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住宅ローンの連帯債務とは?仕組みやメリット・デメリット、連帯保証型との違いを解説

家づくりの予算・費用

2023/09/25

2023/09/26

記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

住宅ローンの連帯債務とは?仕組みやメリット・デメリット、連帯保証型との違いを解説

住宅ローンの借り入れを検討している方々にとって、連帯債務型住宅ローンは一つの魅力的な選択肢となります。この記事では、連帯債務型住宅ローンに焦点を当て、その仕組みやメリット、デメリット、さらに連帯保証型との違いについて詳しく解説します。住宅ローンにおける連帯債務型の利用時のポイントを理解することで、賢明な資金計画を立てることができるようになります。また、ペアローンとの比較も通じて、適切な選択ができるようになります。

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住宅ローンの連帯債務とは

連帯債務型住宅ローンは、家族や夫婦などの双方が借り入れに同意し、責任を共有する住宅ローンの形態です。このローンの特徴は、一方が主債務者となり、もう一方が連帯債務者として、1つの住宅ローン契約を締結する点にあります。

例えば、夫の単独の収入では、希望する住宅ローンの額を借り入れるのが難しい場合があります。この際、夫が主債務者となり、もう一方である妻が連帯債務者として契約すれば、夫妻の収入を合算でき、希望の借入額を実現できるかもしれません。

連帯債務の場合、返済義務は連帯債務者間で均等に分担されます。債権者(通常、金融機関)は、返済を要求する際に、主債務者にのみ求めることもできれば、連帯債務者それぞれに異なる額を要求することも可能です。例えば、夫にのみ返済を求めたり、妻にのみ返済を求めたり、両者に均等に返済を求めることができます。

この連帯債務型住宅ローンの仕組みには、様々なメリットやデメリットが存在します。それぞれを詳しく探求していきましょう。

住宅ローンの基本について、下記記事でも解説していますので、ぜひご覧ください。

住宅ローンとは?基礎知識から住宅ローンを組む際に失敗しないためのポイントをご紹介

住宅ローンの資金計画に関する疑問を解決!マイホーム購入前に知っておくべき資金計画のポイントとは

連帯債務型住宅ローンのメリット・デメリット

連帯債務型住宅ローンを利用することには、さまざまなメリットとデメリットが存在します。これらを理解し、賢く活用することが重要です。

メリット

借入額が増える

住宅ローンを借り入れる際、単独の収入だけでは希望の条件を満たせない場合でも、夫婦や親子など複数の収入を合算することで、借入額を増やすことができます。これにより、理想の住宅を手に入れるチャンスが広がります。

それぞれ住宅ローン控除を受けることができる

連帯債務者は、住宅ローン債務に対して主債務者と同等の返済義務を負います。そのため、連帯債務者が所定の条件を満たしていれば、それぞれが住宅ローン控除を利用できます。住宅ローン控除を活用することで、年末ローン残高の0.7%が所得税から控除され、経済的な負担を軽減できます。なお、所得税からの控除が不十分な場合、住民税から税額が控除されることもあります。

諸費用を抑えられる

連帯債務型住宅ローンは1つの契約として扱われます。そのため、契約に関連する印紙代や事務手数料などの諸費用が、1つの契約に対してのみ発生します。これにより、諸費用を効果的に削減することができます。

デメリット

連帯債務者が休業や入院をした場合でも返済が免除されない

例えば、産休中の妻や入院中の夫など、不測の事態が発生しても、連帯債務型住宅ローンの返済が自動的に免除されるわけではありません。住宅ローン契約時に、積み立てや保険などを通じて、予期しない支出や経済的なリスクに備えることが重要です。

団信には主債務者または連帯債務者のどちらかしか加入できない

連帯債務型住宅ローンでは、主債務者または連帯債務者のどちらか一方しか、団信(団体信用生命保険)に加入できません。そのため、万が一団信に加入していない方に不慮の出来事があった場合、住宅ローンの返済は続行され、かつ世帯年収の一部が失われる可能性があります。不慮の出来事に備え、団信に代わる保険を検討することが重要です。なお、一部の金融機関では、団信に2人同時に加入することが出来ますが、金利が上乗せになります。

