総二階とは?メリットやデメリット、総二階の家づくりをする際のコツやおすすめの間取りを解説
間取り・住宅の特徴
2024/04/15
2024/04/15
総二階の家は土地効率と居住空間の広さを両立させる魅力的な選択肢です。しかし、一般的な自由設計と異なり設計上幾つか注意点があります。
この記事では、総二階のメリット・デメリット、建設時に考慮すべきポイント、そして実際の間取り事例に焦点を当てて詳しく解説します。これから家づくりを考えている方にとって、この記事がより良い家づくりへの第一歩になるでしょう。
目次
総二階の家とは?他の家の作りとの違い
総二階の家とは、1階と2階の床面積がほぼ同じで構成されている住宅スタイルです。この総二階住宅は、二世帯住宅やビルトインガレージハウスでもよく見られます。一般に、外観はシンプルで凹凸が少なく、正方形や長方形の形状が多いです。
この住宅形態になるケースとしては、計画段階で「総二階にしよう」と決めるよりも、建設過程で自然に総二階になるケースが多いです。特に、土地が狭い場合や駐車場の確保が難しい状況では、床面積を効率よく確保するためにこの形態を選ぶことが一般的です。
他の主な住宅形態と比較すると、平屋住宅は1階だけで全ての生活空間が確保され、バリアフリーを容易に設計出来ます。これは広い土地を持っている場合には特に適しています。
また、よく見かける一部二階建て住宅は、1階が広く2階が相対的に狭い設計になっており、1階にリビングやダイニング、2階に寝室などを配置するケースが多く見られます。
平屋を立てる際に参考にして頂きたい記事も掲載しておりますのでぜひご御覧ください。
総二階のメリット
総二階の家をつくることには、以下のようなメリットがあります。
コストの効率化
総二階の家は、外観に凹凸が少ないシンプルなデザインなので、基礎、屋根、壁などに使う材料とその施工費が格段に安くなります。例えば、カーブや複雑な形状がないため、標準的な板材や石材で済む場合が多く、これらが全体のコスト削減につながります。
例えば総二階住宅と同じ建築面積の平屋住宅を建築した場合、平屋住宅は基礎面積や屋根面積が二倍になりますし、間取りにもよりますが廊下を長く設ける必要があります。
工期の効率化
1階と2階が同じ平面構造であるため、建築工事作業が簡素化されます。このおかげで、例えば2階の屋根建築が終われば、1階部分含めて雨にさらされる機会が減りますので、天候による作業中断の機会が減り工程通りが迅速に進行し、工期が短縮されることが一般的です。
高い耐震性・耐久性
バランス良く配置された1階と2階は、通し柱を用いることで建物全体の耐震性を高めます。さらに、屋根や壁の表面積が少なくシンプルなカタチなので、台風や大雨などの自然災害からくるダメージにも強いです。
断熱性・気密性の向上
シンプルな構造のおかげで、断熱材や気密シートを一貫して適用しやすいです。その結果、家全体の表面積が小さいので、暖房や冷房の効率が高く、エネルギーコストも削減できます。
強化された防犯性
1階に屋根がないこのタイプの設計は、不審者が2階に侵入しようとする際、使える足場が存在しないため、防犯性が高まります。例えば子供部屋を2階に設置する場合などにも安心感を与えてくれます。
これらを考慮することで、総二階の家でも住みやすく、機能的な家を建てることが可能です。計画段階でこれらの要素をしっかりと検討し、最適な選択をするよう心掛けましょう。
総二階のデメリット
総二階の家をつくることには、以下のようなデメリットもあります。
外観デザインの制限性
総二階の家はシンプルな外観が特徴ですが、そのために窓の形や位置、外壁やドアの素材と色など、デザインの選択肢は限定されがちです。面白味がないと思われるのも仕方ないかもしれません。屋根の形状や庇や窓、バルコニーのデザイン等工夫次第で凹凸を加えることは不可能ではありませんが、その場合は総二階特有のメリットを失わないよう慎重に計画する必要があります。昔建築して頂いたお客様の例では、総二階の建物で変化は出せなかったのでシンボルツリー等植栽やアプローチ、駐車場で変化を作りました。
土地選びの課題
建築基準法を遵守する必要があるため、総二階の家では2階が道路に対して奥まっていない場合が多く、土地利用の規制(北側斜線制限、道路斜線制限など)により、最大限土地を活用するのが困難です。私の営業マン時代では特に北側斜線規制で苦労した記憶があります。狭小地か2つの斜線規制が建築条件に絡んできますと細かなプランニングが要求されます。
間取り計画の難易度
総二階の家では、1階と2階の床面積がほぼ同じ必要があり、これが家全体の床面積を広げ、コストを上げる要因にもなります。特に、リビング、キッチン、浴室、洗面所、ゲストルームなど、1階に多くの機能を配置したい場合、2階の効果的な利用には特別な工夫が必要です。
もし二世帯住宅で総二階を検討する時は注意が必要です。一般的に1階を親世帯、2階を子世帯に分ける場合、子世帯部分のスペースが広くなりがちで1階部分のスペースが余ることがあります。親子別のスペースと親子共有スペースをどのように配置するかじっくり検討しておきましょう。
総二階の家づくりをするときのポイント
各階ごとにゾーニングを行う
各階にどんな居室や設備、スペースが必要なのか予め挙げておきましょう。
そもそもこの段階で各階のバランスが崩れている場合、無理に総二階に収めることは難しいでしょうし無理に建築したら将来ストレスがかかるでしょう。慎重に検討してください。
配色と素材で個性を演出
総二階のシンプルな外観は、配色や素材選びによってスタイリッシュやモダンな雰囲気を作り出せます。主張の強い色や異なる素材を用いても、全体のシンプルさがそれを引き立てます。外壁にアクセントカラーを加える、または玄関ドアの素材や色を変更するといった工夫で、自分好みのデザインを実現できるでしょう。近年の住宅では複数色の外壁を用いたケースが増えております。
庇とバルコニーで多様性を加える
庇やバルコニーを設置することで、総二階の住宅も一定の凹凸とダイナミズムを持たせられます。庇は、悪天候時に玄関や窓が濡れないようにすることで生活のストレスを減らします。一方で、バルコニーは外観に変化を加えるだけでなく、洗濯物を干すスペースや自然光を取り込む手段としても実用的です。これらの要素は、外観の美しさと同時に、日常生活にもポジティブな影響をもたらすでしょう。
まとめ
総二階の家がシンプルな構造であることから、デザインや間取りが容易に思えるかもしれません。
しかし、快適な生活環境と個々の要望を反映させるには、多くの工夫とアイデアが求められます。後悔しない家づくりのためには、本記事で紹介した各種のメリット、デメリットや考慮点をしっかりと把握し、自分の優先事項と日常生活のニーズに合わせて計画を練りましょう。
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