多くの金融機関で対象外となります。また、重度の持病がある場合や、傷病手当金などの一時的な給付金も、将来の安定性という観点から対象外となることがあります。
ペアローンの注意点
ペアローンとは、夫婦や親子などの複数名で住宅ローンを組む方法です。それぞれが借入人となることで借入可能額を増やすことができますが、いくつかの重要な注意点があります。以下、詳しく解説していきます。
ペアローンの基本的な仕組み
ペアローンでは、それぞれが独立した借入人として扱われ、各自の収入に応じて審査が行われます。借入額の分担比率は、収入比率に応じて設定されるのが一般的です。例えば、年収600万円の配偶者Aと年収400万円の配偶者Bの場合、借入比率は6:4となることが多くなっています。
金融機関による審査のポイント
金融機関は両者の年齢、職業、収入、借入残高、返済実績などを総合的に審査します。特に年齢については、完済時の年齢制限(多くの場合70歳または75歳)があるため、親子でペアローンを組む場合は要注意です。また、一方の信用情報に問題がある場合、ペアローンそのものが組めなくなる可能性があります。
税金面での影響
住宅ローン控除は、原則として借入額の比率に応じて按分して適用されます。ただし、控除額の上限は合算されるわけではありません。また、持分比率と借入比率が一致していない場合、税務上の問題が生じる可能性があるため、専門家への相談が推奨されます。
返済に関する責任
ペアローンの場合、それぞれが独立した債務者となるため、一方が返済不能になった場合でも、他方は自身の借入分を完済する義務があります。離婚や死亡などのリスクも考慮に入れ、返済計画を立てる必要があります。特に収入が不安定な場合は、団体信用生命保険への加入を検討することが望ましいでしょう。
住宅ローンの収入合算に関するよくある質問(Q&A)
住宅ローンの収入合算やペアローンについて、申込者からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。実務的な判断の参考としてご活用ください。
収入合算の基本的な疑問
Q: 収入合算できる家族の範囲は?
A: 原則として同居する配偶者、親、子が対象となります。兄弟姉妹は同居していても原則として対象外です。ただし、金融機関によって基準が異なる場合があります。
Q: 収入合算の上限額はありますか?
A: 主たる借入人の年収に対して、合算できる収入額に上限を設ける金融機関があります。一般的には主たる借入人の年収の50%までという基準が多いです。
Q: パートやアルバイトの収入は全額合算できますか?
A: 勤続年数や雇用形態によって合算できる割合が変わります。一般的に1年以上の勤務実績がある場合、収入の50~100%が合算対象となります。
必要書類に関する疑問
Q: 収入合算に必要な書類は何ですか?
A: 源泉徴収票(2年分)、住民票、課税証明書、給与明細(直近3ヶ月分)、雇用契約書などが必要です。パート・アルバイトの場合は勤務証明書も求められます。
Q: 確定申告をしている場合の必要書類は?
A: 確定申告書と所得証明書(2年分)、収支内訳書または決算書が必要です。事業所得がある場合は、帳簿などの追加書類を求められることがあります。
審査に関する疑問
Q: 扶養に入っていても収入合算は可能ですか?
A: 可能です。ただし、合算による扶養喪失の可能性があるため、税金や社会保険料の負担増加を考慮する必要があります。
Q: 収入合算とペアローン、どちらが審査は通りやすいですか?
A: 一般的に正社員同士の場合はペアローン、片方がパート収入の場合は収入合算の方が通りやすい傾向にあります。ただし、個別の状況により判断が異なります。
将来に関する疑問
Q: 退職や転職の予定がある場合は収入合算できますか?
A: 近い将来に退職や転職の予定がある場合は、その旨を金融機関に申告する必要があります。状況によっては合算が認められない可能性があります。
Q: 収入合算後に収入が減った場合はどうなりますか?
A: ローン契約後の収入減少自体は契約に影響しませんが、返済が困難になった場合は早めに金融機関に相談することが推奨されます。
特殊なケースの疑問
Q: 年金収入は合算できますか?
A: 老齢年金は一般的に合算可能です。ただし、年齢制限や合算できる割合に制限がある場合があります。障害年金や遺族年金は金融機関によって判断が分かれます。
Q: 派遣社員の収入は合算できますか?
A: 可能です。ただし、一般的に2年以上の勤務実績が必要で、契約期間が1年以上残っていることが条件となることが多いです。
Q: 外国人の配偶者の収入は合算できますか?
A: 永住者や特別永住者であれば可能です。その他の在留資格の場合は、在留期間や在留資格の種類によって判断されます。
まとめ
扶養者の収入を住宅ローンに合算する際は、収入の安定性や継続性が重要なポイントとなります。単発的な収入や不安定な収入は合算が難しく、1年以上の継続的な就業実績が求められます。また、ペアローンを検討する場合は、扶養関係の解消による影響も考慮に入れる必要があります。いずれの場合も、事前に複数の金融機関に相談し、自身の状況に最適な方法を選択することが賢明です。
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