離婚した場合でも連帯債務者の返済義務はなくならない

連帯債務型住宅ローンを使用している夫婦が離婚した場合でも、住宅ローンの返済義務はどちらの連帯債務者にもなくなるわけではありません。連帯債務型住宅ローンでは、夫婦間で出し合った割合に基づいて共有名義となり、離婚しても連帯債務者から外れることは難しい場合があります。

これらのメリットとデメリットを踏まえ、連帯債務型住宅ローンを活用する際には慎重に計画を立てることが大切です。また、予期せぬ出来事に備えるために、適切な保険や貯蓄を検討することも必要になってきます。

連帯債務型住宅ローンを利用する際の注意点

連帯債務型住宅ローンを利用する際には、以下の注意点をしっかりと把握し、計画的に進めることが大切です。

連帯債務者には安定した収入が必要

連帯債務者は、主たる債務者と同等の住宅ローンの返済義務を負います。したがって、金融機関は連帯債務者の返済能力を重要視します。非正規雇用の場合、パートタイム労働者や派遣社員などは連帯債務者になりにくいことがあります。連帯債務者として認められるためには、安定した収入源が必要です。

連帯債務型住宅ローンを取り扱っている金融機関は限られている

連帯債務型住宅ローンは全ての金融機関で取り扱われているわけではありません。主に都市銀行や地方銀行、一部のフラット35にて提供されています。したがって、希望する金融機関によっては、連帯債務型住宅ローンを契約できない場合があります。特に住宅ローン金利が低いネット銀行などは連帯債務型の取扱いが少ないことがあります。

贈与税がかかることがある

連帯債務型住宅ローンでは、「住宅登記上の所有権割合」と「実際の返済負担割合」がかけ離れている場合、贈与税の課税対象になる可能性があります。住宅の所有権割合と収入差が大きい場合、贈与税が発生する可能性があるため、注意が必要です。贈与税には基礎控除があるため、年間の返済金額が一定以下であれば贈与税はかからないことがあります。

借り換え難易度が高くなる

夫婦で連帯債務型住宅ローンを借りている場合、将来的に借り換えを考える際の難易度が高くなります。夫婦の働き方はライフステージに応じて変化することが多く、借り換え時の年齢や収入の増減、働き方の変更があるかもしれません。そのため、借り換え時に世帯収入が減少すると、審査に通らない可能性があるため、慎重な計画が必要です。

離婚して家に住まなくなっても返済義務が残る

連帯債務型住宅ローンを利用している夫婦が離婚した場合でも、住宅ローンの返済義務はどちらも残ります。離婚後、どちらかが家を出るか、家を売却することが一般的ですが、連帯債務型住宅ローンの場合、返済義務は両方の連帯債務者にとって残ります。離婚した場合、連帯債務者から外れることはできず、住宅の共有名義を変更することも難しい場合があります。再婚して新しく家づくりを検討したくても今までの住宅ローンが足かせとなるケースも。離婚の可能性を考慮して、契約前によく話し合い、将来のシナリオを想定することが重要です。

これらの注意点を踏まえ、連帯債務型住宅ローンを検討する際には、自身やパートナーの収入状況、将来のライフプランを十分に考慮し、計画的に進めることが大切です。また、金融機関の選定や贈与税の対策についても注意が必要です。

連帯保証型、ペアローンとの違い

他のよく似た住宅ローンの選択肢として、連帯債務型住宅ローンに加えて、連帯保証型住宅ローンとペアローンがあります。これらの選択肢の違いについて理解しましょう。

連帯保証型住宅ローン

連帯保証型住宅ローンは、連帯債務型とは異なります。こちらでは、債務者が住宅ローンの債務を直接負うのではなく、連帯保証人として住宅ローンの債務を保証します。つまり、住宅ローンの借り主(主債務者)が返済できなくなった場合、連帯保証人がその債務を肩代わりする仕組みです。

連帯保証型住宅ローンを選ぶ際の特徴は以下の通りです:

債務の負担は主債務者が優先的にあります。連帯保証人は主債務者が返済できない場合に責任を負います。

連帯保証人は、通常、主債務者の配偶者や家族が選ばれます。

住宅ローン契約自体は主債務者が行い、連帯保証人は債務保証の役割を果たします。

ペアローン

ペアローンは、二人がそれぞれ別々の住宅ローンを組み、お互いの住宅ローンの連帯保証人となる方法です。連帯債務型とは異なり、各個人が個別に契約を結びます。

ペアローンを選ぶ際の特徴は以下の通りです:

