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親子リレーローンとは?その内容やメリットとデメリットを解説

家づくりの予算・費用

2023/08/24

2023/09/26

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

親子リレーローンとは?その内容やメリットとデメリットを解説

家を購入するというのは、人生の大きな決断の一つ。だからこそ、どんな支払い方法が自分に最適なのかよく考えたいものです。親子リレーローンとは、親と子が力を合わせて住宅ローンを組むという方法です。この方法の魅力は、互いに協力しながら夢のマイホームを手に入れることができる点にあります。その独特な仕組みと利点、そして注意すべきポイントについて、詳しく見てみましょう。

なお、当社が提供している「housemarriage」では、住宅コンシェルジュが理想の家づくりのサポートとして住宅購入の予算計画からご相談を承っております。サービス詳細は以下をご参照ください。

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親子リレーローンとは

親子リレーローンとは、親と子が連携し、1つの住宅ローンを契約し、将来的にその返済を親から子へ引き継ぐ仕組みを指します。この特殊なローンは、特に親と子が同居する住宅を購入する際や、双方の収入だけでは個別にローンを組むことが難しい場合に活用されることがあります。

「親子ペアローン」という言葉も存在しますが、注意が必要です。この言葉は親子で一緒に住宅ローンを組む際に使われますが、内容は異なります。詳細については以下の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。

ペアローンとはどんな人に向いている?概要やメリット、デメリットを解説

親子リレーローンを利用するためには、いくつかの要件を満たす必要があります。これは金融機関によって異なる場合がありますが、一般的には現在同居しているか、将来同居予定であることが求められます。また、親子双方に収入があり、連帯債務者または連帯保証人になること、申込時の親の年齢が70歳未満などが要件として挙げられます。ただし、利用条件は金融機関ごとに異なるため、契約前に事前に確認することが大切です。

親子リレーローンのメリット

親子リレーローンを利用するメリットはいくつかあります。以下に3つの主なメリットをご紹介します。

借入可能金額が増える

親子リレーローンは、親と子が協力してローンを組むことによって、通常の個別の借入よりも高額な融資を受けることができるという特徴があります。特に二世帯住宅などでは建築資金が高額になることが多いため、より大きな借入金額が必要となることがあります。その際、親子が協力することで、必要な資金を確保しやすくなる点が大きな魅力です。

高齢の親でも返済期間に余裕が持てる

親子リレーローンを利用する際、親の年齢による返済期間の制約が緩和されるという利点があります。私としては最大のメリットだと思います。通常、住宅ローンの返済期間は年齢に応じて制限があり、完済年齢の上限は80歳と定められています。そのため、65歳の人は35年ローンを組むことができません。しかし、親子リレーローンでは子供が30歳の場合はその年齢を基準にするため、親の年齢制限の上限が満70歳に引き上げられ、35年ローンも組むことができます。これにより、親の年齢にかかわらず、返済期間を確保しやすくなります。金融機関にもよりますが、例えばフラット35の場合は子供の年齢が70歳未満であれば、親の年齢は不問になります。

住宅ローン控除の恩恵を受けられる

親子リレーローンの利点の一つとして、親と子それぞれが支払った分の住宅ローン控除を受けることができる点が挙げられます。これにより、支払った金額に応じた節税効果を享受することが可能です。それぞれの収入や支払いに合わせて最大限の控除を受けることで、経済的な負担を軽減することができます。

親子リレーローンのデメリット

親子リレーローンには多くのメリットがありますが、同時に考慮すべきデメリットも存在します。以下にその主なデメリットを紹介します。

住宅ローン破産の可能性がある

親子リレーローンは通常の単独の住宅ローンよりも融資額が大きくなることがあり、親子双方がローンを抱えるため、万が一の事態に備えることが難しい場合があります。家計の変化や支出の増加などがあった場合、支払いの困難が生じる可能性があり、通常の住宅ローンよりも破産のリスクが高まることが考えられます。

名義変更や解消が難しい

親子リレーローンは、ローンの返済中に親や子が別居したり、新たな状況に合わせて家を建てたいと思った際に、ローンの解消や名義変更が難しいという特徴があります。これにより、柔軟なライフスタイルの変更ができないという制約を受ける可能性があります。

持分の調整の必要性と贈与税のリスク

親子リレーローンの場合、住宅ローンの返済負担割合と住宅の所有権割合が一致している必要があります。しかし、この持分の調整が適切に行われないと、不動産の贈与とみなされる可能性があります。負担割合と所有権割合のズレにより贈与税が発生する可能性があるため、注意が必要です。

親子双方の資産状況を将来の相続を考えた上で持ち分を決めてください。

相続に関するトラブルのリスク

親子リレーローンで購入した住宅には抵当権が設定されるため、同居する子供の相続権が限定されることがあります。共有名義の場合、親の持分が相続の対象となることで、相続に関するトラブルが発生する可能性があります。

親の相続時の財産分与も視野に入れた住宅ローン対策を是非行いましょう。

他のローンの制約

親子リレーローンを組むと、既に住宅ローン契約をしている状態になります。住宅ローンは原則として1世帯につき1つの契約となる為、親子リレーローンを組んでいる場合、別の住宅ローンを組むことが難しくなる可能性があります。

親子リレーローンの注意点

親子リレーローンは慎重に検討すべき決断です。解消や変更が難しい特性を持つため、利用前に注意深く考慮する必要があります。以下に親子リレーローンを利用する際の注意点を紹介します。

十分な検討が必要

親子リレーローンは解消や変更が難しいため、利用を検討する際には慎重に判断することが重要です。将来のライフプランや経済的な変化を考慮し、十分な検討を行うことが後悔を避けるための第一歩です。

過度な借入額は避ける

家を購入するためには借入が必要ですが、無理なく返済できる範囲内で借入額を設定することが大切です。理想の住宅を購入するために過度な借入を行うと、将来の家計に負担をかける可能性があります。家族構成や生活状況の変化を考慮して、返済が困難にならない範囲で計画を立てましょう。

借入可能額と返済可能額の認識の違いに注意

住宅ローンの借入可能額と実際に返済可能な額は異なることがあります。将来的な収入の変化や支出の増加などにも柔軟に対応できるよう、返済計画を話し合う際にはこの点を考慮しましょう。

ライフプランの変化に対応できる計画を立てる

将来的なライフプランの変化に備えて、親子リレーローンの利用を検討する際には柔軟な計画を立てることが重要です。結婚や出産、子供の進学などによる収入や支出の変化にも対応できるように、返済プランを工夫しましょう。

金融機関との相談を重視する

親子リレーローンの条件や要件は金融機関によって異なる場合があります。利用を検討する際には、金融機関との相談を重視し、具体的な条件やリスクを詳しく確認することが大切です。

親子リレーローンを利用する際には、慎重な計画と確実な情報収集が不可欠です。将来の安定した住宅購入と返済を実現するために、自身や家族の状況に合った選択をすることをおすすめします。

まとめ

親子リレーローンの利用には、慎重な検討と計画が不可欠です。将来の家計の安定と返済の確保を考えながら、メリットとデメリットをバランス良く評価することが大切です。金融機関との相談や具体的な条件の確認を通じて、最適な選択をすることをオススメします。

また、親子リレーローンの他にもローンの選択肢はあります。家の購入は人生の中でも大きなイベントです。そのため、多くの選択肢の中から検討を重ねて後悔のない選択をしましょう。下記記事で他のローンや住宅ローンに関して解説していますので、ぜひご覧ください。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

運営会社情報

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    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

  • 代表者

    :渡辺知光

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