各個人が独立して住宅ローンを契約し、返済義務を負います。したがって、契約の数は2つになります。

それぞれの契約において、個別の連帯保証人が存在し、返済能力に関する責任が明確に分かれます。

団信などの保険についても、個別に契約を行う必要があります。

これらの違いを理解して、自身やパートナーとの状況に最適な住宅ローンの選択を検討しましょう。選択肢にはそれぞれメリットとデメリットがあり、個々のニーズに合ったものを選ぶことが重要です。

ペアローンに関しては、下記記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

ペアローンとはどんな人に向いている?概要やメリット、デメリットを解説

連帯債務型の住宅ローンがおすすめな人

連帯債務型の住宅ローンは、特定のシチュエーションに適しており、以下のような人々におすすめです。

1人の収入では希望の借入額に達しない人

連帯債務型住宅ローンは、お互いの収入を合算することで、借入額を増やすことができます。単独では希望の住宅ローン額に届かない場合、パートナーと連帯債務型を選ぶことで、希望通りの住宅を手に入れるチャンスが広がります。過去に婚約中の方が家づくりを検討して金融機関にローン相談したケースがありました。入籍はまだ先だったのですが、住宅完成までに入籍すれば連帯債務で借入可能と回答されたことがありました。

それぞれで住宅ローン控除を受けたい人

連帯債務型住宅ローンでは、連帯保証型住宅ローンとは異なり連帯債務者と主債務者が同等の返済義務を負うため、どちらも住宅ローン控除の条件を満たしていれば、それぞれが住宅ローン控除を利用できます。税金の面でメリットを享受したい夫婦や家族に適しています。

事務手数料などの諸費用の負担を抑えたい人

連帯債務型住宅ローンは1つの契約とみなされ、それに伴う諸費用(事務手数料など)が1契約分で済みます。したがって、諸費用を節約しながら住宅ローンの借入を増額したい人に適しています。一方、ペアローンの場合は2つの別々の契約となるため、諸費用が2人分必要になります。

これらの条件に当てはまる場合、連帯債務型の住宅ローン契約が理想的であるかもしれません。しかし、選択肢を検討する際には、個々の状況やニーズに応じて最適な住宅ローンを選ぶことが大切です。

まとめ

連帯債務型住宅ローンは、1つの住宅ローン契約で2人の収入を合算し、借入額を増やすことができる便利な商品です。その利点として、借入額の増加、住宅ローン控除の受け取り、諸費用の節約が挙げられます。しかし、連帯債務型には注意点も存在し、離婚や急激な収入減少に対するリスクがあります。

また、連帯債務型住宅ローンと似たタイプの連帯保証型やペアローンもあるため、個々の状況に合わせて最適な選択肢を検討することが重要です。メリットとデメリットをよく理解し、慎重に計画を立てて住宅ローンを選びましょう。家の購入は生涯の大きな決断の一つであり、慎重な検討が必要です。

家づくりに関して少しでも不安を感じるようであれば、お問い合わせください。

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記事監修者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 渡辺 知光

大学卒業後、積水化学工業に入社し住宅「セキスイハイム」を販売。3年8カ月千葉県内で営業に従事し、営業表彰を6期連続受賞。
途中、母の急死に直面し、自分の将来について悩み始める。結果、大学のゼミで学んだ「保険」事業に実際に携わりたいと思いFP資格を取得して日本生命に転職。4年間営業に従事したが、顧客に対して提供出来る商品がなく退職を決意。FP兼保険代理店を開業する。

収入も顧客もゼロからのスタート。しかも独立直前に結婚し住宅購入した為、返済不安に陥り貯蓄が日々減っていく恐怖を覚える。

人生で初めて家計の見直しを行い、根本的な改善により失敗と不安を減らすコツを発見。自分の経験を生かしお客様が同じ道を歩まないよう伝えるべく「マイホーム検討者向けFP」として活動中。

運営会社情報

  • 会社名

    :有限会社ティーエムライフデザイン総合研究所

  • 代表者

    :渡辺知光

  • 本社
    所在地

    :〒104-0045 東京都中央区築地2-15-15 セントラル東銀座1002

  • アクセス

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